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春眠
やぁ、また会えたね。
先に待っていたあなたは、
すまし顔でコーヒーを飲んでいた
昨日も会ってたかなと思って。
あなたは静かに笑った
寝坊した人は喫茶店でもおとなしくね。
あなたはコーヒーを一口含むと大げさに注意してみせた
二人でふふふっと目を合わせる
今日はね、お勧めの本があるの。
読書家のあなたは目を丸くした
あれだけ本を読まなかったのに?
あなたはとても驚いてる様だ
私は本を取り出すとそっとテーブルに置く
あなたはまた驚いた
これ、いつの本?すごい年季を感じるね。
どこか懐かしい気がして、
あなたに勧めたくなった本だった
あなたは嬉しそうに本を手に取ると、
さっきまで持っていた別の本を貸してくれた
これ、面白いから読んでみて。
あなたには少し難しいかもしれないけど。
悪戯に笑うあなたに私もやり返す
読み終わったら返してあげる。
また、二人でふふふっと笑う
それから二人は芽吹きの季節に違わない程、
話しに花を咲かせた
そして二人はまた会う約束をし、
少しずつ交わっていくのを感じながら
互いに別々の道を帰った




