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第一幕 第四場 いざ、城下へ
第一幕 第四場
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同日
トルーデンの自室 トルーデンとレードル
トルーデン
さて支度だ、それ支度!城下を歩く。頼むぞレードル。
レードル
かしこまりました。今すぐにでも。
レードル
アヒルの子はアヒル、であらば白鳥の子は、、、
トルーデン
何をぶつぶつ言っている?いやに聞き分けが良いな。これはいつものことか?
レードル
私がおります。
トルーデン
歯切れの良い一言!ああ、お父上もこれを習ってはもらえぬだろうか。レードル、そうは思わぬか?
レードル
白鳥にござりますから、いずれのことでございます。
トルーデン
何を言っておるか判らぬが。まあ良い。さあ、準備をしたら城下へ急ぐぞ。
レードル
従者を何人か、向かわせますゆえ、ご承知を。勿論腕利にございます。邪魔は致しませぬ、少々遠くより、物見のようなものにございます。では向いの衣装部屋へ。ぼろ布に偽髭に、しまいには泥に塗れていただかなくてはなりませぬ。
(トルーデン、レードル退場)