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プロローグ
私は絵を描く。
自分がなりたい私。
私を愛してくれる人。
私を大切に思ってくれる親友。
そういう絵を自分で描いて見てその物語を考える、それが私の日課だ
自分はでデブで地味なうえ人見知りでいつもうつむいて歩いている。
だからそうした自分が嫌で私は自分がなりたい夢を紙に描く。
それは自己逃避だとは自分でもわかってる。
それでも私は想像上でもいいから幸せになりたいのだ。
現実は厳しい。
電車では遠巻き馬鹿にされ、クスクスと笑われる。
会社では残業ばかりの仕事。
同僚からの誹謗中傷なんて当たり前。
上司からはパワハラを受ける事なんて日常茶飯事だ。
嫌な事はいっぱいある。
でも頑張ってこれたのは絵を描いているおかげだ。
そんなこんなで私は毎日絵を描き続けている。
絵に描いた物語の私は幸せだから。
最近の私の流行りの絵の物語は異世界転生ものだ。
異世界に転生して可愛い自分が優しい親友とカッコいい恋人がいてなんだかんだありながら幸せに暮らす。
そんなことがあれば幸せだなと思いながら今日も一日が終わっていく。
そしてきっとそれは明日も変わらないのだろう。