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白き死神の挽歌(エレジー) ——極寒のコッラ、五〇五の墓標  作者: beens
第3章 氷点下の決闘

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第13話 レンズの光

 シモと敵スナイパーとの我慢比べは、すでに3時間を超えていた。

 互いに相手の正確な位置は分からない。分かっているのは「この森のどこかに、自分を殺せる人間がいる」ということだけだ。

 シモは、雪原のわずかな起伏に身を隠していた。

 まつ毛が凍りつき、視界が狭まる。だが、瞬きは最小限に抑える。

 敵はどこだ?

 風向き、鳥の動き、雪の積もり方。あらゆる情報をスキャンする。

 敵スナイパーも優秀だった。おそらく、彼もまたシモを探して、スコープ越しに森を舐めるように監視しているはずだ。

 スコープ。

 それが、勝敗を分ける鍵だった。

 夕刻が迫り、西の空に太陽が傾き始めた。

 射すような陽光が、雪原を茜色に染め上げる。

 その瞬間だった。

 400メートルほど先の木立の中で、キラリと何かが光った。

(見えた)

 

 それは、太陽光を反射した敵のスコープのレンズだった。

 相手がシモを探そうとして、わずかに身じろぎした瞬間、西日がレンズに反射したのだ。

 

 シモに迷いはなかった。

 アイアンサイトにはレンズがない。反射することもない。

 彼はすでに、光った場所へ銃口を向けていた。

 

 息を吐ききる。

 指先の感覚だけを残し、世界を消す。

 

 ――ターン。

 

 コッラの森に、乾いた音が一つだけ響いた。

 敵からの撃ち返しはない。

 レンズの奥にあった瞳を、シモの弾丸が貫いたのだ。

 

「……スコープなんて使うからだ」

 シモは低く呟き、静かにその場を離れた。

 勝利の余韻に浸る時間はない。銃声を聞きつけた敵の迫撃砲が、すぐに飛んでくるからだ。

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