最新作のクローズドベータ版ですね!
──フィン。
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◇◆◇
────……。
『D・g・o』──ドラゴンゲート・オンラインの世界へようこそ。
身体を取り巻くデジタルカーソルの輪っか視界は青白いグリッドの波に覆われている。
『正常なアクセスを開始するためにキャリブレーション、及びリンクを開始します──……。』
案内用AIオペレーターである竜人の女の子が案内を続ける。
「うぉー!! 当然だけど案内役もちゃんと竜人なんだ!! ふむふむ。なつかしーなーキャリブレーション。滅茶苦茶動くんだっけ? はーい指示どーぞ。」
……──。以上です。
「えっ!! もう終わり?? 数年の技術向上ってスゲー」
分数にして一分足らず、ちょっと手足首頭を動かしただけでキャリブレーションの全てが終了する。
『種族とエリアを選択して下さいそして名前の入力を。』
「はーい!! えーっと ありゃ。2個しかないんだまあ、そうだよねベータ版だし んー!!でもこのハテナマークの多さからして完全版が楽しみだなー!!」
その画面には選択可能な『炎の国』『氷の国』その2つと選択不可の????となっているエリアが10以上存在していた。
──ピコン。
「よぉし!! エリアは炎の国を選択っと。」
属性からして面白そうで好戦的なモンスターが居そうなそちらを迷わず選択。
『これより、キャラメイクに移ります種族を選んで下さい──……。』
『種族一覧』《▫ 選択》
◇───────────◆
・ヒューマン
・ヒュービースト
・イマジニスト
・アンドロメイト
・ダークエルフ
・フェアリル
・亜竜人
・魔族
・天使
・以下未実装【???】
◆───────────◇
「おぉ、新しい種族沢山増えてるねー。フェアリル……妖精? こんなの前なかったなあ よぉし!! 思い切ってこれで!! どーせ後から変えれるよね!」
──フィン。
──ピコン。
即座に新種族『フェアリル』に決定。
「次は、っと。キタキタキタ!! 次はキャラのガワ!! もちろん……髪型はおさげツインテール!! うん!!可愛い!」
2次元でしか有り得ないような足元につきそうなくらい長い長髪のおさげツインテールを選択。髪色はピンク。
これの組み合わせが彼女のゲームでのいつもの姿である。所謂固定キャラメイク。
──シュウウン。
キャラメイク画面でその組み合わせの姿を設定すると一瞬で姿形が設定したものへ変化する。
「んー〜っやっぱこれだよねー! うへへ……もうたのじい……。」
キャラメイク、これもまたVRMMOの醍醐味である。
視覚的な楽しさと彼女の変身願望であるその姿へ一瞬にして姿を変えその願望を叶える。
「おおフェアリル。この新しい種族、おもしろーい。当然だけど色んなタイプがあるなぁ……。」
「わっ──……!? これにしよ!!」
種族、一覧にある型 『モフりテール』を選択。ふわふわでモフモフなちょこんとしたしっぽが生えてるタイプのフェアリルボディである。
「うんうん!! めちゃくちゃ理想の姿になった!! いーよこれ、うん。んーっ早くモモにも見せたいなあ」
ふわりと揺れるモフっとしたシッポをみながらくるりと一回転。
中々に個性的であり、彼女のキャラメイクセンスが光に光る。
ひと目で彼女だと分かるユニークな仕様だ。
大量の人が行き交う大広場でもこれなら大衆に埋もれることは無いであろう。
「えーっと。あとはステータス……か。」
「うーむ。この時点であんまイジれなそうに無いなあ……。まあいいや、なるったけSTRにガンぶりしとこ。」
──ヴィーーン。
ステータスの割り振りポイントゲージいっぱいに引っ張る。結李が言っていた通りいじれるポイントは30と割振り幅が少ないのである。前作で比べるとあちらは150位初期値を割振る幅があったのだ。
「おっけおっけ、もう終わりかな?っと、名前名前……。も・ち・ろ・ん!ユーザー名は『リリー』っと!!」
「おっけ!! じゃあ冒険に出発!!!」
早く、早くと心の中で打ち震える神名月結李ことリリー。
「 ありがとうございます。正常なリンク、キャラメイクが完了しました。これより『ユニオン・テイル』の世界へフルダイブを開始します。」
「おっけー!! んー!!わくわくする!!」
──フィイイイン。
Dgoの世界『ユニオンテイル』との接続が開始する、リリーはその世界へとフルダイブを開始する。