第2話 7月14日正午
その日の昼休み
「建太!雄騎!弁当食べようぜ」
「秋季ちゃんも一緒に食べよう?」
いつものように杏と奏が誘ってきた。今日は中嶋 秋季も一緒にらしい。
「いいの?やったー!」
秋季も承諾した。しかしいつもなら真っ先に食いついてくるはずの雄騎が黙っている。
「ごめん、今日建太と2人で話したいことがあるから」
なんと雄騎が誘いを断ったのだ。
「なんでだよ、建太とならいつでも話せるだろ」
全くその通りだ。いつでも話せる、俺も断るつむりはない。しかし雄騎は今すぐはっきりさせたいらしいので
「ごめん杏、朝に雄騎から話があるって聞いてたんだ」と杏に謝罪した。事実そんな話は聞いていなかった、しかし雄騎の真剣な顔を見てとっさに言ってしまったのだ。
「もういい!行こう奏、秋季」
「明日またお誘いしますので」
杏が怒って出ていきそのあとを奏と秋季がついていった。
行ったあと雄騎が体育館裏に行くと言うので着いていった。
体育館裏に着くと雄騎が
「お前、秋季ちゃんの事どう思う?」
と聞いてきた。当然突然転入してきた娘程度の認識しかない、そう雄騎に言うと少し考え込んでから急に走り出した。俺がどこに行くのか聞くと
「屋上!まだ食い終わってないかもしれないだろ?」
と答えた。俺への質問はもういいらしい。
俺はそうだなと言い一緒に走っていった。
屋上に着いて扉を開けた。すると
「あ、ほんとに来た!」
と言う秋季の声が聞こえた。
そこには手のつけられていない弁当があった。俺と雄騎は驚いていた。
「実はね、杏ちゃんが2人は絶対来るから待っとこうって言ったんですよ」
「ちょっと奏…もういいから早く食べるよ、お昼休み終わっちゃうだろ」
杏たちは弁当に手をつけずに待っていてくれたのだ。
「ごめん杏、それとありがとう」
「そ、そんなのいいから、早くしないとお昼休み終わっちゃうって」
杏は頬を赤らめながら言った。
「さっさと食うぞ建太、俺もう腹減った」
「それではみなさん」
『いただきます』