初めましての挨拶は
序盤の主要人物は、桜花、灯真、雪吹、桐島の4人です。物語は彼らが出会うところから始まります。この物語は、彼らの中にある傷や闇に触れたり、ちょっと可哀想になってもらったり、良い思いをさせたり、まぁ色々なところで二転三転させていきたいと思っています。
物語は半年ほど前から寝る前に考えていたのでだいたいの構成は決まっています。ですので上手に伏線をはって回収できるように頑張ります。
どうか最後までお付き合いください。
注意:戦闘シーンや登場人物の立場など、やや残酷なところがあります。苦手な方はご注意ください。
突如、白い光が視界を包んだ。
反射的に目を閉じ、腕で顔を覆う。光はわずか数秒でなくなった。瞼の裏でそれを感じた赤髪の彼は、ゆっくりと目を開ける。
視界に入ってきたのは、岩の壁と小さな光だった。彼は状況を飲み込めず、ただ体が硬直するのを感じ取っていた。
「あ、あの。」
背後から聞こえる声に驚き、無意識に肩が跳ね上がる。
「驚かせてごめんなさい。」
彼は慌てて声のする方に体を向ける。そこにいたのは黒髪の少女だった。少女の膝の上にはスタイルの良い女性が寝ていて、その隣には茶髪の人物が寝ている。
「貴方も、いきなりここに来てしまったんですか?」
少女は落ち着いた口調で言うが、心配そうな表情をしている。
「あ、あぁ。いきなり眩しくなって、目を開けたらここに…。」
そう言って俯く彼に、少女はできるだけ明るく話しかける。
「あ、私は桜花です。よろしくお願いします。ここに寝ている2人も多分同じですので、何が起きたのか一緒に調べて元の場所に帰りましょう!」
彼は何故か、その様子に苛立ちを感じ、ぶっきらぼうに言葉を返した。
「灯真だ。調べ方は?」
少女、桜花の表情が曇る。
「二人が起きたら手分けして外の様子を見ましょう。人がいれば話を聞けますし、ここに誰か来るかもしれませんので。」
灯真は眉をしかめ、探るような口調で言う。
「どうして誰か来ると思う。何か知っているのか。そもそもなんでそんなに落ち着いてる?そこの二人はなんで寝てる?なぁ。」
徐々に言葉が乱暴になる。桜花はどうにか冷静になってもらおうと、苛立ちに触れないような言葉を考えながら喋り始めた。
「この洞窟を照らす明かりは、この四角いランタンが1つだけです。私はここに来た時から意識があったからわかりますが、ここに居る4人はほぼ同時にここに来ています。だから、ここにランタンを置いた人が他に居るはず。誰かがランタンを取りに来ると思うんです。」
灯真は桜花の言葉を聞いて、なぜ自分が苛立っているのかがわかった。年齢の割に大人びているからだ。なんとなく、自分が負けたように感じられる。
「あ、それと、二人が寝ているのは初めからです。私は不安だけれどとりあえず落ち着かなきゃと思って、冷静になるように頑張っています。」
灯真はその言葉を聞いてさらに苛立ち、強く壁を殴った。