質問4 色とは何ですか?
「僕の色かー。ちょっと、想像できませんね。青色が冷静とか、赤色が情熱的とか、そんな感じ?
たくさんの色があるけど、どれがいいんでしょうか?」
―うーん、良い悪いというのは少し違うかな?あくまで物理的な波長は特定の周波数帯を示すだけで、感情的・道徳的に何が正しいという意味は含んでないから。人間さんは自分の都合で波長を区切って特有の意味を加えているみたいだけど、純然たる空の世界に本来境界線はないわ。
「波長を・・・区切る?」
―光の波長、振動数にいくつもの敷居を設けて、人間さんは色彩を認識しているの。人間さんが認識できる可視光線の中で、一番波長が長いのが赤色で、一番波長が短いのが紫色。波長が短いほど振動数が高く、エネルギーも大きくなるわ。
「あ、それわかります!虹やプリズムで太陽光が七色に分解できるんですよね」
―虹が七色と考えてるのは、多分日本人と韓国人ぐらいかしら?実際に太陽から降り注ぐ光は広大な周波数帯にわたっていて、見る人によって分割する場所もバラバラなの。アメリカやイギリスでは六色、ドイツやフランスでは五色、東南アジアでは四色だったりするわ。
「ええー!たった四色しかないって!? 同じものを見てるはずなのに、なんでそんなに違うわけ?」
―それは人間さん『言葉』を使って色を定義したからよ。日本の人間さんと外国の人間さんでは、使ってる言語が違うでしょ?
赤と橙の言葉が使われている国ではその二つの色が区別されるけれど、もし赤しかない国だったら?きっと赤も橙も同じ色として扱われるよね?逆にもっと細かい色が規定されていたら、人間さんも八色や九色に見えていたんじゃないかな?
「なるほど、僕も知らないうちに虹が七色という固定観念を植え付けられていて、他の色があることに気付かなくなっていたってことなのか」
―言葉は人間さんの認識を広げもするし、逆に狭めもするわ。この地球に住む一人一人が言葉を通じて別々の現象を見ていることに、人間さんは気付いているかしら?