ヒステリック・サイン
すげぇ、すごい、でけぇ
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文(最初に私はとある小説投稿サイトにあふれているようなチートさせるほど優しくないと言ったな。あれはどうやら嘘になりそうだ。うん、まさか適当な身体強化、魂の具現化と絆の力で邪神相手に無双するとは思ってなかった。なんだあのキチガイども)
――学校の屋上 5月1日 AM.09:25
一哉「また学校かよ」
有紗「廃校じゃないようだけどね」
一哉「つーか異世界がまだあるなんて聞いてないぞ!」
文(そりゃあ言ってないからね)
一哉「言っとけよ」
文(だって説明してるときに君、『へぇ』しか言わないから聞いてないものだと思って面倒くさくなったんだもん)
一哉「聞いてなかったけど言っとけよ」
有紗「さっきから何と喋ってるの?幻影でも見てるの?」
一哉「え?お前これ聞こえてなかったの?」
有紗「何のことだよ。さっさと説明しろよ」
一哉「つーかてめぇも俺にしか聞こえてないんだったら言えよ」
文(聞かれなかったしぃ?)
一哉「俺が話している相手は生き返らせてチートっぽい能力をくれて異世界に送り込んだ神様みたいなやつなんだ」
有紗「へぇ、そうなんだ」
文(別に神様じゃないけどね。ただの慈乃文だよ)
一哉「そんなことはどうでもいい!」
一哉「もしかしてまだ異世界はあるのか!?」
文(せやね)
有紗「対話してるんだろうけど見た目が一人で叫んでる危ない人なんだよなぁ」
文(まだまだ世界はたくさんある。その世界の物語を終わらせていくのが君の役目だね)
一哉「物語を終わらせる?」
文(君に与えた力は物語を進めるために必要な力だってこと)
一哉「そうなのか!わからん!」
文(いずれわかるさ、いずれね)
一哉「おい、まだ話は終わってないぞ!」
有紗「で、なんだって?」
一哉「物語を進めて終わらせるとかなんとか」
有紗「なるほど、わからん」
文(その時、屋上につながるドアが開いた)
一哉「誰だ!」
女「!?……こっちが聞きたいわ。どう見ても高校生じゃない人が学校の屋上にいるなんて」
有紗「今授業中じゃないの?」
女「私はサボタージュってやつよ。というかあなたたちは何なの?不審者?通報したほうがいい?」
一哉「俺たちは異世界人だ」
女「そう……パトカーじゃなくて救急車を呼んだほうがいいわね。黄色いやつ」
有紗「待ちたまえ」
女「待てと言われて待つ奴はただのバカよ」
一哉「わかった、順を追って説明しよう。まず俺の名前は雲居一哉だ」
有紗「私は天城有紗」
初花「そう……私は三月初花よ」
一哉「とりあえず携帯をしまって話を聞け」
初花「どうしてあなたが命令できるのよ」
有紗「いいから黙って話を聞けよクズ」
初花「おお、こわいこわい」
有紗「私たちが異世界人であるという証拠を見せよう、一哉」
一哉「ほあっ!」
初花「光の塊……?」
一哉「これをこうしてこうすると」
初花「剣になった」
一哉「そして収納」
有紗「どう?これで信じてくれる?」
初花「ふむ……なかなか面白そうね。いいわ、信じてあげましょう」
一哉「やったぜ!」
初花「詳しい話をじっくり聞きたいわ。近くの喫茶店でも行きましょ」
有紗「そうね」
一哉「やっぱ特殊能力があることを提示するのが一番簡単なんだな」
――学校近くの喫茶店 AM.09:49
初花「私はアイスコーヒー。あなたたちは?」
一哉「エナジードリンク」
有紗「青汁」
店員「かしこまりました」
初花「置いてあるからってよくそんなもの頼めるわね」
初花「……そういえばお金はあるの?」
一哉「異世界人だぜ?持ってるわけねぇじゃん!」
有紗「そうだよ(便乗)」
初花「……持ち物を全部出しなさい」
一哉「えっ?」
有紗「えっ?」
初花「出しなさい」
文(机の上には財布と携帯電話が2つずつあるよ)
初花「ふぅん……ちゃんとお金持ってるじゃない」
一哉「これって使えるのか?」
初花「使えるんじゃない?見た目は私たちの使ってるお金と同じだし」
有紗(チッ……無銭飲食もここまでか)
初花「ま、自分の分は自分で払いなさいね」
一哉「ちぇー」
有紗「けちー」
店員「おまたせしましたー。ごゆっくりどーぞ」
初花「さて、異世界ってどんなところなの?興味があるわ」
一哉「んー?別に……俺たちの世界は怪人が町が爆発させるまで普通だったな」
有紗「六花の世界も邪神がでてくること以外はここと変わらない普通の世界よね」
初花「六花の世界って?あなたたちのいた世界以外にも異世界があるってこと?」
