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11話

 マジで来やがったぞこいつら。俺との実力差を見て理解できないって言うのか? 何が戦闘が得意だよ。笑わせてくれるな。


「避けねぇと死んじまうぞ!! オラッ!!」


 バチンッ!!


 男の放った右ストレートが俺の頬へぶち当たる。

 いい音はしたものの特に衝撃も痛みもない。まったく微動だにしない俺に男は表情をみるみる変えていった。


「おい!! お前どんなスキルを使ったって言うんだ? なんで無傷なんだよ」


「だからやめとけって言っただろ。俺にお前なんかの攻撃が効くわけないだろ。舐めてんのか? 一発は可愛そうだったから喰らってやったが今度は俺の方から仕掛けてもいいよな?」


「いや……やめ」


 バゴン!!


 男は何かを喋っている途中だったが、顔面をビンタしてやった。

 最後まで喋れると思うなよ。喋ってれば延命できるなんて考え自体が甘いんだよ。俺に攻撃を仕掛けた時点で死ぬという運命は確定していたんだ。それが少し早くなったというだけだ。せめて、もうちょっとましな攻撃ができてれば生きていられる時間も増えてたんだろうがな。残念だよ。


「こいつやべぇ!! お前ら、全員で行くぞ!!」


「「「おお!!」」」


 これを見てまだ戦う意思が残っているってのは褒めてやろう。だが、無駄だな。こいつと同程度の力だって言うんなら何人襲ってこようが結果は同じだ。ゴミはいくら集めてもゴミなんだよ。攻撃が通じない時点で諦めて逃げてれば俺も追うつもりはなかったのにな。自分の命は自分で守らないといけないんだよ。


 四方八方から飛びかかってくるが、俺の目にはどいつもこいつも止まっているように見える。また喰らってやって無傷で耐えてやるのも良いけど、避けられないと思われるのも癪だし、今回は全部回避してやろうか。


 サッと俺はその場から離脱した。

 こいつらの隙間をぬい、安全な場所へ移動する。この間かかった時間は……わからない。とにかく凄いスピードでだ。事実、こいつらは誰も俺がその場から居なくなったことに気が付いていない。もうジャンプしているやつもいるし、このままお互いに攻撃をお見舞いしてやるといいさ。


「き、消えた?」


 誰かが気が付いたがもう遅い。お前らは自分たちの攻撃で同士討ちをして終了だ。

 てか、そこに俺が居たとしても互いに攻撃が当たっていたんじゃないか? そんなに大勢で飛びかかってくるからだよ。いくら俺が強いからって人数を割きすぎだ、もう少し考えて攻撃して来い。見ていても頭の悪さが滲みだしているような無様な作戦だよ。


「「「「うあわぁぁぁーーーー!!!!」」」」


 見ていて面白いくらいに仲間に攻撃をヒットさせている。

 パンチにキック、まあ自信があったんだろう。その攻撃を仲間にぶち当て、違う仲間から自分も攻撃を受ける。なんとも不思議な空間が俺の目の前に出来上がっていた。おっと、これじゃあ俺が手を出す場面がなくなっちまうな。何人かは立って来いよ。今の攻撃じゃ死にはしないだろ。俺だってまだ暴れたりないんだよ。もっと暴れさせろや。


「お、おい……やつはどこ行った?」


「わかりません。ただ、気が付いた時にはいませんでした……」


 まだ後方にいる俺に気が付いていないのか? せめて、気配とかで察しろよ。それくらいできないとモンスターとの戦闘も困るだろうが。自分たちが戦闘が得意だっていうからほんの少しながら期待してたんだぞ。この俺様の期待を裏切った罪は重い!! 全員死刑だ!!


「俺はこっちだ。お前らほんとにざまぁねぇな。仲間同士で攻撃をくらわすなんてどんな冗談だよ。見てて面白かったぜ。まぁ、ただそれだけなんだけどな」


「嘘だろ……いつの間にそんな場所に移動を? おい、誰か気付いてたか?」


 男の問いかけに誰もが首を振る。

 当然だ、お前らの目で捉えられるような速度で移動していない。さっきは大人げないかもしれないがかなり力を入れて移動したんだからな。誰も気が付けなくて当たり前なんだよ。そもそも、俺との実力差は神と子供レベルなんだ。驚くことでもないだろ。


「しっかし、俺に対して相当舐めた態度を取ってくれたもんだな。挙句の果てに俺から金目のものを奪おうだ? もう、頭がおかしいんじゃねぇかと思って笑いをこらえるのに必死だったよ」


「うるせぇ!! 俺らには命がかかってんだよ。お前にその気持ちなんてわからねぇ!!」


「そうだな、俺の知ったこっちゃない。どうせ、お前らは今から俺に殺されるんだ。何も変わらないじゃないか。良かったな、もう空腹に悩むこともなくなったぞ? どうだ? 俺に感謝したくなってきたか?」


「ふ、ふざけんな!! おい、まだ動けるよな」


 ゆっくりと何人かが立ち上がる。

 根性は認めるが、その状態で俺に立ち向かったところで即死だな。まあ、向かってきてくれるんならそれでいいか。こっちから仕掛ける手間も省けるしな。


「さっさと来いよ。順番にあの世に送ってやる」


「「「「あぁぁぁぁーーーー」」」」


 男たちは叫び声を上げながら俺に向かって突撃をかましてきた。




「ふぅ、以外に人数が多かったな。って、また殺しちまった。なんで毎度こうなっちまうんだ?」


 俺の足元には、男たちの死体が無数に転がっていた。

 次からはもう少し気を付けよう。


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