◆◆◆汎用TRPGルールブック(あるいは、生成AIをGMにするためのプロンプト)
シンプルでさくさく遊べるものができたので、こちらで共有することにします。
生成AIをゲームマスターにして、テーブルトークRPGをチャットで遊ぶためのプロンプトです。
スマホでポチポチ遊んじゃえます。
遊び方は簡単です。
あなたのお好みの生成AIチャットボットに、新しいチャットとして、この下に載せているプロンプトを入れれば、それでOK。
あとは簡単な質問に答えたら、すぐにゲームを始めてくれます。
使う生成AIは、基本なんでもOKです。無償版でも、相当レベルの高いプレイをしてくれます。
(手軽でお勧めなのはGrok、わたしの好みだとClaude、べつにGeminiやChatGPTやQwenやkimiでも出来なくはない、という感触でした。詳しくは後述しますね。)
主人公となるプレイヤーキャラクターを適当に日本語で伝えるだけで、キャラに合わせた世界観を、勝手に生成してくれます。
剣と魔法のナーロッパでも、東京に生きる妖怪ハンターでも、恒星間運送業者でも、お江戸の隠密同心でも、明治剣客浪漫譚でも、なんでもかんでも、お好みのままです。
行動宣言は、AIがいくつか例を挙げてくれるので、それをピックアップするだけでよいです。選択肢が自動生成されるゲームブックみたいな風情ですね。
もちろん、自由に行動宣言してもOK。台詞のロールプレイやPCの心理描写などと合わせて、プロンプトで返してあげれば、AIのGMが拾ってくれて、判定や伏線に活かしてくれたりもします。
同じ世界観で、連続するシナリオを、キャンペーンとして長期間、遊ぶことも可能です。(それができるようなルールを仕込んであります。)
=== 更新履歴 ===
・2026/01/15:初期版として公開
・2026/01/21:「標準値(HP10 / SP6)」を定義
=== プロンプトここから ===
あなたはテキストTRPGのゲームマスター(GM)です。目的は「短い入力でテンポよく遊べる」こと。
以下のルールを優先し、ルール外の創作は“状況描写”の範囲でのみ行う。
# 0. 前提
- プレイヤー(PL)は主人公(PC)の行動を宣言する。
- GMは「裁定→描写→状態→選択肢」を毎ターン必ず出す。
- 曖昧な点は“質問して確定”し、以後は固定ルールとして扱う。
# 1. コアセーブ(毎ターン更新して表示)
- 舞台/目的:
- PC概要(名前・特徴1行):
- ルール固定(PLから確定した裁定や禁止事項):
- HP/SP/Tension:
- 所持品(重要なものだけ):
- 現在の危機/障害(1〜2点):
# 2. ステータス
- HP: 0で戦闘不能(ただし即終了ではなく不利展開へ)
- SP: 強い行動・回避・スキルに使用。0でも行動はできるが弱い
初期値は原則として標準値(HP10 / SP6)を基準に決定し、物語上の理由がある場合にのみ±2の調整を行う。
- Tension: 危機/恐怖/焦り/汚染など。上がるほど不利
Tension段階:
0-4 平常(補正なし)
5-7 焦り(判定-1)
8-10 パニック(判定-2)
11+ 事故イベント発生(強制イベント→Tensionを(半減して切り上げ)。代償としてHP-1またはSP-2)
# 3. 裁定(最小ルール)
- 行動は「成功/部分成功/失敗」の3段階で裁定する。
- 目安: 通常=成功寄り、危機的=部分成功、無謀=失敗寄り
- 不利要因: 段階補正(焦り-1/パニック-2)、環境不利、負傷、時間不足
- 有利要因: 道具、準備、良い作戦、相性の良いスキル
コストの目安:
- 通常行動: コストなし
- 有利を作る/集中する: SP-1
- 強行突破/大技: SP-2(またはHP-1)
- 休息: 移動・探索中のみ可。HP+1とSP+1。ただし状況が動く(敵接近/時間経過など)
# 4. ターン出力フォーマット(必須)
(1) 裁定ログ: 箇条書き最大3行(コストと結果だけ)
(2) 状況描写: 400〜700字、句点ごと改行
(3) 状態表示(固定):
Turn:
舞台:
目的:
HP:
SP:
Tension:
障害:
所持品:
(4) 次の行動候補: 3〜5個(各候補に 目的/リスク/コスト を一言)
# 5. 開始手順(最初だけ)
GMは最初に3つ質問して開始する:
- PCの名前と特徴(短く)
- 目的(例: 脱出/救出/討伐/探索)
- 苦手(怖いもの、弱点、避けたい展開)※任意
その後、スタートシーンを提示してTurn1へ。
# 6. ゲーム終了ルール
- ゲーム終了条件は「目的達成/撤退/敗北/時間切れ」。
- 終了時、GMは「終了種別」「結果要約」「世界影響」「PC影響」を出力する。
- 影響はタグと小さな数値で管理し、「過去のゲーム」に記録する。
- 新たなゲーム開始時、「過去のゲーム」の影響を初期状態に反映する(上限±3)。
# 7. ゲーム終了の後
- GMは必ず「現在地」「世界の変化」「次回フック」を提示する。
- PLが望めば、同一世界で新たな冒険を開始できる。
=== プロンプトここまで ===
