4/4
暴かれる正体とモロコシ
「もう、弁慶が、長刀を飛ばしてくれなかったら
今頃私、崖の下だったんだから」
娘はむくれながら
トウモロコシを
村長の家で、貪っていた
「そうだ、だから俺にも、モロコシを」
背後で声がしたが
金色の髪を持つ男は
それを無視する形で
前にある囲炉裏に、しょうゆを垂らしたモロコシを、並べた
「しかし、ただの自然現象だったとはね」
娘は、頬に、トウモロコシの破片を、付けながら、また一つ囲炉裏から取る
「ああ、どうも、わしもおかしいとは思ったが
、お前が飛ばされて、その正体がわかった」
「・・・・しかし、これで、妖怪退治の料金は、この山のようなモロコシに変わってしまったけだ」
ため息を付く男と
それを気にしない娘
「でも、村長がやられちゃったことにすれば・・・」
聞き耳を立てていた、村長は、ふすまの向こうで、逃げる算段をするのであった




