この空の晴天と透明な羽根ですね!
……──ジャラジャラ。
「へへーん、やりぃ。経験値、お金初ゲットー。」
同時撃破ボーナスが少し乗った、EXP111。59ゴールドが手に入る。
そしてレベルアップ1→3(Lv up)
◇────────────◆
・スキル獲得。基本動作『飛翔』
・スキル獲得。攻撃スキル槍【分離変形】
スキル獲得。移動スキル【カウンターワープ】
■《ステータス/上昇》
▫『リリー』《名も無き旅人》Lv3
□―――――――――――――――□
・『HP45→(55)+15』
・『MP80→(90)+10』
・『STR60→(71)+22』
・『INT22→(39)+17』
・『DEX34→(39)+5』
・『AGI25(30)+5』
□―――――――――――――――□
【称号】:はじまりの冒険者
◆───────────◇
「お、意外とスキルドロップするのね。前作よりサクサクそう。……ヌルゲーになったかな? vision社くん。」
「ま、不便が無くなるのはいい事か……」
前作にあたるVRMMOではファンタジー世界を全身で感じて欲しかったのか、Lv10になるまでまともなスキルがドロップせず新米冒険者は不便を強いられていた。
──が。この感じを見るとそれが無くなったように感じる。
少し寂しい。
これもまた、同社の新作ゲームを体験する上でまた楽しいポイントだ。寂しいのと同じ位この作品にも興味が湧いてきた。
「あ、そだ。」
──フィン。
さっき意図的に案内役AIの仕様回りの基本説明をスルーしてしまったので仕様確認に目を通す。
「うし!! まずはスキル使ってみよーかな。えーと。飛翔っ!!」
──ブォン!!
スキル──【飛翔】──が発動される。
「うぉー!! は、羽根が!! ひゃっほー!!!」
カーソルからスキル選択をすると光の羽根が背中に出現する。
クルクルと空を一回転。空を我がものとする感覚がたまらない。
「まーじか!! 直ぐさま飛べちゃうんだねこの種族!! んんっ〜既にもうめっちゃ楽しいかも!」
「おっと、こうしてられない。メールにも書いてたけどベータ版には時間制限があるんだっけ。」
「どれどれ。」
……──ピコン。
ベータ版タイムリミット時間を確認する為に指を弾いてコンフィング画面を出現させる。
『「23:42」』
カチッカチッ。
カチッ。
『「23:41」』
ベータ版が終了する時間はゲーム内時間で24時間。
そのカウント時間が刻まれている。
勿論、このベータ版で稼いだ経験値、アイテム等は1部引き継げるとのアナウンスがあった。
「ふむぅ。まだそんなに経ってないね良かった良かった。よし、レベルも上がった事だしもう少しいい狩場を探すぞっと」
──ビュン!!
獲得した移動スキルによってサクサクとステージを進むことに成功する。
谷や川を進み宝や素材が集まっているであろうダンジョンを探すリリー。このゲームでのダンジョンの入口は次元ポータルの『ゲート』と呼ばれる扉によって管理されている。
メニューバー、ミニマップを選択しタブを開き、マップ上にその次元ポータルが無いか確認する。
……──。
……。
「あった!!! これ…かな?」
なれない羽根を使いこなしながら、空を飛んで谷をまっすぐ進んだ後ミニマップに写っていたポータルのアイコンの上で空中で飛行を一時停止する。
そのまま一気に急降下次元ポータルがあるその場所へと近づいた。
「おぉ?これかこれか……うーん、入っても良いけど一体どこに繋がってんだろこれ……。無理ゲーな難易度のダンジョンだったら困るよー。」
「ま、大丈夫でしょう!! ヤバいダンジョンへの入口だったらもっと分かりにくい所に設置してるはずだし……。わっ!! やば触っちゃった。」
──フィン。
:『次元ポータル入口』
■【火炎取り巻く火の洞窟】
──このダンジョンへアクセスしますか?
・《はい 》・《いいえ 》
「おおっ!! ふふふ。またまた楽しくなってきたー!! よっし!! 行くよっえい!!」
リリーは迷わず《はい》を選択するのであった──。