第46話 シルベット
前々回の荒すぎるあらすじ
砂漠を歩く
ドドン・ドンドドンに襲われる
以上
前回の荒すぎるあらすじ
元がドドン・ドンドドンを倒す
以上
前回の投稿で前回のあらすじを記載するのを忘れていたので今回記載しておきます
さて、やっと投稿できました!
前回にパソコンで投稿するから早くなると言っていたのに結局改善はされてないですねw
何はともあれ投稿遅くなりました。すみませんでた。
それと今回はジョジョの奇妙な冒険の影響でかなり説明口調になってますw
それでは本編をどうぞ!
魔力を使いすぎ、倒れて眠っていた奏が目を覚ます頃、日は沈み辺りは暗くなっていた。
元
「起きたか、こっちに来て飯を食え」
元に呼ばれた奏が身体を起こすと、夕食用にシチューが作られていた。
奏は姿勢を正しシチューを口にした。
奏
「何これ、今迄食べたことのない不思議な味、でもすごくおいしい!」
奏はその後もしばらくシチューを食べていたが、ふと紫が居ないことに気がつき、その事を元に問いただした。
元は「休んでる」とだけ言い食事に戻る。
奏はその言葉だけでは納得できず、更に元を問いただした。
元
「紫もお前と同じで魔力の使いすぎだった。あの姿は紫がマジックで作り出した分身、当然維持するにはそれ相応の魔力が必要になる。加えて先の戦いでかなりの魔力を消費し形を保てなくなり休んでる。と言うのが理由だ。納得したか?」
奏は頷き再び食事に戻った。
二人は食事が終わると食器をDRにしまい込み、代わりにテントを取り出し組み立て、眠った。
翌日、二人は次の町『シルベット』を目指し歩き始めた。
道中バーニングスネークが襲ってきたが奏が返り討ちにし、二日間歩きシルベットが見えた。
紫
「かなちゃん!元!遅いよ!」
シルベットの町が見えたとき、町の入り口に紫が待っていた。
奏
「紫ちゃん!よかった無事だったんだね」
三人はシルベットの入り口で合流し、揃ってシルベットに入っていった。
シルベットの町に入るとバトライフ同様、元が先導している。
その元に奏がどこに行くのか質問した。
元
「この町では今武闘大会が開かれていて、その優勝商品に七宝の『玻璃』が登録されている。だからそれを手に入れる」
三人が闘技場に到着すると元と奏の二人が武闘大会にエントリーした。
この日は予選だけでランダムに選ばれた相手と戦い、10勝すれば本戦に参加する権利を得る。
最初に呼ばれたのは奏、アナウンスに従いステージへやってきた。
ルールはバトライフと同じ武器の持ち込み禁止、場外、降参、死亡すれば負けそれ以外は何でもありだ。
レフェリー
「さぁ!続いて残り7枠の本戦出場権を賭けて戦うのはこの2人!西ゲート、アルノアぁ!対する東ゲート、朝沙陽ぃ奏ぇぇ!スタンバイ!バトルスタート!!」
レフェリーの合図とともにアルノアは奏を場外へ押し出しに来た。
奏はそれに対応出来ずにそのまま押し出されてしまった。
レフェリー
「勝者アルノア!これでアルノアの本戦出場が決まったぁ!果たして残りの6枠は誰の手に?それではこれより1分間のハーフタイムです」
奏が控え室に戻ってきた。
紫
「残念だったねかなちゃん、でも次は勝てるよ!」
奏が戻って来たとき元の姿が無かった。
奏の試合中アナウンスで呼ばれ試合に行っていた。
控え室では色々な試合の様子がモニターに映されており、その中に元の姿もあった。
レフェリー
「続いてのカードはこれだ!東ゲート、サディアルぅ!西ゲートハジメぇ!ん?ハジメ?これは驚いた!伝説のバトルマスターハジメと同じ名前だぁぁぁ!彼はバトルマスターハジメ本人なのでしようか?それでは期待と興奮のこの一戦、スタンバイ!バトルスタート!」
ハジメの名前に会場がざわめき、レフェリーのコールがあってもお互いに様子見で動こうとしなかった
奏
「ねぇ紫ちゃん、バトルマスターハジメって?」
控え室で観戦していた奏は紫に質問した。
この質問に紫が答えるよりも早く隣で観戦していた青年が声をかけてきた。
青年
「あんた、ハジメを知らないのか?まさかこの世にハジメを知らない奴が要るとは…まあいい、バトルマスターハジメとは三年前、あらゆる武闘大会を炎の属性魔法を操り、圧倒的な強さで優勝し、その上一度も敗北したことがない。まさに生きる伝説だよ。その後、ハジメは消息を絶ち、ハジメの名を名乗る偽物が多発したからハジメの名を名乗るのは武闘大会では最大のタブーになったんだ。それを知らないのはハジメ本人だけ、なら彼は本物のハジメなのか?」
