チュートリアルの始まり
【???】
「はっはっはっ」
俺は森の中をひたすら走っていた
「どうなってるんだ!」
俺は負傷していた
そのすぐ後ろからはハイシャドウが追ってくる
「うわ!」
木の根に足を取られ倒れる、すぐに受け身を取るが既にハイシャドウは攻撃態勢に入っていた
「くそっ!」
青年は目をつむり両手で致命傷になる顔を守る
ギィン!
目を開けるとそこには白と金の装飾のされた剣?が現れていた
ハイシャドウの爪と鍔迫り合いになっている
「なんだ!?とりあえず武器だ!」
ハイシャドウを一旦退ける
「これは剣...銃か?」
ハイシャドウに銃口を向けおもむろに引き金を引く
ダァン!
白い球筋と共に弾丸が飛んでいきハイシャドウの右腕が吹き飛び消滅する
「うわ!凄い威力だ」
大きくよろける自分と同じくらいの身長を持つハイシャドウ
「今だ!」
力強く踏み込む、その足元には小さな魔法陣が出現している、と同時に刀身の刃が青く光り始めた
想像以上に素早く接近し左下から右上に向かって剣を振り上げ胴体をぶった切る
「はぁ、はっ...なんとかなったか...?」
消滅していくハイシャドウを他所に
呼吸を整えて身をひそめる、周りに何かが動く気配はない
「さっき斬るときにこの剣青く光ったが...」
青く光っていた部分が消えて真白な剣に戻っており、文字が刻まれているのに気が付く
「ケテル...ホワイト?」
良く分からないがとりあえず左腰にあるブレードホルダーに通す
「とりあえず近くに何かないか...?」
警戒しつつ森の中を進んでいくとかなり大きな道に出た
「お?道だ、多少安全かな...」
道沿いに適当に進んでいく。この道に来るまで日が昇り、日が落ち、かれこれ夜だ
「ダメだ...もう空腹で限界だ...」
俺はその場に倒れてしまう
「あーゲームオーバー?どうなるんだ?」
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「今までのは導入か?森にほっぽり出されるわモンスターに追われるわ街にたどり着けないわ・・・」
新発売のMMORPG『Wish of Hearts』
脳波をキャッチし、実際に体を動かすのと同じ要領でゲーム内のアバターを動かし
痛み以外の感覚をリアルに体感できるという体感型のアプリケーション
現実とさほど変わらないような没入感のゲームは近年珍しくもなく
世界初の惑星一つまるまるを舞台とした規模の大きさに期待が高まっているゲームだ
「しかしこれ空腹で倒れて画面真っ暗ってことは
気絶とかやられたら周りの景色見えなくなんのか」
『ん?誰か倒れてるな』
「おっと」
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「行き倒れか、持ち物だけ奪ってほっておけ」
「はい」
少女は目に入った白い剣銃に手を伸ばす
バチィッ!
「ッツ!」
「ほう...スペシャルウェポンか、それに白、それなのに行き倒れかい。面白い拾い物になりそうだ。魔動車に乗せな」
「はい」
少女は小柄ながらも魔動車に俺を乗せる
「さてさて、共和国まで行くかね」
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【???】
「お...?ここは」
少しずつ体の弛みがとれて動かせるようになり起き上がる、どうやらベッドに寝かされていたようだ
「目が覚めたようですよ」
「ここは共和国内最大規模のギルドハウスさ」
【共和国:第一ギルドハウス:朝方】
「お前なんであんなところで倒れてたんだい?」
「あんなところ....?あーそういえばモンスターに追われてなんとか倒して大通りに出たんだっけか...」
「その武器、どこで手に入れたんだい?」
「これはモンスターに襲われた時気が付いたら手元にあったんだ」
「めぐり合う武器か...スペシャルウェポンは知ってるかい?」
「ああ、属性一致武器だっけ?」
「そう、そこの子がそれに触れようとしたら弾かれたんだ。間違いなくそれはお前のスペシャルウェポンだよ
銃剣のように見えるが剣の部分のほうが大きい、トリガーセイバーだな」
「トリガーセイバー...言われてみれば形状は間違いない、リボルバータイプだ」
「使いにくいだろうが使いこなしてみな、お前だけの武器だ、それに答えて強くなるだろうさね」
「ところであなた名前は?」
「そうだ...俺は...俺は誰なんだ?」
「「え?」」
「そういえば名前が分からない」
ちょっと待て、そういえば名前決めるとかそんなこと一切してない
「お前記憶喪失かい、どこまでわかる?」
「うーん...思い当たるのは名前と倒れる以前の記憶や出生が分からないな...」
ということはここまでがチュートリアルかな、これから思い出す形で決めていく感じかな
「そうかい...武器の使い方は?」
「どれも最低限は使える...と思う」
「その武器は?」
「昨晩?使ったのが初めてだ」
「エンチャントできるかい?」
「やってみよう」
腰にあるトリガーセイバーを手に取り、エンチャントを試みる
「ん?何も反応しないね」
「あれ、あの時は使えたんだけどな」
「分かっていると思うけどエンチャントできないと生半可な力じゃちょっと強いモンスターにはまともに効きやしないよ」
「そうだな...」
「ふむ、助けたお礼と言っちゃなんだけどお前にはウチらの仲間として戦ってもらうよ」
「特に行き場もないし反対する理由もない、協力させてもらうよ」
「まずは呼び名が無いと不便なので名前を決めましょう」
オズ「そうだな...オズリー・マルクト...オズとでも呼んでくれ」
「オズリー...オズかい、いい名だね」
アーテル「私はアーテルと言います」
アニキ「俺はアニキと呼ばれてるよ」
オズ「改めてよろしくな二人とも」
アニキ「さて、まずはまともにエンチャントできる武器を探しにいかないとねぇ」
アーテル「武器屋へ行きましょう」
オズ「金はどうするんだ?」
アニキ「これから仲間になるんだ、それくらい出してやるよ」
オズ「マジ・・・?ありがとう」
アニキ「そしたら行くかねぇ」
俺はベッドから、アーテルは椅子から、アニキは窓際から立ち上がり外へ出た




