第55話 パリステイン
皆さんお久しぶり、仕事が忙しくなったキャンドルです。
残業ばかりで帰ったらすぐ寝ちゃって全然書けません(。´Д⊂)
それでは早速本編をどうぞ( ゜∀゜)つ
元達は既にパリステインの街の宿屋に到着していた。
奏
「元、ここでは何をするの?」
紫
「パリステインは鉱山の街!ここでは七宝の金と銀を手に入れるんだよ!ね、元!」
元はそうだと肯定し宿屋にチェックインを済ませた。
元
「俺はこれから鉱山に行ってくるがお前たちはどうする?」
奏
「うーん、私はもう少しスキルの練習がしたいな」
紫
「そっれなら私が練習に付き合うよ!」
元
「わかった、なら鉱山には俺一人で行って来よう」
元は鉱山に、奏と紫は街の外に向かった。
鉱山サイド
鉱山作業員
「ん?なんだ小僧、ここは遊び場じゃないぞ」
元
「俺は採掘に来た。鉱山に入らせてもらうぞ」
鉱山作業員
「許可はとってきたのか?ドルクさんの許可がないと採掘はできんぞ?」
元
「許可?昔はそんなもの必要なかったはずだが?」
鉱山作業員
「この鉱山にも魔物が住み着いてな、1年前にドルクさんが一般の人の採掘を禁止したんだ」
元
「…なるほど。なら出直そう」
元は引き返し街の方へ歩いて行く。
元は歩きながら目の前の空間を手で撫で、一歩進むと元の姿が消え、鉱山の中に現れた。
元は澪のスキルで鉱山の入口から鉱山の中までの距離を無くしここまで移動してきたのだ。
元
「なるほど、確かにモンスターが多いな」
元が移動した周辺には多数のモンスターが徘徊しており、元の存在に気がつくと一斉に襲いかかってきた。
元
「ストーンヘッジホッグにアイアンバット、数は合わせて…20といったところか」
元は襲い来るモンスターたちを炎でまとめて焼き払った。
元は少し引き返し、作業員が採掘を行っているエリアまで戻ってきた。
そこで元は作業員に見つからないようにピッケルを拝借しまた奥に進んでいく。
暫く歩いていると開けた空間にたどり着いた。
そこには採掘の途中で放置された鉱石が岩肌にさらされているものもある。
元は早速採掘を始める。
一時間後、銀は比較的に楽に見つかったが金が見つからない。この場所から採れる鉱石は鉄、銅、銀の3種類らしい。
元はここでの採掘を中断し更に奥へ進んでいく。道中、襲い来るモンスターの数も一層増したが元は物ともせずに進んでいく。そしてふたたび開けた空間にたどり着いた。
元はすぐさま採掘を始める。20分程ピッケルを振るうっているととうとう金を採掘した。
元は金を手に入れるとピッケルを元あった場所に戻し、ここへ来たときと同じように零のスキルで街に戻ってきた。
街外れサイド
紫
「それじゃあ始めよっか!まずは属性魔法の練習からだね!」
紫はそう言うと奏の周りにプロテクトで作り出した丸い的を無数に出現させた。
紫
「取り敢えず50枚出したよ、まずは魔法の操作に慣れなくちゃ!まずはこの50枚を一分以内に全部壊してみて!ちなみにこのトレーニングは昔、元もやってたトレーニングだよ!」
奏は紫に言われるまま水の魔法で一枚ずつプロテクトを壊していく。
最後の一枚を壊してタイムを確認。結果は3分17秒。
2分以上オーバーしてしまっている。
その後、紫の助言を聞きながら何度もトライし、7回目でとうとう1分を切った。
紫
「やったねかなちゃん!じゃあ次は100枚にするから1分30秒以内に壊してみて!」
紫がそう言うと奏の周りにターゲットが100枚現れた。
奏は早速挑戦した。
結果は1分48秒。
あと18秒間に合わなかった。
しかし、奏はさっきまでの練習でコツを掴んでいたため二度目の挑戦で1分28秒、あっさりとクリアしてしまった。
紫
「すごいかなちゃん!たった二回でできちゃうなんて!」
奏
「そう、かな?ところで元も昔同じことをやってたんだよね?どれくらいで壊してたの?」
