出発
一息ついてFMDを外す、ゲーム内でいわゆる睡眠状態に入ったのだ
オズ「ぇい、この後どうする?」
ヤマト「寝るべ」
アキラ「そうするべ」
テク「んだんだ」
アキラ「結構ぶっ続けたべ?」
ヤマト「んだ」
オズ「ほんだら今日はもう寝ちまうべ」
テク「散」
オズ「おつ」
チャットをそのままに掲示板を確認する
オズ「お、待った」
アキラ「なになに」
オズ「このスレッド」
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『プレイヤー(証持ち)は異世界からの来訪者』
「俺らいきなり大量に現れていろんなところに所属してクエストめっちゃやってるけど出生不明なうえゲーム内の知識もないから
異世界から来た勇者ってことになってるらしい」
「ほえー勇者だから金もっとよこしてほしい」
「嘘やん、こっち盗賊やってるから悪者扱いされてるけど」
「それは悪者では?」
「こうやってゲーム外で情報交換できるし急に成長してるからな
そら異世界から来たってなるだろうよ」
「最近はAIも発達してるが
このゲームは全てのキャラクターに人口AI入っててすげーわ」
「さんざん言われてるがこらもう一つの現実ですわ」
ヤマト「異世界からの来訪者なぁ」
テク「こらまぁうん分からんこともない。俺が登場人物で知能持ってたらそうなるかもしれない」
オズ「面白い話になってるもんだ」
アキラ「盗賊までいるのなぁ、いくらゲームとはいえAI相手にそんなことはできないな」
テク「次INした時には俺たちへの目が変わってそうだな。
ホドでは大量に依頼をこなしてくれる人たちだったけど盗賊となるとな、どうなることやら」
......................................................
【王国ホド:中央区:宿シュテン:朝】
べしべしべしべしべしべし
マコト「朝だ、起きよ」
オズ「お前部屋別じゃん」
あれ、俺ゲーム落とすの忘れてたのか
オズ「あぁ~~っくぅ、まだ3時間しか寝とらん」
マコト「あ、そっか。証持ちって生活リズム違うんだっけ」
時計に目をやると確かに朝だ
オズ「そうだよ~オバカさん~、それじゃぁ寝るぞ」
マコト「やだよ~起きてよ~朝だよ~ごはんいこうよ~」
そう言いながら布団を引っ張る
オズ「おま、ちょ、やめろ、分かったから」
不思議と眠たさは無いから諦めて起きることにした
外はしっかり明るくなっている
マコト「ギルドハウスのほういこうよ!あっちもおいしいよ!」
オズ「そうするか」
【王国ホド:中央区:ギルドハウス:朝】
宿を出て、ギルドハウスの食堂へ行くとアユラがいた
マコト「アユラおはよ~!」
アユラ「マコトちゃん、オズくんおはようー」
オズ「寝なくて大丈夫なのか?」
アユラ「あ、うん、まぁね」
マコト「ユウキは~?」
アユラ「あっちにいるよ」
アユラが目配せした先の席に座って証を操作していた
オズ「席いってるわ、先に食べ物取ってくるだろ?」
マコト「うん!」
一旦別れて席へ向かう
オズ「おはようー、これからのご予定は?」
ユウキ「ああ、おはよう、一回この国を離れようと思ってる」
オズ「それまたどうして」
ユウキ「周りを見てみな、プレイヤーがいっぱいだろ?クエストの数もかつかつのようだ」
オズ「なるほど」
???「おーい!おはよう!」
オズ「あれ、リクシオじゃん」
リクシオ「やぁオズ偶然だね」
ユウキ「この人は?」
オズ「名前はリクシオ、帝国から来た騎士なんだ」
リクシオ「よろしく」
ユウキ「俺はユウキ、見ての通りギルド所属の冒険者だ」
