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第52話 PT会話と地図

前回のあらすじ:

魔法の塔をクリアしたがリザレクションは出なかった。

ミッションを2つクリアして、PT会話と地図の機能が開放された。

「リザレクションは手に入らなかったのね」



 マジクに戻ってきた3人を出迎えたスミレは、タマキからの報告を受けてそう発言した。今の時間は夜の9時を回ったところであり、スミレを含めた4人はギルド食堂の個室を利用して食事をしている。

 ユウキたち3人は魔具の塔も無事に制覇した後でマジクに戻り、夜になってからスミレと合流して話を伝えたところである。



「まぁ、そんな簡単に手に入るものではないわ。それにユウキ君の可能性も考えれば、どこかでリザレクションの魔法を見れば可能性があるでしょ。

 それに、ちょっと思うことがあるのよね。

 今はまだ、初級のエリアとか施設なんでしょ。中級のエリアや施設なんかだともっと手に入りやすかったり、いいものが手に入ったりするんじゃないかしら。リザレクションも手に入りやすいかもしれないし」


「それはあり得るわね」



 スミレの予想に同意するタマキ。



「中級なら今のところライバルもいないだろうし、やりやすいかもね」


「そうですね」



 ユウキとサクラにも反対意見はない。



「あとはPT会話と地図機能の開放、それと初級ダンジョンコアね。

 PT会話はどういうものだったの?」


「試した限りでは、距離に関係なくPTメンバーと会話できるようになっていると思うわ。

 PTから外れると近くに居ても聞こえないのも確認済み。

 あとは機能開放していない人がPT内に居た場合にどうなるかは実験できていないのよね」



 そう言いつつスミレをPTに誘うタマキ。スミレがPTに加わったのを確認してユウキに指示を出す。



「ユウキ、お願い」


「ん、切り替えるね」



 タマキの指示に従い会話モードを『通常』から『PT』へと変更するユウキ。既にステータス画面から会話モードを選択できる部分は見つけてあり、色々と実験も済ませている。



〈PT会話に切り替えました。スミレさん聞こえますか?〉


「……不思議な感じね。頭の中に鮮明な声が聞こえるわ。

 しかもそれ、口も動かしていないわよね」


「会話を頭の中でするだけで伝わるの。思うだけでは伝わらないみたいで、はっきりと会話を意識しないとダメみたいなのよね。

 ちなみに普通に声を出してもPT会話になるわ」


〈こんな感じです〉


「確かに口が動いているけど、やっぱり聞こえ方は頭の中に直接声が届いているように感じるわね」



 開放された地図機能についても詳しく説明する。PTメンバーの居場所が分かったり、行動範囲部分の地図が表示されるようになったり、ゲートや施設、ムーブコアなどが表示されていたり。

 特にムーブコアに関しては、動いてもPTメンバーの位置同様に最新の位置が表示される状況は便利なものである。



「それ、クランメンバーやレイドメンバーも表示されるのかしらね」


「どうなのかしら。まだ試してないわね」



 そもそもユウキだけでなく、タマキもサクラもシステムとしてのクランやレイドの組み方を知らないのだ。以前クランを組んだ際はスミレから誘われただけなので、気にしたことが無かったのである。



