お買い物
オズ「何を買いに行くんだ?」
マコト「ポーション少しだけかな昨晩思ったより使わなかったし、皆ギルドランクより強いね」
オズ「俺たちはこの世界に来たばかりだから皆1からなんだよ。だから所持ランクより強い人も多いやろ」
マコト「そうだねぇ」
オズ「俺なんかはギルドに行ってなかったから事実上Ⅱからになったけどな。二人が魔計石もらってて良かったよ」
と言って腰に付けた魔計石を手に取る。これはマナに反応して相応の色と光の強さを発する石だそうだ
マコト「じゃいこっか!」
マコトが体の半分ほどある大きなカバンを持ち上げる
オズ「それ重くないん?」
マコト「重いよ、だからほら」
かばんの底を覗かせてくる、すると紫色に淡く光っている
オズ「これは?」
マコト「紫は重力の力がこもってるんだ。このかばんの底に軽量化の魔法がかかってるんだよ」
オズ「おーん、便利な物だな」
マコト「消耗品だから取り換えるか魔力を込め直したりしないといけないけどね。
それにしても契約の証だとアイテムを空中から取り出したりできないのかぁ」
オズ「ああでも俺たちも無限に持てるわけじゃないよ」
マコト「そうなんだ」
オズ「あ、着替えは?」
マコト「ちゃんとあるよ!」
オズ「まぁええか」
マコト「それはそれでどうなの」
マコトがため息をつきながらかばんを背負う
マコト「しょと、ほらいくよ~」
オズ「ああ」
【王国ホド:商業区:昼前】
オズ「おー凄いな。でも大型店舗とかないのな」
マコト「一時期一つの大きな建物にお店を纏めようって話があったんだけど、権利者、管理者諸々でいろいろあったらしくフィリア工房筆頭に結構な数の団体が反対してね、
世界一の商業力の源とも言える工房が協力どころか大反対だからできないんだよね」
オズ「なんでだろな」
マコト「なんでだろね?お金にもなるだろうし便利になると思うんだけど」
オズ「そういえば買い物なら宿でもギルドハウスでもできただろ?わざわざ出てきたってことはお得意先でもあるのか?」
マコト「オズって鋭いよね。そう、外部のお得意先がいてさ~掘り出し物とかも出してくれるんだよ~」
オズ「怪しいところじゃないだろうな」
マコト「そ、そんなことないよ」
オズ「お前が怪しいぞ」
マコト「ほら見えてきたよ」
ふむ、街並みは基本的に現代ヨーロッパに似ているな
マコト「ねぇリズどれくらいあるの?」
オズ「ああ、ちょっとまてな」
リズ、所持金なんぞ今朝の報酬分しかもっていないがいくら持ってるんだろう
そんなことを考えながらサイフを手に取る
サイフとは呼ばれているが既にこの世界では魔法と科学により小型の特殊な石が埋め込まれた計測器になっている
オズ「10万ほどあるな」
マコト「それなりにあるんだねぇ」
オズ「ずっとコア持ってたから配当金が多かったんじゃないかな、この世界でのこの金額がどれほどなのか分からないけ・・・」
なんか前方がざわついてるなと思っていたところバっと手元が軽くなる
オズ「あ?やべっ!泥棒だ!!」
マコト「えっちょっ何してんの!」
自分の左側を駆け抜けていった影がある
???「ティオ!」
???「分かった!」
掛け声のようなものが聞こえ、泥棒が走っていったほうを振り向くと
既に対象は騎士のような恰好をした人に取り押さえられていた
「なんだ?何がどうなったんだ?」「あの人急に空中に現れたぞ」
???「よしっナイスだ」
騎士の恰好をした人が声をかける
???「リクシオ大丈夫か?」
すると後ろから駆け寄る声が聞こえてきた
リクシオ「ああ、ピッタリ捕まえられたよ」
そう言いながらティオと呼ばれる駆け寄ってきた少女の頭をなでる
「クソッ・・・こんなところにテレポート持ちがいるなんて・・・」
