デモンズ・チェーン
おぉ……!すげぇ……!
――うどん屋 4月3日 PM.07:42
一哉「ああ!」
有紗「さすがうどん!」
六花「まさかうどん屋で一万円近く使うことになるなんて……」
一哉「うどん」
有紗「さて、これからどうするの?」
一哉「もう日も落ちてるしな」
六花「私は宿に戻」
一哉「そうだな!」
有紗「そうね!宿でゆっくりしたいわね!」
六花「宿代はそちらで」
一哉「異世界人が金なんて持ってるかよ!!」
店長「おいアンタら、店ん中で騒ぐんじゃねぇ!」
有紗「黙ってろ」
店長「…………」
六花「いや、もうお金な」
一哉「あるはずだ!」
六花「これ帰りの電」
有紗「まだ六千円も入ってるじゃないの!」
六花「ちょっとま」
有紗「よし、宿に行きましょう」
六花「…………うん」
文(これはひどい)
――店を出て宿に向かう道中 PM.07:56
骸骨「カタカタカタカタ」
化け物「グルルルルル」
有紗「なぁにこれぇ」
六花「あれは骸骨騎士と食人鬼!」
一哉「知っているのか六花!?」
六花「邪神の使い魔だ。しかしこんなに大量に出てくるなんて……」
六花「このままでは町の人が危ない。私と一哉でこいつらを殲滅するぞ!」
一哉「ああ!」
有紗「頑張ってねー」
六花「はあああ!罰する鎖!」
有紗「おぉ、かっこよく振り回すだけで周囲のグールと骸骨を蹴散らしている!」
一哉「せっかくだから、俺も何か技名とか叫びたいな」
一哉「シャイニングスラッシュ!」
有紗「普通の斬撃!」
一哉「こういうのは気分なんだよ」
有紗「だからなんだ?……いやいい、そうなのか知らなかった」
六花「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
一哉「おりゃああああああああああああ!!」
有紗「だいたい倒したね」
一哉「ああ!」
六花「まだ何か来るぞ!」
怪人「うあおおおおおおおおおおお」
???「下等な人間どもに恐怖を!」
六花「なにあれ!」
有紗「あの人型のは私たちの世界でも見た」
一哉「でもアレ日本語喋ってねぇから頭悪そう」
六花「そうか」
有紗「とりあえずぶっ殺してきなさいよ」
一哉「ああ!」
六花「そうだな」
怪人「うあうあうあ」
一哉「死んどけ!」
???「なんだ貴様ら!」
一哉「うるせぇ!死ね!」
六花「私は闇の戦士、富樫六花!いざ、参る!」
ニャル「なんだか知らんがこのニャルラトホテプである私に挑んでくるとは」
六花「ニャルラトホテプだって!?」
一哉「なにそれ」
六花「邪神だよ」
一哉「そうかお前が……ぜってぇ許さねぇ!」
ニャル「ふぅん、人間ごときがこの私に勝てるものか!」
六花(なにかがおかしい……あれは本当にニャルラトホテプなのか?)
六花(もっと奴は狡猾で卑劣で姑息な性格なはず……」
一哉「くらえ!シャイニングスラッシュ!」
ニャル「フン、そんなものなのか異界人の力は」
一哉「ああ、そうだよ!なんか文句でもあんのかよアンタは!!……って、え?なんで俺が異世界から来たって知ってるんだ?」
六花「なにかがおかしい」
ニャル「知りたいなら教えてやろう」
一哉「聞いてもないのに喋りだしたぞ」
六花「聞いておいて損はないから聞いてあげよう」
ニャル「貴様が先ほど爆発四散させた怪人を私にプレゼントした奴がいてな、そいつに貴様のことを聞いたのだ!」
一哉「そうなのか!」
六花「よくわからない」
一哉「とりあえずこいつをぶっ殺して焼いて食えばいいんだ!」
六花「いやそれはおかし」
ニャル「私はそんなに簡単に倒せんぞぉ!」
六花「もういいや。罰する鎖」
ニャル「こんなもので私を拘束したつもりか?」
一哉「俺が攻撃する!」
ニャル「遅い!」
六花「ああっ!私の罰する鎖がバラバラに……」
一哉「そして俺の攻撃を交わして反撃ぐほぁ!」
ニャル「フハハハハハハハハハ!!」
有紗「うっせぇ!」
ニャル「いてぇ」
六花「有紗さん!?」
一哉「いつの間に……」
文(ここで君に与えた力の説明をしてあげよう)
一哉「えっ?まだなんかあったの?」
文(君の力は魂や心に関係するものなのよ。つまり友情や絆も力にできるのさ)
一哉「そうだったのか!」
文(あと剣以外にも何か形作ってみたら?)
有紗「何を一人でしゃべってるのか知らないけどさっさと終わらせて休ませてよ」
一哉「六花!友情の力だ!」
六花「……??」
一哉「俺とお前でオーバーレイ!」
六花「何のことだ!まるで意味がわからんぞ!」
一哉「とりあえず呼吸を合わせるんだ」
六花「うーん、まぁやってみよう」
一哉・六花「「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」
ニャル「なんだこれは!?」
ニャル「なんだこれ!」
六花「罰する鎖改め悪魔の鎖」
一哉「さっきとは強度が違うぜ」
ニャル「ぐぬぬぬぬぬけねぇ」
六花「この強度は私たちの絆の強さ!」
一哉「決してちぎれはしない!」
有紗「すげぇ」
ニャル「ふっざけるなぁ!この私が人間ごときにぃ!」
一哉「そう、俺の能力は剣を作ることじゃねぇ」
一哉「魂を好きな武器にすることだ!」
有紗「光が巨大な斧になった!?」
一哉「行くぜぇ!シャイニングストライクううううううううううううう!!」
ニャル「ぐえああああああああああああ!!」
文(ニャルラトホテプは爆発して木端微塵。焼いて食うことはできないね)
――宿前 PM.08:35
有紗「あー疲れた」
一哉「すげぇ疲れた」
六花「さすがに私も今回は疲れた」
有紗「まぁ今から宿でゆっくりできるんだけどね!」
一哉「ああ!」
六花「…………」
文(さすがに六花ちゃんがかわいそうだからね、今すぐ次の世界に飛ばすよ)
一哉「えっ?次の世界?」
有紗「うっ……また眩暈が」
一哉「他にも異世界あるのかよぉおおおおおおおお!!」
――宿内 PM.09:00
六花「夢じゃない……よね」
六花「あの二人は本当にいて、邪神を倒した」
六花「そこには私も必要で……」
六花「ふふっ」
えっ……呉島主任!?