紫
「元?えっとね、私が出せるターゲットの最大が5800枚なんだよね」
奏
「そうなの?」
紫
「で、元はその5800枚を一瞬で全部壊すの」
奏
「うん…。え?一瞬?」
紫
「そう、一瞬」
奏
「…。そっか、一瞬か。ねえ、私もやってみていい?」
紫
「え?5800枚?」
奏
「うん、5800枚」
紫
「う~、ごめんね、今のこの私の魔力じゃ3000枚が限界なんだ、それでもいい?」
奏
「うん、それでもやってみたい」
紫
「わかった、それじゃあ出すね!」
紫は一つ大きく深呼吸すると奏の周りの空間を埋め尽くすように合計3000枚のターゲットを展開させた。
そのターゲットは奏から見ると幾重にも重なり遠くのターゲットの正確な位置を目視することは出来ず、身動きをとるのも困難なほどに密集している。
紫
「はぁ、はぁ、それじゃあ、スタート!!」
奏は紫の掛け声でターゲットを壊し始める。
まずは周囲を埋め尽くし、身動きを封じているターゲットを削るように壊していく。
30秒ほどで自分を覆う周りのターゲットを壊し周囲を伺う。
しかし、多少削ったところで全体から見ればほんの一部、ターゲットに阻まれ空すら見えない。
奏は意を決して正面のターゲットを壊していく。
しかし、ターゲットは壊しても壊しても減っているような手応えが一切なく先が一向に見えない。
しかし、振り返ると確かに壊した部分は空間ができておりそれが奏のやる気に繋がった。
奏は気を引き締めて再び前を向き正面のターゲットを壊し続ける。
挑戦開始から10分、紫の目に奏の姿が映った。
かなり疲労している様子だ。
奏が厚いターゲットの壁を破り後ろを振り返る。
その圧倒的存在感から少したじろぎ、それでも端から壊していく。
そこから20分経過したところで全体の約半分を壊しきった。
しかし、この時点で奏の体力も限界のようでここでギブアップした。
奏
「紫ちゃん、も、ぅ、ギブ、アップ」
奏の言葉を聞き、紫は周囲のターゲットを消滅させた。
紫
「私も、疲れちゃった。ちょっと、休、憩」
奏の挑戦は30分で1458枚となかなかに善戦した。
その後、二人は少し休憩を取った。
二人が休憩していると、ひと組の旅人が話をしながらパリステインへ向かっている。
旅人B
「それにしても『ヴォルヴァーズ』に雪が積もるなんてどうしちゃったんでしょうね、アニキ?」
旅人A
「分からない、だがもしかすると魔王軍の力が強まってるのかもしれない」
旅人C
「じゃ、じゃあ、国王様に報告に行った方がいいんじゃない、ですか?」
旅人B
「そうだなミリア!アニキ、今日はパリステインに泊まって一度王様に報告に行きましょうよ!」
旅人A
「そうだな。明日にアライアに戻ろう」
旅人三人はそのままパリステインに入っていった。
今の話を聞いていた紫がとても驚いていた。
曰く、ヴォルヴァースは次に立ち寄る予定の町で火山のふもとにある町。
雪が積もるなんてあるはずがない町だという
奏と紫が元に報告するために休憩をやめ街に戻っていく。
奏達が宿に戻ると既に元は戻ってきていた。
紫はヴォルヴァーズのことを元に報告した。
元
「…確かに気になるな。ヴォルヴァーズの火山は活火山、火山灰が積もっても雪は積もる前に溶けるはずなんだが…」
元は少し考え込んでから明日の朝ヴォルヴァーズへ出発すると告げ部屋を出ていった。
第55話 パリステイン END
奏
「元行っちゃった。ねぇ、紫ちゃん、ヴォルヴァーズってどんなとこ?」
紫
「ヴォルヴァーズは火山の麓にある町だよ!」
奏
「えっと、他には?」
紫
「他には火山灰を利用した砂風呂が有名かな?」
奏
「へー、砂風呂なんて有るんだ」
紫
「あとは火山がよく噴火するのでも有名だよ!」
奏
「え!?」
紫
「ん?」
第55話 パリステイン END