ワン・フォー・ワン
こんなところまで読み進めるなんてさすがですお兄様!
――ヤタカ王国城下町 PM.01:54
一哉「ちくしょおおおおおおお!!!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
レイニー「何を叫んでるんですか?」
一哉「あ、メイドだ」
レイニー「ええ、メイドですとも。そんなことよりこの国の王様の名前って知ってます?」
一哉「は?誰お前?」
レイニー「そうですよねー、知りませんよねー、興味ないですよねー。ちなみに王様はユキって名前で、私の名前はレイニーです」
一哉「そうか、俺は一哉だ」
レイニー「じゃあ一哉さん、私についてきてください」
一哉「断る」
レイニー「無理矢理連れて行くけどいいですよね?答えは聞きませんが」
一哉「聞いてください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
レイニー「うるさぁい!」
一哉「いやああああああああああああああ誘拐だあああああああああああああああ!!!」
レイニー「ご馳走とか用意してますから、多分」
一哉「何やってんだよ!さっさと行こうぜ!」
レイニー「はいはい、さっさと行きましょう」
――森 PM.01:35
洋「…………困ったな」
ハル「どうしたんですか?」
有紗「Zzz……」
初花「何が困ったのよ」
洋「慈乃文が消えた」
初花「は?」
ハル「え?地の文?」
初花「それって一哉と有紗を異世界に移動させてる神様のこと?」
洋「ああ、そいつが消えた」
初花「どうしてよ」
洋「知るかよそんなこと。何かもっと大きな力に消されたってとこだな」
ハル「えっと……話についていけないのですが」
初花「つまり、私たちが困ってるのよ」
ハル「そ、そうですか」
洋「……仕方ない、俺が他の世界に行って探してくる」
初花「あなた異世界を行き来できるの?だったらあなたがいてくれたら」
洋「悪いな、俺は一人でしか移動できない」
初花「でも有紗ちゃんを」
洋「それは文が連れてきた。俺はお前らがいる世界を教えただけ」
初花「そうだったの」
洋「また会おう、一哉とやらにもよろしくな」
初花「行ってらっしゃい」
ハル「まだ状況が読み込めませんが……」
初花「とにかく東に向かって移動しましょう」
初花「有紗ちゃんは私が背負うわ」
――ヤタカ王国宮殿内 PM.02:12
一哉「腹減った。もう動けない」
レイニー「そうですか、そこの部屋に食事を用意してあるんですが」
一哉「いただきます!」
一哉「……って何もねーじゃん!」
レイニー「ほら、あそこにすごい顔した人がいますよ」
一哉「そうか、人間にも肉ってあるんだよな!ってそうじゃない!」
ユキ「さっきぶりね」
一哉「おなかへったー!たべものー!」
ユキ「さて、私の言うことを聞いてもらおうかしら」
一哉「むぎゃおおおおおおおおおおお!!!ぱちゅおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!」
ユキ「……レイニー、食事の用意をしなさい」
レイニー「面倒なのでお断りします」
一哉「ひゃあああああああああああああ!!!とぅおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ユキ「お願いだから、ね?」
レイニー「はぁ、仕方ないですね」
一哉「うるわっほおおおおおおおおおおおおおおおお!!!きゃあああああああああ!!!」
ユキ(なんだこのキチガイ)
――グルトン王国 PM.3:24
初花「全然人の気配がないわね」
ハル「そうですね」
ハル「ここを抜けた先ですか?」
初花「たしかヤタカ王国とかなんとか」
ハル「あっ……わかりました」
初花「どうしたの?」
ハル「いえ、私もヤタカ王国に向かうので」
初花「そう、ていうかあなた別にもう私たちと一緒に行動しなくても」
ハル「いいんですよ。ほら、旅は道連れっていうじゃないですか」
初花「どっちが道連れにしてるんでしょうね」
魔物?「ひゃっはぁ!!」
初花「!?」
ハル「下がってください!」
魔物?「ほほぅ、今のをかわすか」
初花「見た目はあの時のと一緒……でも喋ってる?」
ハル「あなたが最近いろんな街を襲っている魔物ですか?」
魔物?「ふぅん、だったら?」
ハル「倒します!」
魔物?「ククク……野郎ども!出て来い!」
雑魚1「ぐへへへ……」
雑魚2「ぐふふふ……」
雑魚3「キシャシャシャ」
初花「ひぃ、ふぅ、みぃ……ざっと三百体ってとこね」
ハル「くっ……卑怯な!」
初花「ここは逃げましょうって言いたいけど……完全に囲まれちゃったわ」
ハル「大丈夫です。私が全部何とかします」
魔物?「貴様一人でこの数を相手にするのか?面白い」
初花「無理ね。あなたがいくら強いといってもこの数は無理」
ハル「じゃあどうするんですか!」
初花「ごにょごにょ」
