願い
【王国ホド:ギルドハウスへの帰り道】
オズ「この道は?」
マコト「近道だよ~」
オズ「なるほど。お、花屋さんなんてあるのか」
マコト「ここにあるのはただの花だけじゃないよ、魔法が込められているものや、花の持つ魔力を引き出してるものがあるんだよ」
オズ「さっき話してたテルートってのもあるんかな」
マコト「あるよ」
???「おや、何用かな」
マコト「カドウさん!」
カドウ「おう、こんな外れによくきたな」
オズ「こんにちは」
カドウ「マコトが男連れとは・・・ふむ、証持ちか」
マコト「いろいろあるのさ、ところでテルートの薬草はある?」
カドウ「ああ、もちろんあるぞこっちだ」
そう言ってお店の右側へ進む
オズ「お、さっき見た見た目だ」
鮮やかな紫色のツヤのある雑草を目の前にする
カドウ「あまり見覚えがないのか、ならコイツも覚えておくといいだろう」
と言ってテルートの薬草よりお店の入り口側にある草を指さす
カドウ「これはピクシスの薬草。ピクシスという白魔法を使う妖精の祝福を受けた薬草で、傷を治す効果がある」
ツヤのある水色の草をしている
カドウ「ツヤのある草や花は基本的に魔力が宿っている、それも私たちにとって良いものであることが多い」
オズ「なるほどなー」
マコト「これ見て」
と言ってマコトが鞄から小さな壺のようなものを取り出した
オズ「どこに入ってたんだ?」
マコト「これ小型の錬金窯でね、小さなものなら錬金術を施せるんだ」
オズ「ほーん、出先で見かけたらそのまま使えるのか」
マコト「そういうこと」
カドウ「うむ、一度に沢山のことを覚える必要はないが、自然物は時に冒険の助けになる。少しずつ覚えていくといい」
オズ「ありがとう」
マコト「それに液体と違って重くないしかさばらないからね」
オズ「なるほどなー、いくらか買っとく?」
マコト「んや持ってるよ」
カドウ「うむ、抜け目ないな」
オズ「え、じゃぁなんでさっきテラートのとこ買いに行ったの」
カドウ「なるほどテラートのところに行ってきたのか、あいつは腕がいいから通常品より幾段も品質、効果が高いものだろう」
オズ「なるほど」
マコト「ボクが作るより断然良いものなんだよ」
オズ「流石専門家といったところか」
マコト「そろそろいこっか」
カドウ「そうか、また寄っていくといい。せっかくだからこれ一本持っていけ」
そう言ってカドウはそれほど数の無い薔薇を指さす
オズ「これは緑の薔薇?」
カドウ「ドリュアスの薔薇。緑魔法を強く含んだ薔薇であらゆる緑魔法道具の上位素材になる」
オズ「うぇ、高そう。いいんです?」
マコト「実際高級品だから一本で10万はするよ」
オズ「ヤバ、所持金吹き飛ぶじゃん」
カドウ「最近増えたとはいえ初めて証を見せてくれたお礼とでも思ってくれ、生成されてから比較的古い物だから遠慮するな」
並べられている一本を抜き手渡してくれる
マコト「もらえるなら遠慮なく~」
カドウ「お前にじゃないが・・・まぁいいだろう」
マコト「ありがたく~」
オズ「ありがとうございます、それじゃぁまた」
カドウ「おう、またな」
マコト「またね~」
そう言い店を後にする
【王国ホド:中央区:宿シュテン:昼過ぎ】
オズ「思ってたより早く用事が済んだな」
マコト「証から表示されるアイテムって便利だね、自分の持ってる?恐らく触れているもの一覧が表示されるんだね」
マコトが帰って早々空中を撫で、ターミナルを開いている。
このゲームでアイテムは場所を取るし重さもある。ゲームでよくある異次元のアイテムパックからスタックして~ということはできない。
