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プロローグ
プロローグ
「ねぇ、大丈夫…?」
真っ白に雪が積もった街が見える。
街外れにある広場で、俺はわざと倒れていた。
「あなた、戦ってきたの…?」
もう、うんざりだ。
俺は全てに絶望した。
何でこんな事になった。
何で俺が巻き込まれた。
何で、何で、何で。
「…おかえりなさい」
…何だ、こいつは。
俺は絶望しているんだぞ。
世界に、未来に。
それなのに、何だよ「おかえりなさい」って。
「戦ってきてくれて、ありがとう。」
俺は死にたくて倒れていたのに。
もう二度と目を開くつもりは無かったのに。
僅かに開いた世界には
静かに降る雪を背景にしたかのように
可愛らしい女の子が、俺に傘を傾けていた。