すこし解説します。
このプロンプトは、AIの負荷が少なくなるようシンプルに、しかしながら、AIがルールや過去展開を忘れて勝手に暴走しないように、いろいろと仕込みをしてあります。
遊んでみれば分かりますが、AIは毎ターン状況・ステータス・ゲームのゴール等を「コアセーブ」と称して記録し、出力します。
ゲームの遊びやすさを高める(中断しても続きを再開しやすい)というのもありますが、健忘症のAI自身が「あれ、今どこで何してたっけ?」と迷っちゃわないように、という工夫でもあります。
パラメータのうちHP・SPは、書いてあるとおりなので説明不要でしょうが、Tensionはすこし特殊ですね。
名作「クトゥルフの呼び声」のSAN値に近いものです、「何か破滅的なことが迫っている」というのを数値化することで、プレイヤーとGMで緊張感を共有し、AIのGMに展開を作らせやすくしてあります。
ダイスは振りません。全てはGMの裁定で決まります。
あえてダイス振らなくても、生成AI自体が確率論で動く存在です。しゃべるダイスがGMやってくれてる、みたいなものです。
(あるいは、クローズドダイスがポリシーのゲームマスター、とも言えるのかも。こちらがロールプレイを頑張ったら、温情らしきものを示してくれる……気もします。)
世界観を設定するようなプロンプトは入れませんので、PCのキャラに応じた世界観が自動作成されます。
気になる方は、もどかしさを感じることがあるかもしれませんが、そのときはGMに伝えると、よしなに世界観を調整してくれます。
また、AIが自動で作る世界観は、ネットにある大量の情報を元にしますので、最初からそれなりにちゃんとしてます。
(ためしにGrokで『PCの名前と特徴: 名前「最上」来歴「日本帝国海軍の最上型巡洋艦ネームシップ…を基にした艦娘」』と、無茶を承知で入れてみたら、そこそこ解像度の高い艦これ二次創作を作ってくれちゃいました。こちらが一言も書いてないのに、雷と電を連れた艦隊ミッションが始まりました。これは相手が、普段からTwitterをみっちり読み込んでるGrokだったから、かもしれませんが。)
それから、相手はルールブックを読むだけの冷たいマシーンではありません。
GMへの質問としてセッションの裏話を聞いたり、イフのストーリーを再描写してもらったり、このシーンに合わせて即興で挿絵を描いてもらうことすら、出来ちゃうのです。
* * *
今のところ(※2026年1月)おすすめは、Grokです。
X(Twitter)アカウントから無償で使えるのは、手軽でよいです。なんというか、界隈の機微も、言わずともよく分かってくれている様子。また、意外に生真面目に、ルールをきっちり守ってもくれます。
(もしも望むなら、ですが…NSFW、いわゆるR18的な表現に対して、今回ためした中で最も大らかだったのも、Grokでした。)
Claudeは、きっちりGMやってくれますし、応答の中身も悪くないようです。ストーリー構成は、Grokより得意かもしれません。
ただ、同じ無償でも、Grokより利用上限がきついようです。あと四時間待って下さい、と、頻繁に言われちゃう気がします。
Geminiは、時々いいかげんですが、大体そつなくこなしてくれます。また、無料サービスの枠でも、上限に届くことが無かったです。
ただ、Googleアプリとの連携は切っておくほうが良いでしょう。Googleカレンダーに「風系魔法で封印を解除」とかって、勝手に書き込まれたくなければ。
ChatGPTは、このゲームプレイには向かない相手なのかもしれません。
展開が薄く、表現も淡白になりがち。その時のコミュニケーションのほうを優先して(PLを過剰に忖度して)、ルールを勝手に変えちゃうことも多い気がします。この人きっと、頭が良すぎるんでしょうね。
大陸系のAI、Qwenやkimiも、TRPGが何なのかを完全に理解していて、ゲームに付き合ってくれました。むしろ、ルールをきっちり守ろうとする度合いは、西海岸系の子たちよりも高かったかもしれません。(大陸系のほうが、いろいろとレギュレーションが厳しいんでしょうね……。)
どちらも(2026年1月現在のところ)すこし日本語が怪しいのですけど、ふしぎな漢字の組み合わせが、むしろかえって、エキゾチックな面白みを醸し出してくれました。この面白みは、ひょっとすると、発展途上の今しか味わえない愉しみ方なのかもしれません。
じゃ、楽しんで下さい。
(私が自分でやってみたリプレイなど、このあとに載せますので、参考になさって下さい。)
* * *
…ちなみに、このプロンプト自体は、ChatGPTと作りました。
というか、ChatGPTがほぼ一発で作りました。こっちは参考資料を渡して、最低限のツッコミを入れただけです。
そういうところはすごいんです、このひと。
また、この「コアセーブ」の概念ふくめ、基本的な設計思想については、「MaidensnowXXX大魔境」のプロンプトを参照しました。
(参照先プロンプトは激しくNSFWですので、ごめんなさいタイトル表記のみとして、ここからの直リンクは控えます……。)
※2026/01/31 kimiについて追記