「クランやレイドって少人数でも組めるんですか?」


「組めるわよ。ただ、タマキちゃん<リーダー>スキルはまだ持ってないわよね?」



 スミレに言われてステータスを再度確認するタマキだが、残念ながらそのようなスキルは所持していない。



「残念ながら」


「そうよね。<リーダー>スキルはPTリーダーを続けていると手に入るわ。私もそれで手に入れたスキルよ。このスキルがあるとクランやレイドを組むリーダーになれるの。

 だから<リーダー>スキルがとれるまでは貴方たちはタマキちゃんをPTリーダーとして固定したほうがいいわね。

 スキルがとれたら別の人にしても消えることは無いから大丈夫よ。

 そうやって順に全員覚えれば良いと思うわ」



 話しながらPTから抜けるスミレ。そして自分を一人PTとしてタマキPTをクランに誘う。

 クランに参加したタマキが地図を確認すると、そこには緑色のマーカーでスミレの位置が表示されていた。



「PTメンバーは青色、クランメンバーは緑色みたいね」


「便利なのね。次はレイドの方も試しましょ」



 そう言いながらクランを解散するスミレ。今度はレイドとしてタマキPTを誘う。

 レイドに参加したタマキが地図を確認すると、今度は黄色のマーカーでスミレの位置が表示されている。



「レイドメンバーは黄色で表示されているわ」


「いいわねぇ。その機能、すっごく便利よ。

 うーん、欲しいけど手が出ないのよねー。

 訓練施設『初級コース』さえ突破できればミッションの方は何とでもなるんだけど」


「スミレさん、例の魔物が使っている魔法を使えるようになれば戦力は底上げできないですかね?」



 スミレの悩みに、ユウキが一つの解決策を投げかける。

 ユウキは自分自身の身体能力が低い部分を補う事に期待している部分が大きかったが、もし使えるようになればそれはユウキだけの問題ではない。

 身体能力が高い人が使えば、より強くなれる可能性があるからだ。



「そうね。さっき話を聞いていた時も思ったけど、それは興味深いわね」


「あとは、<魔化>をスミレさん達も手に入れるとかはどうでしょう。

 俺たちの時は3人でしたけど、まだ6人で倒すとどうなるかは試していませんし。上手く行けば<魔化>を使える人を増やせませんかね?」


「うーん、試す価値はあるのよね。

 でも問題点も色々あるの」



 そう言ってスミレは問題点を指摘する。


 先ずは<魔化>の取得方法。

 これには現状ユウキの力が必須となる。

 現状は<魔化>に関して知っているのは、スミレたちクラン黄昏のメンバーやギルドの上層部のごく一部。そして防衛軍の中でも神薙中将付近のごく一部のみである。取得方法まで知っているのはその中でもさらに極少数となる。


 これはスキルに関しては取得したいと思っても方法が分かっていない物が多数あるため、個人依存が大きいという認識がある。そのため一部の者だけが持っていたところであまり問題と思われていない。


 しかし確実な取得方法があると広まればまた別である。

 それも今回に関しては、ユウキと共に取得できる人数にも限界がある。一度倒したレイドボスとの戦闘には再度参加することができないからだ。正確には、同じ方法、同じ施設で出現させたレイドボスには、という事であるのだが。

 そのためユウキが参加できるレイドボス戦が無くなった段階で<魔化>の取得が事実上できなくなるのである。


 実際はダンジョンの数は増え続けており、それらを利用することにより取得可能人数は増えることになる。ただしレイドボスに関する情報もないために、どれだけの時間が必要となるかは分からない。


 ユウキをこれらに巻き込むことになった場合、ユウキが自由に使える時間は無くなる可能性が高いのである。



「訓練施設で3人と一緒に私達も突破して中級を調査しようというだけだった状況とは違い、今はミッション突破によるメリットが分かってしまった。

 メリットもなく危険だけを伴う中級調査用の少人数だけの為に手伝って貰うのとは違い、多くの人がクリアできるミッションをやりたい人はとんでもない数になるでしょうからね。

 選ぶにしても対象がちょっと面倒なのよ。

 それにね、仮に<魔化>を取得できたとしても、訓練施設『初級コース』を突破できるとは思えないのよね。

 魔物を倒さないと先に進むゲートが現れない以上、結局は攻撃力が必要になるのよ。<魔化>は確かにすごいけど、それは隠密性や防御、移動に関してよね。

 もちろんまだまだ分からないこともあるから研究した方が良いのは確かだけど、あまり広げすぎるのもどうかと思うの。

 まぁ、どっちにしても私達が取得するには私達も倒したことがないレイドボスを探さないといけないのよね。だからすぐにはできないのよ」


「上手くはいかないんですね」


「急ぐ必要はないわ。

 貴方たちが先を見つけてくれたおかげで、訓練施設突破に力を入れるべきだという事が分かったんだから。

 でも、今の時点で急いで試したいこともあるわよ。

 初級ダンジョンコアに関しては、今のミッションが終わってしまったら地図上に表示されない可能性があるわよね。もしくは表示されるにしても、地図で表示されている部分だけになる可能性が。

 他のダンジョンや、私達では入れないダンジョンでどう表示されるのかを確認して欲しいの」


「という事は、共通ミッション3のクリアは東京ダンジョンでという事になるのね」


「出来ればそうしてもらえると助かるわ。

 あとは小山ダンジョンから北に向かった先に、私達が入れないダンジョンが一つあるの。

 東京ダンジョンは南側だから反対方向になるけど、一度そこに一緒に行ってもらって、中に入れるかどうか、そして中の地図で初級ダンジョンコアという表示が出るのかどうかを確認してもらえると助かるわ」


「ユウキもサクラちゃんもそれでいい?」


「うん、いいんじゃない?

 ミッションクリアは特に急ぎという訳でもないよね。次に何が開放されるのかは気になるけど。

 俺たちの次にいつ誰が確認できるようになるか分からない以上、思いついたことはやっておいた方が良いと思う」


「私も問題ありません」


「ありがとね。

 今日はもう夜だから、明日の朝からでも向かいましょ。

 ダンジョンの外だし、たいして距離があるわけではないから何事もなければすぐに終わるはずよ」


 こうして次の予定は、今まで誰も入る事が出来なかったダンジョンの確認という事に決まったのだった。

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