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短編とかその他

天秤の王国

作者: リィズ・ブランディシュカ



 それは、思い出せないほどとっても昔の話。

 むかし むかしの。

 そのまた昔。


 誰もがわすれてしまった。とある国の話。





 大きな大きな、一つの国がありました。


 人々は皆しあわせ。

 町は笑顔で溢れてる。


 天国みたいな国でした。

 

 その国について述べる時は、誰もが言います。


「素晴らしい国だ」


 なにしろ。

 悲しみも、不幸も存在しない国ですから。


 でも、それにはからくりがあったのです。


 自然にそうなったわけではありません。


 その国にある、不思議な宝物。

 

 一つの天秤が働いていたからです。


 その天秤は、幸福と不幸の天秤を操作する事が出来る物。


 だから、天秤を一方に傾ければ、幸せだけが増えていく。


 その国は、運命すらも人の手で操る事ができました。


 それを知った多くの人は「素晴らしい」と、思います。


 けれど、国は長く続きませんでした。


 何かをはかることのなくなった天秤は、天秤でなくなってしまったため、消失してしまったのです。


 その瞬間に、幸福と不幸の量が調節できなくなってしまいました。


 そると、不幸になる人間が増えていくばかり。




 それは、思い出せないほどとっても昔の話。

 むかし むかしの。

 そのまた昔。


 誰もがわすれてしまった。とある消えた国の話。


 幸せであった分だけ、その天秤の国は不幸に襲われて、


 やがて消え尽きてしまいました。



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