表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白き死神の挽歌(エレジー) ——極寒のコッラ、五〇五の墓標  作者: beens
第2章 コッラの奇跡 ——守るべきもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/14

第10話 コッラは持ちこたえるか?

 12月中旬。戦況は依然として絶望的だった。

 師団司令部から、ユーティライネン中尉のもとに電話が入る。

「状況はどうだ? コッラは持ちこたえられるか?」

 司令部の焦燥感が伝わってくる。

 中尉は受話器を握りしめ、埃まみれの顔で笑った。

「コッラは持ちこたえる(Kollaa kestää)! 

……我々が最後の一兵になるまではな」

 その言葉は、すぐに前線の兵士たちに伝わった。

 コッラは持ちこたえる。

 それは単なるスローガンではなく、彼らの合言葉となり、魂の叫びとなった。

 その夜、シモが拠点に戻ると、戦友たちが彼を取り囲んだ。

「シモ、今日はいったい何人やったんだ?」

「……数えてない」

 シモは乾パンをかじりながら答えた。

「嘘をつけ。中隊長が『あいつ一人で一個小隊分だ』って笑ってたぞ」

 アンッティが肩を叩く。

「お前のおかげで、今日は久しぶりにゆっくり眠れそうだ」

 シモは少しだけ微笑んだ。

 自分の仕事が、仲間の休息に繋がるなら、それでいい。

 だが、彼は知っていた。

 明日はもっと多くの敵が来る。

 そして、いつか自分の弾も尽きる時が来るかもしれないことを。

 彼は愛銃の手入れを始めた。

 銃身にこびりついた煤を落とし、オイルを薄く塗る。

「頼むぞ」

 小さく声をかけ、彼は毛布にくるまった。夢は見なかった。戦場に夢など必要ないからだ。

更新通知を受け取りたい方は、ぜひブックマークをお願いします!

「続きが気になる」「面白い」と思っていただけたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