転生しても龍のスキルは顕在です #1
「っ!!」
驚いた。
翼も爪もない人間の身体だったのだから。
「あら〜、起きたのクイナ。」
「おや?起きたのかいクイナ。」
2人の男女が私を覗き込んで来た。
どちらも同じような年齢で、20歳ほどだろうか、若々しい見た目をしている。
男は、身長180cmほど、金髪で、女は、身長170cmほど、銀髪で、どちらも優しそうな顔立ちをしていた。
始めは混乱してたが話を聞いているといろいろなことがわかって来た。
まず、私は人間に転生し、2人の子供クイナ・ユーヴィとして生まれたこと。次に、この家が伯爵家で私はこの家の次女だということ。氷龍の頃から、人間のことはそこそこ知っていたので、伯爵の位が高いことは知っていた。
(魔王の幹部として戦っていたときより、かなり平和に過ごせそう♪)
とても気分が良かった。もうあの毎日毎日死にそうになる、戦争にもう行かなくていい。そう考えると自然と笑顔になってくる。
(これからは、人間の女の子として平和に生きていくんだから!)
そう心に決めた瞬間であった。
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私、クイナは10歳になった。
この10年間、必死に人間の常識を頭に叩き込んできた。なぜそんなことをしたかって?そんなもの平和に生きていくために決まっている。変に問題を起こして、牢獄での一生なんて笑えない一生を過ごすなんてそんな気は全くない。
話を変えるが、嬉しいことに弟と妹ができた。弟の名前はリュート、妹の名前はミーナ、リュートは8歳、ミーナは6歳だ。2人の性格は簡単に言うと、リュートがヤンチャで、ミーナがおとなしい。
ちなみに長女の名前はエミナ、14歳、両親に似て優しい性格をしている。
髪の色は、エミナとリュートが金髪、私とミーナが銀髪になっている。
私は、今日から学校に行く。王都の有名な魔法学校だ。10〜14歳までの4年間、寮生活を送るのだ!
「ひっく、クイナ姉様、ひっく、行かないでください〜」
ミーナが泣きながら私の出発を止めようとしてくる。可愛い…。
「べつにずっといなくなるわけじゃないんだから、泣かないで、休みの日には帰ってくるから。」
「でも〜」
「大丈夫、困ったら父様と母様を頼って。それとリュートのこと頼んだわよ、変なことしないように見守ってあげてね。」
「ぐすっ、わかりました。クイナ姉様もお元気で。」
「おいなんだその俺が今まで問題を起こしてきた、みたいないいかたは?」
「じゃあ行ってきます。」
「無視するなぁぁっ」
こうして私の学校生活が始まるのだ。