青年の説明が終わる頃、バトルが動いていた。
サディアルが属性魔法『雷』を元目掛け打ち放っくる、それを元は片手で受け止めた。
レフェリー
「ハジメはサディアルの雷を素手で防いだ!何が起きたんだ!属性魔法を素手で防いだなんて聞いたことが無いぞ!これはハジメのスキルによるものなのか?」
元
「これはスキルなんかじゃない。掌に雷がぶつかる直前に地の属性魔法を必要最低限だけ発生させ相殺しているだけだ。」
元はレフェリーの疑問に律儀にも答えた。
そして、その説明に会場が二つの意味でざわめいた。
まず一つは、属性魔法のコントロール能力の高さ、元の使った技術は言葉で聞けば簡単に感じるが、しかし恐ろしく繊細なコントロール技術が必要になる。例えば相殺させる属性魔法の展開が一瞬でも遅れたら、また、展開する時の力加減が弱かったら、元の手は雷に打たれ使い物にならなくなっていただろう。つまり防御するだけなら早く、強く展開するべきだった。しかし、リスクばかりのこの技術にもやはりメリットはある。それは魔力の消費量。早く強く展開するには、発生してから雷を相殺し、消滅するまでの間、確実に防げるように魔力を使い続けなければならない。がこちらは一瞬で必要なだけしか展開しないので圧倒的に魔力の消費を軽減出来る。
そこまでして魔力消費量を軽減する必要は無いのではないか?と思うかもしれないが、しかし今回のトーナメントのルール、『10勝すれば本戦への出場権を得る』このことからエントリーしたばかりで0勝の元は今後何戦戦うか予想できない。一戦ごとに何も考えずに魔力を使い、たとえ勝ったとしても、5戦目、6戦目で魔力切れを起こしては意味がない。なので元は魔力消費の低い戦い方をしている。
二つ目は元の使った属性魔法『地』。バトルマスターハジメの使っていた属性は『炎』。元とハジメが同一人物であるならハジメは『タブルスキル』の持ち主と言うことになる。ダブルスキルとはスキルを二つ所持している者のことである。当然属性も二種類持つ者もいる。そのダブルスキルを持つ者で確認されている人物は全部で4人しかいない。
会場のざわめきと同様にサディアルも大いに驚いていた。しかし現在は試合中、サディアルは気を取り直して元に向き直り手を地に着け雷を地面に這わせ足下を狙い攻撃してくる。
元はその場で足下に地を展開し相殺した。
サディアル
「アンタには属性魔法だけじゃ勝てないようだ。あまり魔力を使いたくなかったが仕方ない、俺のスキル見せてやる!」
サディアルは両手を広げ前に突き出す。突き出した両手の指には糸が絡みつき、その先に人形が現れた。
その人形を操り一体は元に絡みつき、もう一体は元に体当たりを仕掛けている。
サディアル
「どうだ!これが俺のスキル『人形』だ!」
元
「なかなか面白いスキルだ。」
元はサディアルのスキルを誉めると自分に巻き付いている人形の糸を引き裂いた。
サディアル
「嘘だろ!この糸の強度は30tあるんだぞ!どうやったら人間の力で切れるんだ!」
元
「簡単なことだ。その糸はお前の魔力で作られたもの、そこに俺の魔力を注ぎ込み綻びを作り引き裂いた」
サディアル
「くっ、ならこれでどうだ!」
元の足下にあった人形が消え、再びサディアルの手元に出現し、更に二体の人形が雷を纏った。
サディアル
「これが俺の『稲妻の人形!』これでもう糸には触れないだろ!」
しかし、その次の瞬間、二体の人形は地面から突き出した地に貫かれ、サディアルは貫かれはしないものの、地によって身動きを封じられた。
そして元はサディアルの目の前に掌を向けた。
元
「降参するか?」
サディアルは静かに頷き元の勝利が確定した。
レフェリー
「ウィナー、ハジメ!」
第46話 シルベット END
奏
「元の属性魔法の防ぎ方ってそんなに難しいの?」
紫
「あれは難しいとかそんなレベルじゃないよ!属性魔法を他の人に見えないくらい早く展開、解除するなんてたぶん元にしか出来ないよ!」
奏
「そ、そうなんだ。やっぱり元ってすごく、すごいんだね」
紫
「そう、元はすごく、すごいんだよ」
第46話 シルベット END