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ROUND1

 

 ――ピピピ‥ピピピ‥

 

 電話だ‥‥あっ!出掛けてっから俺しかいねーのか!

 

 「は〜い、みんなの愛の戦士、宇堂 龍太郎で〜す。」

 『自惚れるな』

 ―― ツーツー

 

 冴子からかよ‥てか

 

 「・・・切るなよ。」 

 

 それにしても‥‥ヒマだ。

 

 俺が経営する【宇堂探偵事務所】では基本的に‥‥‥‥ヒマだ。

 

 ――ピピピ‥ピピピ‥

 

 「おっ!掛け直してきたか、可愛い奴め♪」

 

 そんな、可愛い君には俺からの愛をあげよう♪

 

 「俺に愛されたくて掛け直してきたなぁ〜♪」

 『死ねと言いたくて』

 ―― ツーツー

 

 ・・・無機質な音がトラウマに成りそうだ。

 

 「‥飯でも、食おっ。」

 

 所長に対して取る所員の態度を考えながら台所へと向かうけど、結果が直ぐに判るんだわ。

 

 「・・・直す気、ねぇ〜よな。」

 

 そんな無駄な事を考えるから余計に悲しくなるのになぁ‥何で考えたんだろ?

 

 「・・・カップ麺でいっか」

 

 ヤカンに水OK!

 コンロにセットOK!

 

 「・・・着火」

 

 ここで上を見上げても天井しかねぇのにな‥‥

 

 「はぁ〜」

 

 

 独身が、虚しく一人、カップ麺。‥‥

 

 

 「・・・今の俺って何気にヤバくねぇか?」

 

 ‥‥ヘタレて無いでカップ麺でも選ぼ‥

 

 「どーれーにしーよーうかーなぁー♪」

 「あっ!私にはコーヒーを一杯。」

 「OK!ハニー」

 

 ‥‥ん?条件反射で返事したけど

 

 「ほら、お湯が沸騰してますよ。」

 

 振り返れば其処には、何時も所長の俺を侮辱した冷たい眼差しの 城島 冴子さん。

 

 

 「・・・おかえり」

 「そんな事より、私はコーヒーが飲みたいのです。無能が!」

 

 ・・・一応、此処の所長は俺ですよね?

 

 「この私が、コーヒーが飲みたいと言って要るのですよ?」

 「・・・はい、御用意します。」

 

 俺がその辺の事務所の所長なら、貴女は何処かの女帝でしょうか?

 

 「…無能は行動が遅くて困ります。」

 

 呟くならちゃんと、聞こえない様に言いやがれぇぇぇーーー!!

 

 「どうか、しましたか?」

 「何とも御座いません。」

 

 後ろにヘバリ付きやがって!

 大体テメェは無表情過ぎなんだよ!

 

 「あっ!一つ言いたい事が。」

 「何か御座いましたか?」

 「その喋り方、龍太郎には似合いませんし‥‥殺したくなる。」

 「‥‥‥ッ!!」

 

 さっ、最後のは幻聴だ!だから、俺が焦る事も無いんだよな?

 滝みてぇに汗、流してんのもコンロの前に居なきゃならねぇからだよな?

 だよな?このコンロ壊れてんのか?なかなか沸かねぇぞ?

 

 オラッ!湯が沸かねぇぞ!テメェのお陰で汗だくじゃねぇか!!

 

 

 

 「ですから、火を消しなさい!お湯が沸騰してますから。」

 「・・・」

 「龍太郎?」

 「あー、判ってたよ!! 現実逃避してたのが悪るいのか!!」

 「・・・現実へ、おかえりなさい。」

 「おうよ!」

 

 

 さてと、俺はカップ麺にお湯を注いだら、威風堂々とカップ麺と言う名の宝を持って応接国に帰還じゃ♪


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