ハル「そんな……っ、いいでしょう。あなたがそこまで信頼しているのなら私も信じてみます」
魔物?「何こそこそしてんだ!やっちまえー!」
雑魚「うおーー!!」
ヤタカ王国宮殿内 PM.03:00
一哉「おいしかったぜ、じゃあな」
ユキ「待てコラ」
一哉「断る」
レイニー「断ることを断らせてもらいます」
一哉「なんでだよ!」
レイニー「また探して来いとか面倒なので」
ユキ「別にいいじゃない、ゆっくりしていけば」
一哉「そんな暇はねぇ!俺は仲間を探さなきゃいけないんだ!」
ユキ「ふぅ、とりあえずご飯代代わりに一つお願いを聞いてくれないかしら」
一哉「なんで?」
ユキ「私の妹を迎えに行ってほしいの」
一哉「やだよめんどくせぇ」
ユキ「ここから西に向かっていけば隣の国あたりで会えるはずよ」
一哉「そうか、断る」
ユキ「最近物騒でねぇ、見たこともない魔物がいっぱい暴れまわってるのよ」
一哉「そうなのか知らなかった」
ユキ「あの子もそれなりには強いけど心配で心配で」
一哉「で?」
ユキ「私は私でこの国を守らないといけないし」
一哉「そうか」
ユキ「だから貴方ぐらい強い人に妹を迎えにいってもらって無事に戻ってきてほしいの」
一哉「断る」
ユキ「レイニーも一緒に行くから」
レイニー「まぁ、ハルさん迎えに行くならいいですけど」
一哉「俺には何のメリットもない!」
ユキ「タダ飯食らいじゃない」
レイニー「あきらめましょう」
一哉「ちっ、しゃーねーなー。行ってやんよー」
ユキ(うっぜぇ……)
一哉「マッハで行くぜ!」
レイニー「ちょ……うわああああああああああああああ」
ユキ「いってらっしゃーい」
グルトン王国 PM.03:45
ハル「くっ、もう護封壁がもたない!」
初花「有紗ちゃんの周りだけにもう一度作っておいて、ここからは戦うしかないわ」
ハル「そうみたいですね」
魔物?「フハハハハハハハハ!!!」
初花「てぇーい!」
雑魚1「ぶべらっ」
ハル「てりゃー!」
雑魚2「へぶしっ」
魔物?「ほぅ、出てきたか」
初花「とりゃー!」
魔物?「聞かぬわ!」
初花「きゃあっ!」
ハル「おりゃー!」
魔物?「無駄無駄」
ハル「きゃん!」
雑魚3「ぐへへへ、なかなか可愛いじゃねぇか」
雑魚4「俺たちで好きにしていいんだよな?」
魔物?「ああ、好きにしろ」
ハル「うわーやられるー」
初花「きゃーエロ同人みたいにされるー」
雑魚5「なんだこいつら……」
初花「なーんちゃって」
雑魚3「うぼぉ」
雑魚4「げふぅ」
雑魚5「ほげぇ」
ハル「一気に決めます!」
ハル「シャイニングストライク!!」
魔物?「ふん!」
ハル「えっ……」
初花「ハル!危ない!」
ハル「きゃあああ」
魔物?「ククク、俺には魔法は通用しないんだよ」
ハル「そんな……なんで……」
初花「てりゃああああああ!!」
魔物?「かゆいかゆい」
初花「うわっ!」
魔物?「ただの人間が俺に勝てるわけがないだろう!」
初花「……そうね、所詮私は一般人」
初花「でも時間稼ぎはできたわ」
一哉「きゃっはああああああああああああああああああああああ!!!」
雑魚84「ボ、ボス!何だか知らないけどすごい勢いでやられてます!」
雑魚167「俺たちももう持たな」
雑魚298「助け」
魔物?「なんだ!?どうした!?」
一哉「よっ、初花。あれ?有紗は?」
レイニー「ハァハァ……あ、ハルさんお久しぶりです」
ハル「え?レイニー?え?」
初花「ようやく合流ね。まぁ日付も変わらないうちに会えてよかったわ」
魔物?「なんだ貴様!」
一哉「あ、どうも。雲居一哉と言います。このたびは有紗と初花がお世話になったようで」
初花「違う違う、こいつは敵」
一哉「なんだって!?ちくしょう!騙された!ぜってぇ許さねぇ!」
レイニー「とりあえずこの場は彼に任せましょう」
ハル「いいのでしょうか……」
初花「いいわよ」
一哉「野郎!ぶっ殺してやる!」
魔物?「ふん、やれるものならやってみ「シャイニングストライク!」ぐああああああああああああ!!!」
一哉「やったぜ!」
初花「これはひどい」
――ヤタカ王国宮殿内 PM.03:45
ユキ「あのキチガイに任せてみたけどやっぱり不安ね」
ユキ「強さはまぁ……申し分ないのだけれど」
??「心配ないさ」
ユキ「どなたかしら?」
はる「どうもどうも、はると言います」
ユキ「へぇ、私の妹と同じ名前ね。で?どうやってここまできたのかしら?」
はる「普通に玄関からお邪魔しましたよ」
ユキ「変ねぇ……ちゃんと兵士は配置してたはずなんだけど」
はる「そうですね、いっぱいいましたね」
ユキ「ふぅん……」
はる「おっと!いきなり攻撃するなんてどうしたんですか?」
ユキ「気に入らないわ」
はる「そうですか」
ユキ「消えなさい」
はる「残念です。話し合いできると思っていたのに」
ユキ「なに!?私の魔法を掻き消した!?」
はる「さようなら」
マリオカートはいまだにDSでやってます。