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闇の誘惑

まったく、わけがわからないよ

 ――洞窟入口


初花「つけられていたのかしら」


レイニー「そのようですね」


勇者「おいおい……それにしても準備が早すぎるぜ」


兵士1「貴様らが魔王に寝返った勇者か!」


兵士2「あの王の言ったことは本当だったのか!」


初花「なるほど。準備が早いんじゃなくて、業を煮やした他国の兵士が来たところに情報を与えたってところね」


勇者「つまり……一国どころじゃないと?」


レイニー「それはここからの行動次第ですね」


初花「やぁやぁ諸君!出迎えご苦労!魔王など軽くひねりつぶしてやったわ!ハハハハ!」


勇者「何言って」


兵士3「どういうことだ?」


兵士4「デタラメ言って俺たちを動揺させる気だ」


レイニー「デタラメかどうかはこの洞窟の奥へ行って確認してみるといいです」


兵士5「俺が中を見てくる。お前らはこいつらの監視を」


初花「いってらっしゃ~い」


勇者「おい、どうするんだよ」


レイニー「大丈夫ですよ。あの人が自信満々ですから」


兵士5「中に大量の魔物の死骸が転がってるぞぉ!」


初花「さすが兵士、早いわね」


兵士3「なんだって!?」


兵士1「魔王の仲間が魔物をわざわざ狩るはずがない……済まなかったな。君たちは敵ではなかったようだ」


初花「いえいえ」


勇者「うまくいきすぎだろ……」


レイニー「うまくいくようにできてるんですよ。きっと」


 ――お城


王様「なんじゃと!?隣国の兵士は引き上げてあのガキ二人と勇者が戻ってきたと申すか!」


側近「はい、そのようです」


王様「キサマ!ちゃんと共倒れになるように話を作れと言っただろう!」


側近「そのつもりでしたが……」


王様「まぁいい……戻ってきたところでまた反逆者に仕立て上げれば……」


初花「今こそ革命のとき!反逆の翼翻せ!」


レイニー「研ぎ澄まされし反逆の牙!すべてを砕け!」


勇者「なんだってんだよ……」


王様「な、なんじゃお主ら!もう戻っておったのか。ホホ」


初花「いけませんねぇ~王様ぁ~。人の上に立つ者がそんな考えじゃ」


レイニー「今回は私の番です。あなたの悪事はまるっとお見通しだよ!ぜってぇ許さねぇ!」


勇者「ダメだ。こいつらのノリについていけない」


王様「一体何のことじゃ?適当なことを言ってわしを陥れるつもりじゃな!兵士よ!奴らをひっとらえろ!」


兵士「ハッ!」


レイニー「ライトニング・ディスオベイ!」


初花「ブレイブクロー・レボリューション!」


兵士「ぐふっ!」


初花「魔王も倒しに行かず、のうのうと暮らしてる兵士ごときが勝てる相手じゃないんだよ」


レイニー「流石です。初花さん」


王様「な、なぜこのようなことをする!」


初花「自分の胸に手を当ててよ~く考えたらいいんじゃないですか~?」


王様「ひ、ひぃ!誰か!誰か助け」


レイニー「残念ですが、すでにこの城は私たちが制圧しています」


王様「そ、そんな」


勇者「街の人にもあんたの悪行は知れてる。観念しな」


王様「ふ、ふふふ……こうなったら最後の手段じゃ!」


勇者「これって召喚魔法陣じゃね!?」


王様「ゆけ!フェンリル!」


レイニー「神レベルの魔物!?」


初花「え、あのでかい狼そんなヤバイ奴なの?」


レイニー「少なくとも私の知るフェンリルはヤバイです」


王様「ハハハ!これでお主ら地獄行き!わし無事!じゃあな!」


勇者「待ちやがれ!」


フェンリル「グルルルル……」


勇者「くそっ!」


レイニー「これほどの魔物を使役する実力がありながらなぜこのようなことを……」


初花「どうでもいいわ。このでかい狼は私たちで何とかするから、勇者さんはあのクソ国王を追って」


勇者「こんなのを女の子に任せられっか!」


初花「いいから行け」


勇者「ハイ、サーセン。……死ぬなよ?」


初花「私が死ぬわけないじゃない……とは言っても、このピンチで駆けつけてくれない一哉(アイツ)が来るかどうか、賭けるのはやめたほうがいいわね」


レイニー「なんで彼をそこまで信頼してるんです?私たちの世界でもハルさんと待ってたんでしょう?」


初花「別に。私を助けてくれるヒーローだって、そんな気がしてるだけよ」


レイニー「自分勝手なヒロインですね」


初花「地球は自分を中心に回ってると考えた方が楽しいわ」


フェンリル「がおー!」


レイニー「今回は私がヒーローですか!シューティング・ルビー!」


初花「ゴメンネ戦えなくて」


レイニー「いいから安全なとこに!」


初花「見てるだけじゃ面白くないわ。それに、戦えなくたって囮や時間稼ぎくらいはできますぅー」


レイニー「バカ!やめなさい!」


初花「守る身が辛いかね?守られる身が辛いかね?」


フェンリル「ぎゃおー!」


初花「私は……足手まといで居たくない!」


フェンリル「がおー!」


レイニー「だからって死なせませんよ!まだ恩返しもしてないのに!」


初花「ちょっと、おろしなさい」


レイニー「お断りです!」


初花「この状態でいつまでも逃げられるわけないじゃない」


レイニー「逃げ切ります!」


フェンリル「ぎゃおー!」


レイニー「あ、」


初花「なんで行き止まりに逃げ込むのよ」


フェンリル「がおー!」

ぬるぽ

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