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不屈の精神

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

一番とったことないからこそ、折れることには慣れてるんですよ。

私の相方は所謂天才と呼ばれる部類に入る輩だった。大抵の事は一見しただけで人並み以上の理解を示し、人並み以上に出来てしまう。

だからこそ皆彼と触れ合うのを拒んだ。嫌がった。どれだけ頑張っても彼に追い付く事は出来ず、自分の不甲斐なさを容赦なく見せ付けられる。其れは若人の、まだ柔らかい果実のような心を抉るには十分過ぎる程の威力だった。ただ一人。私を除いて。


俺の相方は所謂凡人と呼ばれる部類に入る輩だった。大抵の事は人より時間を掛けて理解する。皆が理解する様な事でも二倍の時間を掛けて理解する。

だからこそ皆彼女の事を何処かで嗤っていた。舐めていた。出来ないなら出来ないなりに出しゃばる真似をするなと、若人特有の傲慢性が精神を抉っていた。ただ一人、俺を除いて。

下から見上げる景色と言うのは、どれも同じに見えるらしい。孤高と囃されて虚無に成れ果てた俺も、俺に破れて散っていった同期も、何方も『格上』と認識しているらしい。

そのせいだろうか。彼奴だけはどんな目に合わされても、絶対に俺の傍を離れなかった。必死に歯を食いしばって、自分で研いだ拙い(なまくら)で、必死に食らいついてきた。

――私は出来損ないだって分かってる。でも……だからこそ心が折れるのは慣れてるし、皆に置いてかれる経験だって何度もしてきた。

貴方には到底及ばないけれども、貴方を大舞台に立たせる為の露払いや、引き立て役ぐらいにはなれるんだよ。

光のない目を思い出す。幾度となく地面に叩き付けられて、もう光を映さなくなった目だ。それでも残された擦り切れた精神だけで前を見る。掴んだ手を離さない。

だからこそ、こんな質問を投げ掛けたくなった。

「……もし俺が無能として振る舞い、物語終盤になって其れを明かしたら、お前の心は折れていただろうか?」

「えー……分からない。君の性格的にそんな面倒臭い事しないだろうから、尚のこと分からない。

でもさ、働き蜂の方法なんてものがある様に、お金のある人、能力のある人が経済やら世界を回している訳で、そう考えると、私の立ち位置はあんまり変わらないんじゃない?

……お揃いで無くなるのは多分苦しいと思うけどね」

その言葉を聞いて、周りがどれだけ変わっても、きっと彼女の精神は影響されないと思った。彼女は恐らく、上を見て食らいつく事に重きを置いてる。其れは例え俺であっても奪う事は出来ない事だ。


オマケ

「貴方に負けるのは仕方の無い事だって、早々理解出来たから、折れないよ。私……そこまで自惚れてないよ」

「貴方にだって楽しむ権利がある。だから手を抜いて私と互角にやり合おうとしても、文句は言えないかな。……そうなる事の無いように、マシな自分になる様に努力はしてるけどね。

……手ぇ抜いても良いよ?」

生まれてこの方一番とった事がないんですよ。

取れそうに思った時には、天才の転校生が掻っ攫うという、漫画のような過去があります。


※これは実話です。


だから折れる事は慣れてます。

置いていかれて闇落ちする気持ちはちょっと分からない。私にとっては日常だから。


天才に唯一食らいついて、傍に居られるのは?

と考えた時に、不屈の精神持った出来損ないだと思ったんです。


出来損ない故に、下から見える気色はみんな凄いものに見える。

学年順位最下位からしたら、一位も十位も変わらない。何方も凄い。

その上、折れる事に慣れていて、誇りも粉砕骨折されているから、しがみつけると思ったんです。


でも頑張っても本番前の露払いとか、引き立て役にしか慣れないと思います。

それでも、『出来損ない』とレッテルを貼られた彼女からしたら、大き過ぎる名誉ですよ。

そんな話も見たいですね。

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