一哉「まぁ、そうなるな。まだまだ世界はたくさんあるとか言ってたし」
有紗「ちなみに六花の世界っていうのは便宜上ね。そこで知り合った女の子が富樫六花っていう名前の子だったから」
初花「ふーん、異世界ってそんなにあるのね」
初花「どんなことをしてきたのかも聞きたいわ」
有紗「一話から四話参照」
一哉「短い間にいろいろあったもんだ」
文(それって……もっと話数が進んでからいうことじゃないかな)
初花「いいわねぇそういうの。退屈しなさそうで」
有紗「変化ばかりするのも疲れるっての」
一哉「楽しいっちゃ楽しいけどな」
有紗「つーかなんで私って巻き込まれてんの?」
一哉「成り行き」
有紗「てめぇぶっ殺す」
初花「ハイハイ、夫婦漫才はその辺にしてね」
一哉「あ、やっぱそうみえちゃいます?」
初花「いや、正直誘拐犯と幼女」
有紗「あぁん?誰が幼女やねん」
初花「ふぅ、話のお礼に今回は私が奢るわ。その六花ちゃんって子のときみたいにとんでもない値段でもないし」
有紗「きゃー初花姉さん太っ腹ー!」
一哉「確かに腰回りがふ」
初花「一哉君が奢ってくれるそうよ」
一哉「すんませんっした」
――道中 AM.11:03
初花「で、あなたたちはこれからどうするの?」
一哉「予定はないぞぉ!」
有紗「何したら次の世界にとばされるのかわからないし」
初花「そう、じゃあうちにくる?いちいち宿を探すのも面倒でしょう」
有紗「初花姉さんやっさしーい」
一哉「じゃあそうしよう」
初花「遠慮することも時には大事よ?今は別にいいけど」
黒ずくめ1「待てっ!」
黒ずくめ2「くそ!どこに行きやがった!」
男「くっ……」
初花「あら、また手負い」
男「またお前か」
有紗「何?知り合い?」
男「もう俺にかかわるな」
初花「あんたが目の前にでてきたんじゃないの」
一哉「そーだそーだ」
男「ふっ……初花、お前のことは高校生だと思っていたが、こんな娘と夫がいたなんてな。それはコスごふっ!」
初花「変な勘違いはやめてくださるかしら」
黒ずくめ1「こっちから声がしたぞ!」
黒ずくめ2「逃がすな!」
有紗「なんか来た」
一哉「黒ずくめの組織?でもここに見た目は子供、頭脳は大人な名探偵なんて」
有紗「こっちを見ながらセリフを止めるな」
初花「おやまぁまた偶然」
黒ずくめ2「げっ!あのときの女!」
黒ずくめ1「アイツもいるぞ!せっかくだ、この前の借りを返してやる!」
有紗「銃?ここって福岡なの?」
一哉「銃か。そういう戦い方もありだな」
初花「まったく……無抵抗のか弱い美少女に銃を向けるなんてどうかしてるわ」
初花「そうだ一哉くん。あの二人を軽くボコッちゃってよ」
一哉「いいぞぉ!」
黒ずくめ1「なにゴチャゴチャ言ってやがる!死ね!」
一哉「死ねって言ったな!ぜってぇ許さねぇ!」
有紗「私たちは後方に」
男「済まない。君たちを巻き込んでしまって」
初花「いいのよ、たぶんこれは運命ね」
初花「最近は退屈しなくっていいわ」
黒ずくめ2「ひゃあっ!」
一哉「まず一人!」
黒ずくめ1「ちっ……なんだコイツ。どこからともなく槍なんて出しやがって」
一哉「行くでぇぇ!!」
黒ずくめ1「うおっ!危ねっ!」
初花「なんで関西弁?」
有紗「アイツのやり方はノリにまかせてるだけだから」
男「あいつやるなぁ」
一哉「セイッハアアアアアアアア!」
黒ずくめ1「急に剣になった!?」
黒ずくめ1(だが距離をとって撃てる姿勢にさえなれば……)
一哉「次で終わりだ!シャイニングストライク!!」
黒ずくめ1「こういう大技を待っていた!」
一哉「何っ!?」
黒ずくめ1「あばよ」
有紗「ああっ!一哉が撃たれた!」
初花「いえ、彼は大丈夫よ」
一哉「俺はあの瞬間とっさに武器を盾に作り替えて銃弾を防いだのだ!」
黒ずくめ1「なん……だと……!?」
黒ずくめ1(もう銃弾は残ってないか……ここは引くべきだな)
黒ずくめ1「フハハ、なかなかやるじゃないか。その強さを認め今回はこの辺にしといてやろう。まぁ俺が本気出せばお前なんてちょちょいのちょいだからな!」
一哉「逃がすか!」
有紗「武器を銃にした!」
黒ずくめ1「やべっ」
一哉「…………弾丸がでねぇ」
有紗「なんでよ!」
一哉「知るかよ!」
黒ずくめ1「あばよ!」
有紗「あーあ、行っちゃった」
初花「いいのよ、別に倒さなきゃいけない相手でもないし」
一哉「どうして弾丸が出ないんだ?」
初花「何はともあれ、一旦私の家でゆっくりしましょ。彼の手当てもあるし」
男「くっ……済まない」
有紗「そうね」
一哉「あれれ~?あるぇ~?」
トイレに入った時にちらっと確認してくる奴ってなんなの?