初めましての挨拶は5
その瞬間。
扇子から出たオレンジ色の光が人間に当たった。
上がる悲鳴。
「え、え、今の、私?」
桜花は戸惑いながらも雪吹の言葉を思い出した。
「確か、想像が武器になるとか、非現実的なことを言っていたはず。」
今度は扇の先を向けた。
あんな人間でもできるんだから、私にだってできるわ。
そう思い言った。
「眠って。」
扇の先から桃色のレーザー光線が飛んだ。それが当たった人が地面に倒れる。しかし、血は出ていない。どうやら怪我をさせずに一時的に眠らせることができたようだ。
それを確信すると、次々とレーザーを当てて眠らせていく。
そして残るは5人。
早く終わらせよう、そう思った。
しかし、甘くはなかった。この5人には、一向に当たらない。
「なんで、ちゃんと狙っているのに。」
焦れば焦るほど当たらない。
疲れてくるにつれて、レーザーが短くなってきていることに気がつき、更に焦る。悪循環に陥っている。どうしようもなくなって、苦い表情をした時だった。
何か重いものが倒れる音がした。
桜花とその音に気を取られ、視線を向ける。
視線の先には桜花を騙した女性が血を流して倒れていた。
「姉さん!」
山賊が叫ぶ。
「えーと、山賊その1、うるさい。」
その声のする方向には雪吹。雪吹は桜花に微笑みかける。
「桜花、そこまでできれば合格。」
そう言うと両手に電気を纏い、山賊に向かってかけた。
「雪吹ちゃんだめ、怪我をさせてはだめ。眠らせるだけにして!!」
慌てて叫ぶ桜花の言葉を耳にして、雪吹は眉間にしわをよせる。
落ち着いてと、桐島が桜花をなだめているようだが、まだ何か言っているような、そんな声が聞こえる。雪吹は不快そうに舌打ちとすると、山賊1人1人を一発殴り、その時に電気で痺れさせた。
「庶民の、魔法、使い…。」
山賊は怯えた様子でそう言う。そこで雪吹は挑発したように言う。
「初めまして、この世界の住人さん。もう2度と私と会わないようにしな。」




