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2話

 素晴らしいここが異世界だ。

 俺は今日からこの世界で生きていくんだ。

 目の前にはどこまでも続く大空、雲一つない空が俺の転生を歓迎している。でも、俺がくぐったはずのドアが消えてしまっているのが不気味だな。退路が絶たれてしまった言う不安感はあるが、俺にはチート能力がある。それも神様がくれた素晴らしい能力だ。おい、待てよどんな能力聞いてないぞ。


「神様がくれた能力だ、全知全能のとてつもないことだけは間違いないか。なんか試しにしてみるか」


 何か言い案はないだろうか。そうだ、腹も減ったし飯でも出してみるか。こんなしょうもないことに能力を使うなとか言われそうだが、腹が減っていたはどうしようもいんだ。必要なことなんだよ。


「何がいいんだ? 俺の好きな枝豆にしとくか。ちょっと自重した感じも出ていいだろう。よしっ、出でよ!! 枝豆!!」


 すると、どこから現れたのか俺の手のひらには枝豆が召喚されていた。


「おおいっ、マジかよ。ほんとに出てきたぞ。実食だな」


 枝豆を一粒口に入れた。


「う、うまぁぁい!! 何だこの枝豆。絶妙な塩加減が最高だぞ。マイベスト枝豆に認定だ!!」


 異世界に来てなお、こんなうまい枝豆を食える何て夢にも思わなかった。これなら、一生食料に困ることはないだろう。俺の人生安泰だ。もちろん、神様から授かったチート能力はこんなもんじゃねぇはずだ。もっとドカンと凄い、はんぱねぇものがあるに違いない。


 そんなことを考えながらもむしゃむしゃと枝豆を食べる手が止まることはなかった。

 なくなっては枝豆を召喚、枝豆を召喚を繰り返し、気が付けば満腹になっていた。


「ふぅ、食った食った。これで俺は無敵だ。腹いっぱいの俺に怖いもんなんてねぇぞ」


 調子に乗って独り言を言ってしまっている。これは誰かに見られたら恥ずかしいな。

 しかし今の俺はどでかい平原にぽつんと一人だ。誰に見られる心配もない。むしろ、ここまで誰もいないと俺を全人類に見てほしいという謎の欲求すら生まれて来る始末だ。そうだ、俺はこの世界で誰もが知る、超絶有名人になってやろう。モンスターがいるということはそれを狩るものがいるはずだ。俺はその頂点まで登り詰めてやろうじゃないか。


「まずはどこでもいいから人間のいるところを目指そうか。こんな平原に一人ぼっちじゃ何も始まらねえよ」


 歩いて探すのは流石に面倒だな。ここは、なんとかして移動手段を確保したい。最高なのは車かな。免許も持ってないし、運転もしたことない。詰んでるな。一旦車から離れよう。そうだ!! 自転車なら俺も長年乗ってきたから安心して運転できるぞ!! 確かに移動速度は落ちるかもしれないが、満足に運転もできないんじゃ意味ねぇよ。ほら、どう考えても自転車の方がいいだろ。


「自転車よ、出てこい!!」


 またもや、どこからともなく自転車が召喚された。

 しかも、こいつは俺が中学生の頃から愛車として使ってきた5000円のママチャリだ。異世界で感動の再会に思わず涙がこぼれた。


「まさかまた会えるなんてな、ロビンソンジャッジ号。これからもよろしくな」


 俺は乗りなれた愛車にまたがり、ペダルに足をかけた。


 一漕ぎするたびにぐんぐん加速してスピードが上がって行く。


「この感じ懐かしすぎる。風邪を切る気持ちよさがたまらねぇ」


 大した速度が出ているわけでもないが、感動してしまう。俺も童心に帰っているんだ。とはいえ、高校生の今でもこの自転車に乗って通学していたころを考えると懐かしいなんてわけもないんだがな。雰囲気をぶち壊しちまうから考えないようにしとこっと。


 前回のたち漕ぎでおそらく30キロくらいかな。これでも俺が走るよりは相当早いし、まあいいだろう。

 この平原マジで何もねぇなぁ。ふざけんなよ。これじゃあ、俺のロビンソンジャック号には荷が重いぞ。時間がいくらあっても足りそうにない。


「一旦降りよう。このままじゃ、埒があかんわ」


 自転車から降りて、次の手を考えることにした。

 こうなったら最後の手段だ。ジェット機で行こう。もう免許なんて生ぬるいこと言ってられねぇ。この世界に警察なんて居ねぇんだ。俺が何しようが俺の勝手じゃないか。どうして俺はちきってたんだ。誰に遠慮する必要があるんだよ。


「ジェット機召喚!!」


 俺の目の前には、これぞジェット機と誰もが言うであろうものが召喚されてた。

 青い期待に、輝くコックピット。一人乗りだということが迫力に欠けるが、別に1000人が乗れるような大型ジェット機なんて運転する必要ないもんな。そんなことしちゃったらこんな平原ひとたまりもないしな。環境に優しいのも俺の美点だ。自分一人が良ければいいなんてカスの考えだ。俺はそんなこと絶対にしないからな。


「どうやって運転すればいいか想像もつかないが、さぁ行こう」


 適当にボタンを連打していたら、いつのまにか空を飛んでいた。空中から見る大空はまた違った風情があって最高だ。これからどこに如何飛んでいくのかすら制御できないが突き進もう。

 このまま町へレッツゴーの巻。


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