第16話 記憶2
前回10日後と言っていたのに、ぎりぎりになってしまった。
AM2時はセーフですか?それともアウトですか?
出来ればセーフにしていただきたい。
それはそれとして『記憶2』どうぞ
「杏、早く起きなよ、遅刻するわよ」
う~ん、お母さんもう朝?
……え?朝?
「早く起きなさい!」
「え?あれ?お母さん?」
私はお母さんに起こされていた。何でだろう?
確か学校の屋上でイサギって人と会って…それから…どうしたっけ?
「もう!いいから早くしなさい!」
私は、お母さんに怒鳴られ、考えるのを中断して学校へ行く為に服を着替えようとした。しかし、皇修学園の制服が見つからなかった。
「お母さん、制服無いよ?」
「いつもの所に掛けてあるでしょ?」
確かに、いつもの場所に制服は掛かっていた。ただ、掛かっているのは、皇修学園の制服ではなく、中学校の制服が掛けてあった。
「皇修学園の制服は?」
「なに言ってんの?あんたが皇修に行くのは2年後でしょ?」
え?2年後?と言うことは、今は3年前って事?
私は仕方なく、中学校の制服に着替え、中学校に向かうことにした。
おかしい、何かが変だ、未来に行くために集まったのに、過去に来ている…、そういえば、あのイサギって奴、過去に行ってこいって言ってたけどあいつのせい?
そんなことを考えながら登校していると、後ろから、声を掛けられた。
「あーちゃん、おはよう」
振り返ると、ツインテール女の子が立っていた。
「おはよう、ずっきー」
彼女は、綾風瑞紀この頃の友達、高校は別の学校へ通うことになる。
「ねぇ、今日だよね」
「何が?」「お兄さんが帰ってくるのがだよ、9月8日だって言ってたじゃん」
「あ、うん、そうだよ」
今日は9月8日なのか?
「じゃあ、今日あーちゃんの家に遊びに行くね」
「別にいいけど」
そう答えると瑞紀は「やったー」と喜んでいた。
教室に入ると友達に「おはよう」と挨拶をして席についた。
しばらくすると1限目が始まる。
しかし、私は授業を全く聞いていなかった。
「(今日が3年前の9月8日なら、今日お兄ちゃんは、家に帰ってくる日だ。確か他にも何かあったような…)」
「それじゃあ、次の問題、美嶋さんお願いします」
と、先生にあてられた。
しかし、考え事をしていて全然聞いていなかった。
「すみません、どこですか」
そう聞いて、問題を読み、答えた。
「X=3、Y=-2です」
「はい、正解です。では、次の問題を…」
答えを言い終わると、私は再び、考え始めた。お兄ちゃんが帰ってきた後のことを、しかし、結局思い出せずに、1限目は終了した。
その後も、一向に思い出せずに6限目まで終了してしまっていた。
放課後
「あーちゃん、帰ろ」
授業が終わるとずっきーが私の机までやってきた。
私とずっきーは2人一緒に帰路についた。
「あーちゃんのお兄さんに会うのほんとに久しぶり、早く会えないかな」
と、ずっきーは私の家に付くまでこの調子だった。
「お母さんただいま」
「お帰りなさい、あら瑞紀ちゃん、いらっしゃい」「お邪魔します」
と、定番の挨拶を済ませ私の部屋へ向かった。
部屋につくとずっきーがいきなり聞いてきた。
「で?いつ帰ってくるの?」
「5時」
今は4時30分後30分ある。
「30分後か、その間どうしよっか、あーちゃん」
特にやることはなかった。なので雑誌を読みながら時間を潰すことにした。
10分後
「あーちゃんこの服、どう?」
「う~ん、それなら私はこっちかな?」
20分後
「ずっきー、この服はどう?」
「ん?いいじゃんそれ今度見に行こ!」
30分後
「う~ん、ちょっと疲れた…」
ずっきーがそういった時、「ただいま」という声が聞こえてきた。
「帰ってきた!」
そういって、ずっきーが玄関に走っていき、みんなでお兄ちゃんを出迎えた。
「母さん、ただいま」
この人が私のお兄ちゃん、美嶋颯斗22歳
「お帰り、颯斗」
「お帰りなさい、颯斗さん」
「お、みーちゃん来てたんだ。うん、ただいま」
「お帰り、お兄ちゃん」
「おう、ただいま」
「突然なんだけど、みんなに紹介したい人がいるんだ…入ってきて」
お兄ちゃんがそういった後、お兄ちゃんの後ろから1人の女性が現れた。
「この子は幸村沙綾、俺この子と結婚することになったんだ」
「幸村沙綾です。颯斗さんとお付き合いさせていただいてます」
知っていた、私はこうなることが分かっていた。そして、ずっきーがお兄ちゃんのことが好きだったことも知っている。
「……」
「ずっきー…」
ずっきー落ち込んでるの?
そう思っていると、ずっきーが口を開いた。
「颯斗さん、沙綾さん、おめでとうございます、どうかお幸せに」
そういい残し、ずっきーは私の部屋に入って行ってしまった。
私もその後を追って部屋に入って行った。
「あーちゃん、私、帰るね…」
そういって、ずっきーは帰路についた。
その後、お兄ちゃんたちも夕食を食べたあと、東京に帰って行った。
そして、その6時間後に、お兄ちゃんたちの乗った車が事故に遭ったことを知ったのは、次の日の朝だった。
10月1日には掲載したいです。
前回は日にち指定をして大変だったので、今回は曖昧な表現で申し訳ないです。






