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白い世界は世の繋がりを表す

 今度は白い空間、だけどそこにあるのは扉ではなく仮面だった。無表情の仮面、ただ口と目の部分に穴が開いているだけでシンプルとしか言いようが無い。


「ただの仮面?」


 手にとって裏側を見ても、白い木で作られたただの仮面だとしか分からない。だが自分の体の一部だと認識してしまう。まるで元からあったような感覚を覚えながら、その仮面を被った。

 意識が手放されていく感覚、その次に来るのは情報の嵐。自分がかき乱されるような暴風の中で、一人の存在が姿を現し、自分の手を掴んで何処かへと引きずり込んだ。


()が貴方を守る、人や神、果てには妖、下位には魔物、そんな世界は残酷だ。生あるモノがが容易く死に、死というモノが生を望み黄泉返る」


 入れ替わった私が口を開いて、確認するように口にする。そして仮面の力、自分とは何者なのかを再確認する。


「天と地の力を合わせるなんて、馬鹿な事だと神は言う。だが人は天という陽を持ち、地という陰を持っている。その二つを持っているからこそ人為し得る」


 繰り返すことで理解を深める。


「または太陽が名の通り陽、月は太陰と呼び、陰を示す。この二つが陰と陽、人が営む為には不可欠である。それは人の心でも同じなこと」


 扉が出現するが私は唱えることを止めない、何故ならその扉には現世を繋ぐ鎖が巻かれているからだ。その鎖を断ち切らなければここで死に、存在もまた消え去る。神の領域に人の魂は存在してはいけない。それは何処の世も同じ。


「私は誓う、仮面の力で守り、仮面で戦う。心に傷を負いし主格を時には癒す。()は存在という存在がある限り消えない。誰もが命を捨てでも守りきる」


 鎖に亀裂が入り始める。現世との縁が切れ始めようとしているために、空間にも影響が出はじめた。


「私は慈悲の仮面!癒し、代わりとなって泣く者!」


 無表情の仮面が出現し、力を分けるように分裂する。分裂した仮面の表情は涙が象られた模様が浮かび上がり、女性に近い顔立ちに変わる。


「現世との契りをここで絶つ、神よ許し賜え」


 鎖が砕き散り、扉が開かれる。その先には別の世界が待っていた、それを見た後扉の中へと身を落とした。その先は理の違う世界。かつての世界と似た世界。または分岐した世界ともいえる。そんな世界で彼女は守ると誓った。

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