エピローグ
こんどこそ最終投稿です。
まずはお読みいただいちゃってください(^-^
「行くぞ。アイオリア、ケルスティン」
二頭の馬と、ケルスティンが並んでいる。
馬上にあるのは、もちろんアイオリアと衝太郎だ。なんだかんだで、ここ数日の特訓から、衝太郎もようやく馬に乗れるようになっていた。
高台の本陣から見下ろすのは、整然と居並ぶ兵の列。三千を超える軍団が戦列を布き、命令一下、たちまち進軍を始められる態勢にある。
「早かったわね。もうドルギアが攻めて来るなんて」
「新しい王族が来たのだろう。吾のように」
アイオリアが言い、ケルスティンが答える。
「だがな、どんな奴が来たって、かまいやしないさ。オレたちは、戦える!」
衝太郎が言う。
「ええ!」
「うむ」
ふたりがうなずく。
「朝飯も腹いっぱい食ったしな!」
衝太郎が破顔すると、ふたりはなぜか、サッ、と頬を染めた。
「ヤだ! 食事のことは言わないでよ。なんだか恥ずかしい。それは……美味しかったけど」
「ああ。新鮮でありながらうまみを濃く凝縮した野菜。大豆ミートでできたハンバーグ。こってりとボリュームを持ちながら、信じられないほど後味はすっきりと収まる。またもすべての食材に、それをはぐくんだこのリュギアスの地に、それに衝太郎に……感謝したい」
そう言って衝太郎に視線を送るケルスティンに、
「あ、アイオリアだって! ふわふらとろとろのあったかーいオムレツなんて、絶品すぎて気が遠くなりそう。オニオンスープは、甘みとほのかな苦みが喉をとおるたびに身体がよろこんじゃう! こんがり焼き目のついたパンにバター! どうしてこんなシンプルなものがこんなにおいしいの! ぁあ、衝太郎、もぉお……!」
対抗するようにアイオリア。
言っているうちに味を思い出したのか、感極まったように衝太郎を見つめる。
「おいおい、戦いはこれからだぜ。ま、うれしいけどな。戦いが終わったら、またうまいものを作ってやる! イヤと言っても喰わせるからな!」
「うんっ! アイオリアの料理人で軍師で、救世主さん!」
「ああ! 楽しみだ」
三人の鑓が馬上で交錯する。中天の太陽に穂先がきらめく。
それを合図のように、新たな戦いが火ぶたを切って落とした。
完結です。
これまで、ここまで、お読みいただきありがとうございました!
次の話もまた、「小説家になろう」で発表できればと思います。
それまでちょっとお休みですが、またぜひご覧いただければ!(^.^)/~~~




