第0話・・・爆発_世界_孤児院・・・
四年近く更新していませんでしたが、最近再開致しました。
週に1~2回は更新する予定です。
本作品の最初の方は大学生の頃に書いたので、自分的に未熟な部分が散見していて恥ずかしかったりするのですが、皆様からご愛読・応援して頂けるよう精進したいと思っております。
更新再開時の詳細は2023/3/17に投稿した『お久しぶりです』で綴らせて頂きます。
ブックマーク・評価・いいね・感想・レビュー、全てお待ちしております。何卒よろしくお願いします。
※これから少しずつ修正していく予定ですが、他の話の前書きや後書きに大学生当時の小話や愚痴を書いていたりするので、できればスルーして下さい。
「みなさんは、改界爆発って知ってるかな?」
田舎に建つ木々に囲まれた小さな孤児院。
そのとある一室では、3歳以上5歳未満の子供たちが10人、座って授業を受けていた。
親もおらず、幼稚園にも通えない子供たち。
本来であれば小学生に上がってから教えるべきことも、肝心なことは早めに教えた方がいい。
先生代わりの院の女性職員の質問に、目の前の子供たちの大半が首を傾げた。無理もない。この歳の子でも、テレビのニュースや他の特集番組など知れないことはないが、理解ができるはずもない。
だが女性職員は答えを口にするつもりはなかった。
この中で一人、4歳にして理解できている子がいることを知っているからだ。
「はい! 342年前に世界のいたるところで起きたばくはつのことです!」
夜色の髪をした少年が勢いよく手を上げると同時に答えた。
女性職員は少年に笑いかける。
「湊くん、正解」
他の子供達が尊敬と羨望に染まった純粋な眼差しを少年に送る。
「すげー」「さすがみなとくん」「よく知ってんなー」
湊と呼ばれた少年は照れつつも小さな手でピースを作る。
職員は再度少年に問い掛けた。
「湊くん、どんな爆発だったかは知ってるかな?」
「はい! 光がはじけたように飛び散って、くうかんが振動しただけで、しにんもけが人も0人という奇跡のようなばくはつです!」
「正解! そう。突然起こった無害な爆発。飛び散った光は雪みたく世界中に降り注いだけど、死んだ人も怪我をした人もゼロ。…でも、その日を境に世界は大きく変わったの」
「はいはい!」
湊が声を上げる。
だが勝手に答えようとはせず、職員の許可を待つ。
職員が「はい、湊くん」と促すと、少年は元気よく答えた。
「多くの人たちがふしぎな力を持つようになり、せかいの文明が大きくしんぽしました!」
「正解! 今、湊くんが言ったように改界爆発によって不思議な力を持つ人が次から次へと現れたのです」
「せんせー!」
その時、湊ではない別の男の子の声がした。
「俺たちもそのふしぎな力を持っているんですか!?」
「そうとは言えないの」
職員は人差し指を立てた。
「…今の時代、世界人口の約3割……つまり、この教室にいる10人の子供のうち3人だけしか不思議な力を持っていないということなの」
「えー、俺持ってるかなー」
その呟きに湊が夜色の髪を揺らしながら答えた。
「それは今は分からないんだ。持ってるかどうか分かるのは7,8さい、ちゃんとしたきょういくが始まるのは14,5さい頃なんだって」
「なんだ、まだまだ先かー」
「知ってる? 実はふしぎな力を持ってるか今分かる方法があるんだ」「え、まじか!?」「そ、それ私にもおしえて!」「お、俺にも!」「……それ本当なの?」「もちろんウソだよーー、ふふふ」「だ、だましたなああぁ!」「だまされる方が悪いんですぅぅ。みなとくんとかは気付いてたもん」「わ、わたしも気付いてたわよ!? もちろん!」「そんな取りみだして言われてもな……」「だね……」「むうぅぅぅ!」
喜怒哀楽。
多くの感情が舞う空間を、女性職員は暖かい目線で眺めながら、こんな景色がいつまでも続くことを祈った。
いかがだったでしょうか?
まだ序盤ですが、少しでも気になって頂けたら、次話に読み進めて頂けると嬉しいです!
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