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061 頂点

『さぁ、いよいよ決勝戦…。FPSゲームの頂点に立つのは、ダイキ選手か…それとも、トップ選手か。両選手の入場ですっ!』




荘厳(そうごん)な音楽が鳴り響き、決勝戦への道が開かれた。ここまで来れたからには、勝負を楽しみたい。そう思っている。ただ、それは希望的観測であり、現実は甘くない。




―――勝負は一瞬…。




トップ選手の過去の対戦動画、何度も見直した。動画に合わせてカウンターの練習もした。さまざまな戦略、その可能性を検討した。



勝てる可能性は十分にある。カウンターができないなんてことはないし、トップ選手の攻撃の《全て》をカウンターし続ければ、必ず勝てる。そう、「全て」を。




全部カウンターできれば、俺の勝ち。一撃でも受けてしまえば、俺の負け。




実にシンプルな対戦が始まろうとしている。それほどにトップ選手、すごいのだ。今までの対戦時間からもわかる通り、ほとんど反撃の余地を与えていない。




―――さてと…。




あえてゆっくりとボタンの感触を確かめる。ここから先、おそらく40秒程度は、一瞬(フレーム)を争うことになる。




『両選手の準備がととのったようです。それでは参りましょう…。FPS世界大会決勝。レディー…ファイッ!』











―――地図に載っていない孤島




曇天。雷だろうか。鈍い音が空を覆っている。




「始まったか…。」




スーツに身を包んだ男性が、ひとり言のように呟く。薄暗い部屋に巨大なモニターが一つ。そこには、FPS世界大会の映像が映し出されていた。




「いよいよですね。お父さま。」




控えるように立っていた女性が、起伏のない言葉を発する。女性の手には、「FPS計画」と書かれた資料の束。




「世界一に立つプレイヤーなら…あるいは…。」




男性は何かを頼るような、あるいは諦めともとれる表情を浮かべている。その声をかき消すように、再び鈍い音が鳴り響いた。

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