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声が響いてそれは蔓延する。悲鳴が悲鳴を呼び、共鳴し更に共鳴。
その光景は一目見れば理解できる。何故なら人がこの世界から消え去っていくのだから。
人の体が黒い触手によって、分解、黒化、そして陣へと吸い込まれる。
「助けて」
それは声を最初に奪われ、最後まで視覚を残された少女の最後の言葉。
そしてこの教室に残った最後の生徒でもあった。
「キシシシ、シュ!(ご利用、有り難うございました!)」
陣から管が出てきて、そこから不思議な笑い声が響き渡る。
それは嘲笑う様なモノではなく、まるでこの出来事を喜んで居るかのような笑い。
何故なら彼は神に命じられたことを達成した喜び、安堵、歓喜、それら全てが合わさったモノ。
その声が消え去った頃、陣は教室から消え去っていた。
・・・
・・
・
==≪シュトルトリ、アゼバンニルト≫==
==≪・・・≫==
==≪・・・・・、魂の読み込み・・・力よ目覚めよ≫==
神言が取り込まれた彼等に注がれる。
言葉の羅列が意味と化し、人の体へと再構築される。
体が創り上がる頃には、その心の在り方を形にした道具へと成す。
==≪ゴウロジヅファコル、ブヴィグサチュザウィイ≫==
神言がまた発せられるが、それは彼等と向けられたモノではない。
ただの気まぐれ、この悠久の時を過ごす中でのほんの一時の暇つぶしでしかない。
==≪バウ、ィフィモチュヲ≫==
人が自らの魂を鍛え上げ、仙人となる。
仙人は更に鍛え、真理を悟りやがて仏へ。
仏は自らが死ぬか、神殺しを行うことで神へと至る。
そんな世界に異なる世界の人へ、神具を与えた送ったのならどうなるだろう。
力に溺れ穢れ死ぬか、それとも神へと至るのか。
その一柱はそんなことを呟いて、虚無の中で眺めるのだった。
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