???「ユウキか良い名じゃな」
声のしたほうを振り返るとマコト達が料理を手にこちらへきていた
ティオ「私はティオ、よろしくな」
ユウキ「ああ、よろしく」
オズ「二人はどうしてギルドに?」
リクシオ「探し事をしててね、皆人型の魔物について知らない?」
ユウキ「上位の魔物の形態の一つだよな」
オズ「俺は特に聞いたことないな」
アユラ「私も特には・・・」
マコト「ほふひっへふほ」
オズ「なんて?」
マコト「ん、ボク知ってるよ。今まで滅多に現れなかったのにいろんなところで目撃情報が出てるみたいだね」
リクシオ「場所とか分かる?」
マコト「この前助けてもらったから教えてあげる!直近だとレスペディーザでひっそり目撃情報があったよ。更に観光客狙いの盗賊も出ていて人が寄り付かなくなってるけど」
リクシオ「レスペディーザか・・・結構遠いな、あそこの警備は国の管轄だから情報共有が遅れてるのかな」
ユウキ「国家ごとにも警備団があるのか」
リクシオ「そうか、君たちは証持ちか。この世界には現在主な団体戦力が3つあって
まず一つ目が国家、これは地方ごとに存在する国が運営する警備団
二つ目が帝国騎士団、この星で最も統一戦力のある俺が所属する帝国下戦力
三つ目が君たちも所属しているギルド、これは国家を問わずに点在する戦力で依頼幅が広い」
ユウキ「とても分かりやすい、つまりレスペディーザは国家警備団の管轄力が強く出すぎているのか」
リクシオ「そうだね、ギルドハウスもあるけどかなり小規模だったはず。
街自体も大きくないから普段の依頼以上がきてるとなると警備団も手一杯だろう」
マコト「人型は驚異的な力を持つものが多いから、目撃情報が出た時点でもっと厳戒態勢でもいいはずなんだけど・・・」
リクシオ「うん、気になるから俺は行ってみるとするよ」
オズ「ところでどうして人型を探してるんだ?」
ユウキ「まったく野暮な奴だな」
リクシオ「討伐依頼が出てるからね、俺は帝国の遊撃部隊として動いてるんだ」
ティオ「私ら以外にも各地に散って情報収集しておるぞ」
オズ「ほえ~二人は強いんだなぁ、ギルドで人型の依頼って出てないのかな?」
ユウキ「まだ俺たち駆け出しのランクⅢとⅡだぞ、そんな強いって言われる人型の相手できると思うか?」
オズ「確かに」
リクシオ「人型に対する精密調査や討伐依頼、危険が伴うとなるとランクⅤからになるね」
ユウキ「ランクⅤは帝国で言えば百人を束ね、百人分の戦力がある人物に相当する
どんな街でも最低一人はランクⅤが配属されるくらい一般の魔物相手には十分とされる戦力だよ」
オズ「ヤバ、でもそれほどの戦力が必要ってことは被害も大きいんじゃ?」
リクシオ「好戦的であったり、出現位置が人の集まる場所に近かったりと条件はあるけど、ね」
オズ「こんなこと聞いて黙って待てできないよなぁ!」
マコト「ダメだよ、命かかってるんだから。少なくとも被害が出るような場合でもない限り
ボクも動くべきじゃないと思う」
オズ「確かに」
ユウキ「被害が出る前になんとかしたいものではあるが、足手まといになってしまえば本末転倒だ」
オズ「確かに」
リクシオ「まぁでも」
リクシオが立ち上がる
リクシオ「情報も戦力だ、助かったよ、あとは俺たち依頼を受けられる人にまかせてよ」
ティオ「こう見えてかなりの強者じゃぞ」
ティオがウィンクして見せる
マコト「ティオちゃんはテレポーターなの?」
ティオ「私か?私は白大魔導士じゃ!」
「今白大魔導士って言ったか?」「もしかしてあの子最近噂の子か?」
周りがざわついてる、なんだ?
リクシオ「あ、おい勘弁してくれ・・・」
ティオ「あ、そうじゃった」
リクシオ「じゃぁこれ、連絡先、後日にでもまた話そう」
各自証にリクシオの情報が送られ受信を許可する
リクシオ「ちょっとこのままだと大変なことになるから俺たち行くね!またね!」
ティオ「またの~!」
走っていくリクシオの後ろをティオが飛んで・・・
「飛んでる!」「飛んでるぞ!飛翔魔法だ!」「本物だ!」
周りを見渡すと一部の証持ちとNPCのほとんどが反応している
オズ「マコト知ってるか?」
マコト「あーうん、最近帝国に入った女の子で、上位魔法の飛翔魔法を他人へ使いこなすほどの魔力と繊細さの持ち主だよ」
オズ「飛ぶのって難しいのか?」
マコト「飛ぶって考えたらどんなイメージが出てくる?」
オズ「そりゃぁ翼を持つとか魔法の力でそのまま飛ぶとか・・・あ」
マコト「じゃぁ足りない部分を魔法で補完するとして、それを実行、コントロールできそう?」
オズ「いや、難しいな、翼は継続的に体の一部が増えてコントロールするようなもんだし。
体を浮かすのだってなんだ?自分の周囲の重力だけ操るとかするにしてもまた膨大に魔力を使いそうだ」
ユウキ「なるほど・・・ティオはそれを他人に付与してコントロールまでできる、それは・・・」
オズ「飛んでみたいですよね!生身で!」
思わず体を乗り出してしまった
ユウキ「いや違うだろ、魔力ランクの話だぞ」
オズ「あ、いえす、おーけーおーけー」
ユウキ「ラッキーなことに俺たちとは協力関係になれそうだから、時が合えばしてもらうといいんじゃないかな」
マコト「協力関係なんてカタイカタイ、お友達でいいんじゃない」
ユウキ「それもそうか、アユラは大丈夫だったか?」
アユラ「あ、はい!ちゃんと聞いてました!」
まったく喋らないと思ったがそうか人見知りか
ユウキ「それにしても帝国の遊撃兵NPCと知り合いになるなんてなかなかないんじゃないか?」
オズ「確かに」
マコト「帝国の遊撃部隊は少数精鋭で全員がランクⅤ以上と言われてるよ、
さっき話したように一人でそこそこな規模の街の護衛をまるまる背負うくらいの戦力の持ち主
そんな人たちと連絡交換できるなんてラッキ~!」
オズ「そういえばやたらと分かりやすくこの世界の常識を話してくれたなと思ったが
マコトもはたから見れば証持ちか、情報を知らない前提で話してくれたのか」
ユウキ「多分俺と同じように先行プレイをしていて、世界観に興味ある人とか
冒険よりも調べまわってる人は既に知ってるんじゃないかな」
オズ「俺たちはどうする?経験値稼ぎか?」
ユウキ「そうだな、ここを出て、別の場所でクエストの繰り返しかな」
オズ「あ、そういえばその話でしたね準備は昨日した、飯も食った、目的地決めますか」
ユウキ「それならもう決まってるぞ、ここから南へ向かってテレポートで乗り継いで行けるところにある砂漠と森の間にある一番大きい街
開拓地:ロクアネスだ」
アユラ「砂漠と森の間というのは緑化活動の最前線ですね。褐色魔法、私の土属性が得意なフィールドです!」
「お前さんら、さっきあの白大魔導士の子と一緒にいた人らだろ?」
オズ「ああ、そうだけど君は?」
ローキン「俺はローキン・ホークス、証持ちじゃないがこれでもランクⅤだ」
ユウキ「手練れの方が何用かな?」
ローキン「そう警戒すんなって、さっき話を聞いちまったんだが人型を追ってるんだろ?」
そう言ってローキンが少し小声になる
ローキン「実は今俺の地元、ロクアネスで人型が確認されてる。
それもかなり厄介・・・いや倒さないで解決したい相手なんだ」
ユウキ「・・・」
ローキン「そこでさっきの白大魔導士の子、恐らく帝国兵でも上位の子だ、
あの子らと一緒に面識のあるあんた達にどうしても協力してもらいたい」
オズ「人型の情報ならリクシオに連絡するか?」
ユウキ「いや、まずは俺たちで様子を見に行ってみよう」
マコト「被害は?」
ローキン「聞いたら驚くかもしれない、街のすぐ隣の森の中にいるのだが
排除に向かったものが気が付かないうちに返り討ちになってる以外で被害は出ていないんだ」
マコト「それは気になるね、まぁ・・・友達としてボクらもできることをやってみよう」
ローキン「お嬢ちゃんはどうだい、一緒に来るかい?」
いつの間にかアユラはフードを深くかぶりなおしている
アユラ「はい!行きます!」
ローキン「よし、じゃぁ決まりだな、俺もあんた達を全力で守ると約束しよう、報酬に関しては向こうのギルドハウスで用意されてる」
オズ「よしいくぞう」
全員で席を立ち、転送装置へ向かう




