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農夫現る

「死んでなんぞいないわ」

男の背後で、姿なき声が聞こえる

「元気だな、妖怪でも見つけたのか」

金色の髪をしたオヤジが、独り言のように、そうしゃべるが

また背後から

「見つけたも何も、俺にも飯を食わせろ」

そう言う声が聞こえる

しかし二人はたいして気にも留めずに

沢蟹の味噌汁をおいしそうに啜っていた

最近ではまともな料理と言えよう

「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおおおいおいおおいおいおいいいおいおいおいおいおいおいおいおおいおいおおおいいい」

少女が叫んだ

「うるさーーーいい」

「黙れ」

金髪の男が

そう言って、少女のお椀の中の沢蟹を

さっと、一つ自分の碗に居れた

「おい少女、良い事を教えてやる、耳を貸せ」

男の背後でまた声がした

男は、懐から、何やら墨と筆を取り出したが

それよりも早く

事の顛末を話す背後の声

「なにーーー」

一瞬にして、河原の食事は、地獄絵図と化した


「おい、あんたらが、怪しいもんを退治してくれると言う業者の方かい」

いかにも農夫と言う格好の男が、二人を見て言う

「いかにも、私がこの組織の団長、紅の流れ星、銀流とは」

「はい、こいつが、下っ端見習いの娘で

私が責任者です」

「そうですか、それでさっそくなんですが

岩山の方に、来て貰えないでしょうか」

男はそう言うと、二人を、村の中でも立派だと分かる

家に招き入れたのであった

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