幕間
作「というわけで２話目だな」
狂「飽きっぽいお前がよくも書いたもんだ」
作「失礼だな。それだと俺が書きっ放しで完結させない、みたいに聞こえるじゃないか」
狂「そう言ってんだ。
まだ完結してないの２作ほどあったと思うんだが」
作「…………マジスクは完結させたし」
狂「そりゃ１作目を完結させてなかったらダメすぎだろ………」
作「ところで、２話目なんだが今回短いだろ？」
狂「露骨に話を変えたな………。
ああ、確かに短いな」
作「何でかと言うと、１話目はプロローグで、２話目は本編に入るための幕話みたいなもんなんだよ。
だから短いんだ」
狂「成る程な。それにしても短くないか？」
作「早く本編に入りたかったというのもあるし、出せるキャラが少ないというのもある」
狂「出せるキャラ………ああ、そういうことか」
作「そんなわけで早速、三行で表すのが難しくなってるが………まあ、無理矢理出すと
脳天に走る衝撃！
おいしいご飯！
ついに登場、白黒の魔法使い！ってところか」
狂「無理矢理感が滲み出てるな、特に二行目」
作「…………本当にそれぐらいしか思い付かなかった」
「………ら、………さい」
微睡みの中で、誰かの声がする。
しかし俺はこの微睡みの時間を手放したくないので抵抗を試みる。
「………なら、………ずくでいくわよ」
ああ………この微睡みの時間のなんと心地よいことよ………
ゴンッ!!
「ぎゃああああああ!!いてええええええ!!」
心地よい気分から一転、脳天に衝撃が走り俺は飛び起きる。
「全く………やっと起きたわね。
早くご飯食べてくれないと下げられないんだけど」
そんな俺を呆れた顔で見ているのは、紅白の巫女服に身を包んだ霊夢だった。
その手にはお祓い串が握られている。
「ちょ、まさかそのお祓い串で殴ったんじゃ」
「そうよ。あ、ちゃんと棒の先で殴ったから安心しなさい」
「何をっ!?てか、一番痛い所で殴ったのか!!」
俺は思わず怒鳴るも霊夢は気にせず「後で下げなさいよ」と言い、部屋から出ていった。
「くっ………命の恩人だし、泊めてもらってるし、飯も食わせてもらってるからあまり強く言えない………」
テーブルに目を向けると、朝食が置いてあった。
見知らぬ男を泊めてくれ、こうしてご飯を用意してくれる辺り、霊夢は意外と面倒見が良いのかもしれない。
とりあえず有り難く頂きますか。
「頂きます」
お、うまいな。
焼き魚の焼加減も丁度良い。
漬け物も俺好みの味だな、ご飯に合う。
今度はこの味噌汁を……
「おーい!!霊夢―――!!
大変だ――――!!」
「ぶっ!?ごほげほがほっ!!」
飲もうとした時、大声が聞こえびっくりして味噌汁が喉に入った俺は思いっきりむせた。
「げほっ、だ、誰だ？」
聞こえたのは女の子の声だったし、友達か？
俺は立ち上がり和室の障子を開ける。
そこには箒片手に掃除をしている霊夢と、同じく箒を持ち、黒と白の服に身を包み、黒い帽子を被った金髪の女の子がいた。
なんか魔法使いみたいな格好だな。
その魔法使いみたいな女の子は俺を驚いたような顔で見て、次に霊夢の顔を見てもう一度俺の顔を見た。
「………ちょっと急用を思い出したぜ」
そう言って箒に跨がろうとした女の子を霊夢はガシッと掴んで止める。
「待ちなさい魔理沙、何か勘違いしてない？」
「いやいや、恥ずかしがることはないぜ。
霊夢にも彼氏がいてもおかしくないよな」
「やっぱり勘違いしてるじゃないの!!
アレはそういうんじゃないから！」
「照れるな照れるな。
お似合いのカップルじゃないか」
「だから違うわよ!!」
女の子………魔理沙と霊夢は俺のことを忘れ、話し続けている。
とりあえず飯を食ってしまおう、うんうまい。
そうして飯を食い終わり、食器を洗い終わって戻るとやっと話が終わっていた。
「なんだ、外の人間だったのか。
それならそうと言えばいいだろ」
「何回も言ったじゃない………」
心なしか霊夢がぐったりしてる。
魔理沙は俺に気づくとすたすたと近づいてきて
「初めましてだな。
私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。よろしくな！」
そう言って手を差し出してくる。
「はあ………どうも」
俺は魔理沙の勢いに押され、おずおずと握り返した。
「で、あんたは何しに来たのよ？
何か大変だーとか言ってたけど」
霊夢の言葉に魔理沙は「おお、そうだった」と手を叩く。
「この近くにある湖は知ってるだろ？」
「あの妖精がよく集まってる所？」
「そうそう。その湖の近くに真っ赤な館が立ってたんだよ」
「真っ赤な館？」
霊夢が何だそりゃ？という顔をしている。
ちなみに俺も同じ顔をしているだろう。
「さあな。もしかしたら紅い鬼が住んでいるかもな」
魔理沙が冗談めかして言う。
紅い館に赤い鬼って…………ぞっとしねえな。
「で、今からその館の探検に行くんだが、一緒にどうだ？」
「はあ？嫌よ、面倒くさい」
「なんだよつれないなぁ………。
お前はどうだ？」
「い、いや俺も遠慮しておく」
さっきの赤い鬼のイメージが浮かんだ俺はすぐに否定した。
「ちぇ、なら私一人で…………ん？何か暗くないか？」
そう言って空を見上げた魔理沙が固まった。
「どうしたのよ？」
「………上見てみろよ」
そう言われ俺と霊夢は空を見上げ、そして唖然とした。
さっきまで太陽が輝いていた空は、いつの間にか紅い霧のようなものが埋め尽くしていた。
「………これのせいで暗かったのか」
呟く俺の横で霊夢が神社に向かって歩き出す。
「霊夢、やっぱりこれは」
「ええ、間違いないわ」
魔理沙の言葉に霊夢は頷く。
「これは………異変だわ！」
――――ＥＮＤ――――
作「というわけで、いよいよ東方らしくなってきました。
旧作入れないと、Win版での東方１作目、紅魔郷編スタートです。
この作品から東方の知名度が上がったと言われる記念すべき作品です。
それ故か、作品自体はもちろん、キャラクター、曲に至るまで今でも人気が高い。ちなみに俺の好きなキャラはフラン、曲はＵ，Ｎオーエン」
狂「典型的だな」
作「基本的に全部好きなんだけどな。
おてんば恋娘も良いし、妖魔夜行も良いし、ラクトガールとか………って言い出したらキリがないな」
狂「東方って弾幕ゲームとしての完成度も高いけど、曲もすごい良いよな。
俺、あまりシューティングゲームで『〇〇の〇〇良いよな！』っていう会話をするイメージが浮かばない」
作「俺も曲から入ったからなぁ。
原曲もアレンジもよく作れるよな。
あの音楽性の一欠片でも俺に備わってれば良かったんだが」
狂「それは無理だろｗｗ」
作「てめえ………覚えてろよ………！
さて次話は順当にいけば、あのキャラが出るかも。
お楽しみに〜」
