Rap1093-えっ、頭痛、嘔吐、呼吸困難 キノコ中毒?4-2
Rap1093-タムラ先生夜間外来総合
Rap1093-えっ、頭痛、嘔吐、呼吸困難 キノコ中毒?4-2
典子もう気持ちは軽井沢の空・・・・、
空気を、水を感じ・・・風を・・・・、
今の季節って、もう寒いのかな・・・
服はどうしよう・・?
“このスカート少し派手かな・・・”
避暑地の服装、相当雑誌で研究しているのに・・・
典子自身読者モデルとして、TGC(東京ガールズコレクション)に、
何度か出演している。
そんな典子でも軽井沢での服装に悩んでいる。
旧軽銀座の人ごみ、風景はTV等で見ている、何度も・・・
そこで注目を浴びるファッション、眼を引く格好・・・
私気づかれてしまうのだろうか・・・?
気づいてくれるのだろうか・・・・・
ちょっと待った・・・違う、
勇哉と素敵な避暑地での生活が・・・目的なのだ。
別荘での食事は、二人きりで、そう・・・
私の手料理を勇哉に・・・うん頑張る
食料の調達は、現地で十分大丈夫だと勇哉が言っていた。
でも調味料は・・私が使う、そう・・・・
ヴィネグール(vinaigre)お酢、
エストラゴン(estragon)香草
エルブ(herbe)香草、オゼイユ(oseille)香草、
キュマン(cumin)カレー粉の原料にもなる香辛料、
グラス・ド・ヴィアンド(glace de viande)
フォン・ド・ボーを煮詰めたもの、クルー・デュ・ジロフル(clou de girofle)丁子の花の蕾を乾燥させたもの、等
探すの、大変だろうから、前もって用意しておこう。
ああ、想像しちゃう、勇哉私の手作り料理喜んでくれるかしら・・・・。
“あいつ、そんな事出来たのか?”
典子の空想は果てしなく膨らむ・・・
二人を乗せた高級車は首都高を過ぎ、関越自動車道を走る。
気圧の関係で少し耳がキンキンしだした。
勇哉は典子を午前6時丁度に、
彼女のマンションの前で乗せた。
事前に約束していた二人。
勇哉は車を止め、典子の荷物に少し苦笑してしまった。
「ねえ、典子・・・今日軽井沢だよね?」
「そうよ、念願の軽井沢・・・よ!!」
「それで、何泊の予定だっけ?」
「もう・・・!」
「勇哉・・・・女はね・・・色々とあるの!!」
「そうか・・・よし!」
そう言って、勇哉は車から速やかに降り、
トランクルームに典子の荷物を素早く入れた。
関越自動車道は、殆どフリーウエー
(車の数が少なく自由に走れると言う意味で)状態だ。
制限速度を守り、目の前に正三角計の底辺を、
その上には頂点からシンメトリックに伸びたワイヤーが、
両サイドにかかった橋を安定するためにしっかりと固定している。
その橋を渡るともう既に軽井沢の空気だ。
以前両親と勇哉は、この道路が出来る前に父親の運転で、
かなりスリルのある碓氷峠を越えた記憶が蘇って来る。
特に、耳がキンキンし出すと、寝ていてもその痛みで起きてしまう。
あれから何度か勇哉は、父の運転でこの軽井沢の別荘に来た事がある。
しかし、今は違う。
都心から少し離れた大学キャンパスの密集する中央線沿線の、
誰もがああ、あの・・・と言われた大学を卒業。
会社で仕事が楽しい盛りのそんなある日、
典子とは大学の友人の主催するパーテーで知り会った。
それ以来、勇哉は典子の事が気になる存在となり、
何度かデートを重ねて、典子が好きだと言う事を思うようになった。
勇哉は他に女友達と呼べるのは何人かいたが、友人以上には発展しなかった。
典子とは一度都心のTホテルで関係を持った。
それは、自然な流れだった。
予約したホテルで食事を済まし、ホテルのラウンジに場所を移し、
ダンスをして・・
唇が自然と触れ・・・そして朝を迎えた。
そんな事を想いながら勇哉はハンドルを握る。
「ねえ、もう近いんじゃない?」
「そうだけど・・・? 典子以前来た事あるの?」
「ううん、ほら・・あそこに“軽井沢・・・って”」
「ああ、そうだね、確かに・・看板が・・!」
勇哉少し安心した様だ、確か典子軽井沢来た事ないって、
特に車では・・・
典子を信頼しきっている勇哉、何でそんな事考えたのか、
そんな自分が情けなく思った。
別荘に到着したのは午後2時少し前だった。
勇哉は殆ど間違う事無く父親の別荘に着いた。
勇哉は車を止めるべく、駐車場の鎖のシリンダー錠を外して、
車を止めた。
その駐車場は車が優に3台は止められる。
おそらく2世帯ぐらいは優に滞在出来そうな、
スペースなのだろ。
周りの、出版社や大手の銀行、名の知れた老舗の、
和菓子屋の名前が表札にある。
本当に旧軽井沢なのだ、軽井沢銀座も歩いて、
15分程の距離にある。
玄関を開けると、微かにかび臭い臭いがした。
中の玄関も広い、玄関を過ぎて直ぐに薪ストーブが見えた。
典子は、感動した。
そうこんな空間、こんな雰囲気に憧れていたのだ。
「ねえ、勇哉!」
「なんだい・・・?」
もう典子は、既に勇哉の大きな胸の中に飛び込んでいる。
「嬉しい・・・典子!」
勇哉は典子のしっかりトリートメントされた、
ほのかに甘い香りの髪を、優しくゆっくりと撫で下ろしながら・・・・
「勿論、僕も・・・うれいしよ!」
「ねえ・・・・、夕ご飯何が食べたい?」
「典子の作るものなら何でもいいよ!」
「わぁ・・勇哉、私の作る料理食べた事ないのに・・・」
「・・・・心配しないの?」
「それは・・・典子なら大丈夫・・・」
「僕の眼に狂いはない! から・・・!」
静まり返った、虫の音も微かに聞こえる、歴史、
気品、情緒ある夕暮れから
既に2時間、二人の憩いの瞬間過ぎていく
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1093
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr