第14話 7月22日 敵
秋季の話を聞いた俺たちは未来へ行く事を決心した。
「ところで、何で俺たちだけなんだ?戦争ならもっと死んだ奴もいるだろ?」
と雄騎が秋季に聞いている。
雄騎よ、もう少しオブラートな言い方があっただろ。
秋季は雄騎の問いに答える。
「未来での戦闘能力が皆さんだけずば抜けて高かったからです」
と答えた。
元はともかく俺たちはたいして強くないと思うけどな?
「ところで、何年後にいくの?」
と奏が聞いている。
「今から行くのは、20年後の2539年です」
秋季はそう言った後小さな声で
「20年後しか行けないから…」と呟いた。
そして、少し間をおき
「…それじゃあ、行きますよ」
と言い、デバイスにメモリーチップを差し込んだ。
それと同時に
「ちょい待ちぃ、そう焦んなや」
という声が聞こえてきた。
俺たちが声の方へ振り返ると、そこに1人の青年が立っていた。
秋季はその青年を見ると「イサギ!」と叫んだ。
そのイサギとは未来の機械人間である。簡単に言うと敵だ。
「いやぁ~、あんた等の時間移動先(居場所)探すん苦労したで」
「嘘言わないで!あなた達が時間移動制限してるくせに!」
秋季はイサギを見た途端に戦闘体制をとった。
「あちゃ~、やっぱバレとったか、しもたなぁ」
とイサギは言っているが、言葉で言ってる程困っている様子は無い。
「こいつが機械人間?」と杏が驚いている。なぜならイサギはどこからどう見ても普通の人間にしか見えないからだ。
「まぁええは、とりあえずあんたら、未来行かんと、過去に行って来ぃ」
イサギは手の平をこちらへかざしてきた。
その直後、俺たち6人はその場に倒れた。
何が起こった?
動けない、なんだ?皆大丈夫か、声を出そうとするが唇すら動かせない、強烈な睡魔に襲われる、だめだ、目蓋が重い、もう耐えられない、眠…い
こうして俺たちは深い眠りについてしまった。