マコト「オズ」
呆気に取られていた俺にマコトが声をかける
オズ「あ、ああ」
二人で対象へ駆け寄る
オズ「あんたら大丈夫か?ありがとう俺もサイフ盗られちまったんだ。俺はオズ」
マコト「ボクはマコトだよ!」
よく見ると犯人はまだ少年だった
リクシオ「いいんだ、この少年は最近出没していたスリみたいでね。はい、これだろう」
パット見俺と大して年齢が変わらないであろう青年、リクシオが俺のサイフを渡してくれる
リクシオ「あとは・・・ティオ、建物の上から連れてきてくれないか?」
ティオ「あいわかった」
そう答えると目の前の少女は消えた
リクシオ「俺はリクシオ、帝国騎士のまぁ下っ端さ。あの子はティオ、同じく帝国騎士だ」
マコトと変わらないようなあんな小さい子まで騎士なのか、凄いな
リクシオ「あ、二人とも少しそこにスペースあけてもらっていいかな?」
オズ「ん、こうか?」
一歩下がるとそこにティオと見知らぬ女性が現れた
マコト「このテレポートはティオちゃんのなんだね!凄いなぁ!」
ティオ「えへへ、ありがとうなのじゃ!」
リクシオ「はい、これですよね」
「ええ、ありがとうございます!」
リクシオ「彼のことは私に任せてください」
「でもお礼も・・・」
リクシオ「大丈夫ですよ、これも仕事ですから。お急ぎの様子でしたので予定があるのではないでしょうか?」
「あ、そうだわ、ごめんなさいね、帝国騎士のほうにお手紙出しますね!お嬢ちゃんもありがとね」
そう言って女性は足早に去っていった
オズ「さて、コイツはどうするんだ?」
犯人に目をやると手を氷で拘束されていた。
ぱっとみの年齢はマコトやティオより少し上なくらいか
リクシオ「ふむ・・・君は名前は?」
???「・・・」
ティオ「リクシオ・・・」
リクシオ「ああ、君国営の孤児院の子だろう?」
オズ「国に突き出されるのと、大人しく帰るのどっちがいいんだ?」
???「・・・チッ、そうだよ」
リクシオ「それじゃぁ行こうか。オズとマコトも迷惑かけたね」
オズ「あ、いやいいんだ」
マコト「ぼけーっとしてるほうがマヌケなんだよ!」
オズ「はいはい、リクシオもティオちゃんもありがとうな」
ティオ「よいよい」
リクシオ「それじゃ」
そう言うと姿を消した
マコト「テレポート便利だよねぇ」
オズ「あれって俺も使えるようになんの?」
マコト「えっ、うーんどうだろ、なんだったっけ・・・空と紫の上位魔法だったかな・・・」
オズ「ま、無理やろな」
マコト「それはそれでどうなん・・・あ、お買い物」
オズ「目的を思い出したな、よしいこう」
【王国ホド:商業区:アトリエ・アルミン:昼】
???「いらっしゃい、あれとうとう年上の彼氏でもできたの?」
マコト「違うよ~・・・あれ?違くないのかな」
オズ「違うだろ」
マコト「なんで!生涯を共にするって決めたのに!!」
???「そんな小さい子に手を出して・・・」
オズ「やめろ!言うほど小さくないだろ!」
テラート「アタシはこの店の主、テラートだよ、よろしくね彼氏さん」
マコト「いやまぁ確かに小さいほうかもしれないけど・・・」
マコトがブツブツと何か言っている
オズ「いやなんかもうそれでいいや、俺はオズ」
テラート「今日は?」
マコト「ぽーよん~」
テラート「バフは?」
マコト「減ってるのはDなんだけど、昨晩全く活躍の場がなかったしAでいいかな~」
オズ「どういうことだ?」
マコト「ボクが使ってたポーションはここの特製品でね、昨晩はD、つまりディフェンスバフが付加されていたんだけど
皆思ったより強かったし、やられるよりやれってPTだからアタックバフ買おうと思ってね~」
オズ「あーなるほどな、別々に・・・買うとスペースが取られるか」
