表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/64

053 売上

大樹(だいき)ーっ!おめでとー!」



しゅんに祝ってもらえた。



「さすが、だいちゃん!」



母さんに抱きつかれた。



「感動した…。」



父さん、まさかの涙。



「これで明日からの売上が…ぐふふ…スポンサーやっててよかったっ!」



おっちゃん、お金に目がくらみかけている。











そんなこんなで無事に初戦突破。控室(ひかえしつ)にいても暇なだけだし、関係者席に移動しても特に問題はない。次はカナさんの試合が始まるし、ここでみんなと観戦することにしよう。




『さあ、カウンターの興奮冷めやらぬところですが…このまま第二試合に移りましょう。』



「カナさんの相手選手…去年、準優勝した人じゃなかった?」




大会パンフレットの表紙、前回大会の写真に載っている人だ。FPSの動画を見まくっている俺にとって、画面の向こう側にいる存在。いわゆる有名人。後でサインもらおう。




「そうそう。まあ、組み合わせはランダムだからね…。こればかりは…。」




俊が少し残念そうな表情を浮かべる。もちろんカナさんはとてつもなく強いし、勝負は水物(みずもの)下馬評(げばひょう)なんてあてにならない。会場の雰囲気だって、カナさん応援団のがんばりにより優勢。




―――それでも…。




対戦系のゲーム、その勝敗は実力が九割九分。おっちゃんには悪いけど、俺とおっちゃんが何度対戦したとしても、俺が負けることはない。スポンサー様なので接待をしなければならないという、高度に大人的な事情が(から)めばわからないが。



まあ、それはさておき、実力が反映されるからこそ、ゲームはおもしろいのだ。もちろん運要素の塊であるじゃんけんだって楽しいのだが、じゃんけんを何時間もというのは…さすがにつらいと思う。プレイングスキルが上達したり、おニューな装備を入手できたり、とんでもない戦略を思いついたり。成長する要素があるからこそ、熱中できる。



だからこそ、(くつがえ)しがたい差というものが存在してしまうのだ。




『まずは今年度FPSポイントランキングトップ。圧倒的な知識に裏打ちされた戦略の数々。常に新作を追い求めるその姿勢は、まさにストーリーテラー。今宵(こよい)の戦い…その1ページは勝利の色に染まるのか!我々は、新たな物語の読者となる…カナ選手の入場ですっ!』




和風と形容しても差し支えない音楽とともに、レッドカーペットに一筋の光がさす。そこに映えるは着物をアレンジしたような桜色の衣装。どこか落ち着きのある雰囲気が会場を覆う。




―――そうか…服ももう少し考えればよかったな…。




自分の足元に目をやりつつ、若干の後悔。動きやすい格好が一番と思い、ラフというかカジュアルな感じの服装だ。無論この服に問題はない。実用的だし。ただ、開会式の時も思ったのだが、はっきり言って浮いている。出場選手の皆さん、こだわりの服装なのだ。




―――まあ、ものは考えようか。




会場の皆さん、別にファッションショーを楽しみに来てくれているわけではない。ゲームが見たいのだ。だとすると、俺ができることはただ一つ。




『対するは…前回大会準優勝、FPSの世界に新たな分野を持ち込んだ男。それは高度な戦略であり、華麗な芸術でもある。確率の壁を超えるその妙技、再びこのステージを彩る!我々は既に彼の掌中(しょうちゅう)かもしれない…トリック選手の入場ですっ!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