第26話 決着
連続掲載二つ目です。
今回も元の視点です。
と言うか一個前の続きです。
では、どうぞ!
シュジャ
「なんだそれは」
シュジャが目にしたのは宙に浮く刀、その刀には霧が掛かっている。
驚くシュジャを横目に元は目の前に現れた刀を手に取った。
元が手にしている刀は宙に浮き、霧の掛かっている刀、シュジャはそれが信じられなかった。
これこそ本物の『魔法の剣』なのではないかと思い始めた。
自分の炎の双剣では勝てないのではないか、そんな考えすら浮かんでくるようだった。
シュジャはその考えを振り切るように叫んだ。
シュジャ
「なんだそれは!」
そのシュジャの言葉に答えるように元は言った。
元
「宝剣『幻影の刀』正真正銘魔法の刀だ」
シュジャ
「そんなもの、また焼き切ってやる!」
シュジャは先ほどの考えを振り切るように元に突っ込んでいった。
シュジャが迫ってくる中、幻影の刀から声が聞こえてきた。
幻影の刀
「元、久しいな」
元
「ああ」
幻影の刀
「所であやつの刀からは魔法力を感じんがどういう事だ?」
そこまで言ったところでシュジャの炎の双剣が元を切り裂いた。
元の身体は上半身と下半身のふたつに分かれてしまった。
しかし、それでもまだしゃべり続けている。
幻影の刀
「なるほど、今ので理解した」
シュジャ
「そんな、ばかな…、人間が胴体を切り離されて生きてられる訳が…」
シュジャがそこまで言ったところで二つに切り離されていた元が霧となって消えた。
次の瞬間、シュジャの後ろに元の姿があった。
そして、元は幻影の刀でシュジャを切り捨てた。
今度はシュジャの上半身と下半身が二つに分かれた。
この瞬間、元の勝利が決まった。
そして
紫
「やったね元、それにミラちゃんも」
※ミラちゃん=幻影の刀
幻影の刀
「紫か、御主も久しいな」
紫と幻影の刀が挨拶している。どうやら幻影の刀には紫が見えているようだ。
シュジャ
「獅童元、一つ教えてよ、僕の最後の攻撃、どうやってかわしたの?」
元
「俺はかわしてなんかいない、元々お前の斬った場所に居なかった」
それ以上言葉は要らなかった。それだけでシュジャは理解した。
シュジャ
「なるほど、『幻影の刀、ミラージュブレイド』か、つまり僕に幻影を見せたんだね」
シュジャは大人しくなった。もう動こうとしない。
シュジャ
「獅童元、君に一つだけ良いことを教えてあげるよ。僕以外の機械四皇帝は全員、裏口に向かったよ。」
そこまで言ってシュジャは動かなくなった。機能が停止したのか、それとも、ただ反応を見せないだけなのかは分からないが、既にシュジャから戦意が無くなっていた。
シュジャに勝利した後、元はシュジャに折られた日本刀を拾い上げた。
元が日本刀を一撫ですると、折れていた日本刀が元通りにくっついていた。折られた痕跡もなく、元がオリュンポスで手にしたときと全く同じように見えた。
日本刀が元通りになったとき、幻影の刀が話しかけてきた。
幻影の刀
「私はここまでだな、あまりこちら側で私を使わない方がいいだろ」
そう言った直後、幻影の刀は霧となって消えてしまった。
幻影の刀が消えたとき、紫が元に話しかけた。
紫
「どうするの?みんなを助けに行く?」
しかし、元はそれを制した。
元
「いや、俺は上を目指す」
元は裏口へは向かわず、辺りにいる機械兵士を倒しながら上を目指した。
自分で言うのもなんですが、元、強かったですね~
でもって、次回からは健太に戻ります。
では、また次回に