テラート「そういうこと、アタシ結構な腕の錬金術師でね?一般だと単一効果しかないような物にも複数の効果をつけてそれなりの値段で売ってるんだよ」
そう言うと彼女は店の奥へ入っていった
オズ「この辺りに書いてあるのは?」
マコト「追加効果の無いアイテムだよ。錬金術で追加効果つけるものは大体オーダーメイドで売ってるんだってさ」
オズ「普通のポーションとかはどうやって作られてるんだ?」
マコト「ポーションは水に対して白魔法を込めて作られるから、魔法製品だよ」
オズ「なるほどなー、それに錬金術を合わせて追加効果を出してるのか」
テラート「理解が早くて助かるよ、はい、10個でいい?1万リズでいいよ」
オズ「1個1000リズすんのか!ギルドに置いてあった3倍だな!」
テラート「通常回復、Aバフ、散布吸収までついてるんだからこれでも相当安いよ」
オズ「散布吸収・・・ってなんだ?」
マコト「本来飲んだほうが即効性とか効果の強さがあるんだけど、このポーションは精霊の加護?とかで空気中に散布しても効力がさほど減らずに人体に吸収されるんだ」
オズ「テラート凄いんだなぁ」
テラート「これでも錬金術師だからね、他には?」
マコト「何がいるかな?」
オズ「主な回復役マコトしかいないんだから散布吸収で回復効果の高いものいるだろ」
マコト「それもそうか」
テラート「マコトが回復役?すーぐ爆弾投げたがるのに?」
オズ「え、爆弾なんて持ち歩いてんの」
マコト「爆弾ないと壁とか崩すときどうすんのんさ!」
オズ「いや、まぁ・・・えーツルハシとか?」
マコト「そんなにちまちまやってられないよ・・・」
オズ「自分で言っといてなんだがそういう問題なのだろうか」
マコト「いいから散布吸収のあるポーションちょうだい!」
テラート「はいはい」
テラートがカウンターの下から手をひらひらさせている
テラート「で、何個いるの?」
オズ「どれくらい入る?」
マコト「え、どれだけ買う気なの」
オズ「皆の分がいるだろ?あとで徴収しようず」
マコト「そっか!30本くらい買っちゃおう!」
オズ「うぇ、そんなに金あんの?」
マコト「ボクトレジャーハンターだよ?」
テラート「あ、素材持ってきてくれたの?」
カウンターの下から顔を覗かせている
マコト「はい、テルートの薬草」
オズ「なんだそれ?」
マコト「テルートっていう小型の妖精がいてね、草の水分が好物なんだけど
常に独特の魔力を放ってるからその水分と入れ替わりでこの薬草が完成するわけ」
オズ「おーん」
テラート「アタシの名前が似てるだろう?もっともその妖精から名前を付けてもらったんだけどね
ちなみにこの薬草が散布吸収の源だよ」
オズ「ほえー」
テラート「気の抜けた奴ねぇ」
オズ「イヤ聞いてはいるぞ、ぱっとしないだけで」
テラート「テルートは妖精によくいるいたずらの子達とは違ってかなり内気なのよ、アタシに似てるでしょ」
オズ「イヤそれはどうだろう」
マコト「まだ?」
テラート「いくらアタシでも時間は操作できないよ」
テラートのほうへ目をやると何やら沢山のビンや器がある前で作業をしていた
オズ「それは?」
マコト「複合錬金器具だよ、ここにボクのかばんの中にあった紫の魔法より明るいところがあるでしょ
あそこに時間魔法蓄えるんだけど・・・光ってないね?」
とマコトが複合錬金器具と呼ばれるものの色彩の明るいが光沢の無い紫の石をつついてる
テラート「最近素材もなかなか集まらなくてね、いつもはアルテスの時短液を使ってるんだけど・・・」
マコト「ふーむ」
テラート「ま、いいやそんな時間かかるものでもないし、はいできたよ」
マコト「あ、うん、ありがと。まぁまた来るね!」
テラート「はいよー」
オズ「そんじゃま、またくるぜ」




