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アルテリオンの名において  作者: フリージア
5/40

初めましての挨拶は5

 その瞬間。

 扇子から出たオレンジ色の光が人間に当たった。

 上がる悲鳴。

「え、え、今の、私?」

 桜花(おうか)は戸惑いながらも雪吹(ふぶき)の言葉を思い出した。

「確か、想像が武器になるとか、非現実的なことを言っていたはず。」

 今度は扇の先を向けた。

 あんな人間でもできるんだから、私にだってできるわ。

 そう思い言った。

「眠って。」

 扇の先から桃色のレーザー光線が飛んだ。それが当たった人が地面に倒れる。しかし、血は出ていない。どうやら怪我をさせずに一時的に眠らせることができたようだ。

 それを確信すると、次々とレーザーを当てて眠らせていく。

 そして残るは5人。

 早く終わらせよう、そう思った。

 しかし、甘くはなかった。この5人には、一向に当たらない。

「なんで、ちゃんと狙っているのに。」

 焦れば焦るほど当たらない。

 疲れてくるにつれて、レーザーが短くなってきていることに気がつき、更に焦る。悪循環に陥っている。どうしようもなくなって、苦い表情をした時だった。

 何か重いものが倒れる音がした。

 桜花とその音に気を取られ、視線を向ける。

 視線の先には桜花を騙した女性が血を流して倒れていた。

「姉さん!」

 山賊が叫ぶ。

「えーと、山賊その1、うるさい。」

 その声のする方向には雪吹。雪吹は桜花に微笑みかける。

「桜花、そこまでできれば合格。」

 そう言うと両手に電気を纏い、山賊に向かってかけた。

「雪吹ちゃんだめ、怪我をさせてはだめ。眠らせるだけにして!!」

 慌てて叫ぶ桜花の言葉を耳にして、雪吹は眉間にしわをよせる。

 落ち着いてと、桐島が桜花をなだめているようだが、まだ何か言っているような、そんな声が聞こえる。雪吹は不快そうに舌打ちとすると、山賊1人1人を一発殴り、その時に電気で痺れさせた。

「庶民の、魔法、使い…。」

 山賊は怯えた様子でそう言う。そこで雪吹は挑発したように言う。

「初めまして、この世界の住人さん。もう2度と私と会わないようにしな。」


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