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Rap1092-えっ、頭痛、嘔吐、呼吸困難 キノコ中毒?4-1

Rap1092-タムラ先生夜間外来総合


Rap1092-えっ、頭痛、嘔吐、呼吸困難 キノコ中毒?4-1 


 中川典子は、昨夜から気持ちが弾んでいる。

やっと大崎勇哉と二人きりの旅行が出来る。

場所は勇哉が事ある度に最高、絶対最高と、

何度も話に出ていた軽井沢だ。


典子自身も、旅雑誌等や旅行会社の大きなパンフ、

JRの主要駅に初夏の軽井沢、初秋の軽井沢など、

特に女性の心をくすぐる、魅力ある写真が壁一面に張ってある。

それを見て典子はいつも夢見ていた。

いつかはきっと・・・


そんな折、勇哉の父が軽井沢に別荘を持っていて、

勇哉は学生時代に何度もそこを訪れていた。

と、言う事は風の便りに・・・


勇哉は社会人になっても、仕事の関係で、

中々そこへ行けなかった。

典子と知り合っておよそ半年かなり親密になり、

今年は是非軽井沢に、行きたいと何度も話しに出ていたが、

何とか二人のスケジュールを調整して、やっと念願が叶った。


 中川典子は、軽井沢に憧れていた。

それも旧軽井沢の別荘に! だ!


最近の成り上がりの、ただ金があると言うだけでは、

旧軽井沢の別荘地は、そう簡単に手に入らないのが現状だ。


良く多くの人が、軽井沢と気軽に言うが、

今は旧軽井沢、中軽井沢、北軽井沢、新軽井沢、

西軽井沢、南軽井沢などがある。

昔から言われている、軽井沢といえば旧軽井沢の事になる。

そう、他は軽井沢の地名度にみんな、今で言う“乗っかって”・・・

その地名を観光にうまく利用している。


その経緯は、典子事前に母親から聞かされていた。

どうやら、母親も軽井沢・・・特に旧軽には何かいわくがありそうだ。


勇哉は軽井沢に誘われた時、どうせバッタもんの、

軽井沢だと思って軽くあしらっていた。

しかし、彼の話を聞いている内に、その別荘がバッタもん

(言い方が悪ければ第2次若しくは、3次、4次軽井沢)

ではない事が、少しずつ分って来た。


そして、俄然勇哉と、一緒に軽井沢に行きたくなった。

その心境には、典子は少しよこしまな、

気持ちが芽生えてしまった。

勇哉の家はきっと相当な財産家で・・・

その一人息子・・そう御曹司で、

由緒ある家柄であると確信してしまった為であろう。


典子は夢見る。

莫大な資産を抱える御曹司と・・

そう玉の輿に乗れると・・・


 事実勇哉は昔、相当優雅な生活が出来たようだ。

だが現実はそう簡単には行くものではない。

ご多忙にもれず、勇哉の父親もバブルが弾けて、

相当苦戦を強いられた。

その時に軽井沢の別荘も売りに出した。

だがしかし、購入時の5分の1位の値しかつかず、

他にあった箱根や、伊豆の別荘を売り最終的に、

軽井沢は残す結果となった。


そんな時期を上手く切り抜け、今は昔ほどではないが、

何とか持ち直した。

軽井沢を売却しなかったのは、息子勇哉の強い希望も、

あったのも事実の様だ。


「ねえ、勇哉!」

「何?」

「明日、楽しみだよね!」

「うん、すっごく楽しみだよ!」

「ねえ、勇哉のお父さんの別荘って・・・」

「旧軽だよね!?」

「まあ、そうだね!」


「あそこの雰囲気・・・最高だよね!?」

「ああ・・・最高だね・・・でも少し・・」

「全体が・・歴史があるって言うか・・」

「なぁに・・・?」

「うん、少し古い感じが・・・ね!?」


「でも・・・、その歴史が・・・」

「素敵なんじゃない?」

「そうだよね、近くやお隣さん・・・・」

「大手の銀行や、出版社それに・・・」

「昔の偉い政治家の別荘があるね!」


「そう・・・・そうよ!」

「そんな昔の一流所の人が、住んでいるのが本当の軽井沢よ!!」

典子は興奮気味に話出した。

どうやら相当・・・旧軽に・・・

「そうか・・・・そう言われて見れば・・・そうだね!?」


「そうよ!・・・・きっと・・・!」

「貴方のお父さん・・・・」

「昔、相当凄かったんじゃないの?」

「そうなのかな、僕はそんな事全然気にしなかったよ!」

「勇哉、本当に生まれが良すぎたのね!」


「そうかな?」

「ねえ、旧軽井沢って、唐松とハンノキ、ミズナラ、の雑木林・・」

 「そして、その無舗装の路に落ち葉・・・」

「そうだね・・・・?」

「それに、唐松などの生えている下にコケケ類が一面に・・・」


「まあ、言われて見れば・・・うちの別荘そんな感じかな?」

  「わあ・・・本当に早く行きたいな・・勇哉と・・・・」

 

ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1092


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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