要するに存在する物は全て現実と同じ扱いを受ける。
オズ「そういえば証を操作している間他の人からどう見えてたんだ?」
マコト「え?証持ち特有の魔法かと思ってたよ」
オズ「そらそうか」
マコト「あながち間違ってないね、現代の機械と魔法だけじゃここまでの便利さはないよ」
オズ「いやいや、ワープとかあるじゃん。あーいうのに勝ってるとは言えなくない?」
マコト「言われてみればボクも当たり前のように触れて生きてきただけで、原理とか知らないこともあるからなぁ」
原理、その物事を成り立たせる法則があるということになる
オズ「機械と魔法ねぇ・・・」
何かこの世界との認識の差異があるような気がする
オズ「・・・科学」
マコト「なぁに?」
オズ「科学だ、俺たちの世界での技術や知識、経験をまとめた言葉」
マコト「なんでまとめてあるの?」
オズ「この世界での魔法がそれにあたると思っただけ」
マコト「技術、知識、経験・・・言われてみれば。それがどうかしたの?」
オズ「いやなんかそうだなぁ!って思いついただけ」
マコト「変なのー。そうだ!時間あるから願いの丘へいこうよ!」
オズ「願いの丘?」
マコト「願いが叶うって言われてる場所なんだけど、いつも夜空と一番星が見える不思議な場所なんだ」
オズ「なんてまたロマンチックな」
マコト「10か所あると言われているうちの一つがこの中央区のなかにあるよ」
オズ「おーん、ほならいこか」
マコト「いこういこう!久々に行くよ!」
オズ「近い?」
マコト「ボクが鞄置いていこうと思うくらいには近い」
オズ「なんとなく分かる気がする」
【王国ホド:中央区:願いの丘】
オズ「おーこれはこれは」
木々に囲まれた道を抜けると満天の星空と一際強く輝く一番星の見える小さな丘に出ていた
オズ「結構人いるのな」
マコト「昔から伝わる神聖な場所であるが為にその周りに集落ができ、町ができ、国ができたわけだからね」
見渡すと広さの割にそこそこ多くの人が来ており、胸に手を当てている
オズ「なーあれって・・・」
マコトのほうへ目をやると周りの人と同じように胸に手を当てる姿があった
恐らく願い事をしているのだろう
オズ「ふむ」
口を閉じ胸に手を当て目を閉じ、願いを思い馳せる
-俺の願い・・・願い・・・何かあったか?-
オズ「・・・ふむ?」
目を開け見渡すと
???「お、偶然だな」
オズ「お、ユウキさん」
そこにはこちらに近づいてくるユウキとアユラの姿があった
アユラ「装備選び終わったのー」
先の戦いで周りのプレイヤーと同じく茶色いマントをしていた姿とは違い
亜麻色のワンピースの上に白いピーコートを羽織っており
動きやすそうな黒色の靴スニーカーに小さな白いリボンが一つずつついている
オズ「おお、そういう服もあるのか。カワイイじゃないか」
マコト「オシャレさんだねっ」
アユラ「ありがとうっ」
ユウキ「ここにいるってことはマコトの先導かな?」
マコト「そうだよ~」
ユウキ「そうか、俺らもちょっと願い事していこうかな」
ユウキがアユラに目配せをしてから二人で願い事をする
少ししてから目を開け、ユウキが夜空を見上げる
ユウキ「一段と一番星が強く光って見えるな」
アユラ「そうだね・・・!」
ユウキ「それじゃぁ戻りますかな」
オズ「そーしやすか」
【王国ホド:中央区:宿シュテン:夕方】
ヤマト「またせたな!飯いこうぜ!」
ぐだぐだと自室で過ごしていたらヤマトが急にドアを開け顔を覗かせている
マコト「ごはん!」
オズ「お前寝てたじゃん」
【王国ホド:中央区:宿シュテン:夜】
マコト「はらぁいっぱいだぜぇ・・・」
オズ「よく食うなぁ」




