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Rap1009-えっ、メタミドホス・・・?

Rap1009タムラ先生夜間外来総合 


Rap1009-えっ、メタミドホス・・・?



「はい、救急外来!」

「えっ!!!」

「で・・・・、食中毒みたいだ?」

「めまい、吐き気、下痢 身体が震える!」

「ギョウサを食べた?」

「何時ごろです?」

「1時間半前!」


タムラ先生は受話器を麗奈から奪い、

「至急搬送しろ!」

「大至急だ!」

「胃洗浄の用意!」

「解毒剤あるか!」

「えーと、あのサリン事件以来この病院にも在庫があるはずです!」

「探して来い!」「毒物の、エキスパート、連絡とれ!」

「検査室に大至急連絡!」


「いない!」「至急呼び出せ、山村がいい!」

「はい」

「おいPAM あったか?」

「すいません、まだ見つかりません!」

「薬剤師を呼べ!」


もうこの現場は、蜂の巣をつついたような状態だ。


そうこうするうちに、サイレンの音が近づいてくる。

サイレンの音が止む!


 「おい、麗奈 玄関に急げ、2.3人連れて行け!」

「おれは、ここであらゆる状況に対処する。」

「検査技師到着しました!」

「薬剤師も到着しました!」

「そうか・・・よし!」

「“PAM”あったそうです!」

「硫アトも100Aあります!」


次々に情報が、タムラ先生の下に集まる!

「で、患者は何人だ?」

「4名です」

「川村!四人分あるか? 薬品」

薬剤師の川村ははっきりと、自身をもって、答える。

 「はい!・・・・大丈夫です!」

“PAM”の使用量と硫酸アトロピン、胃洗浄のやり方を川村は、

タムラ先生と確認


PAM:有機リン剤中毒解毒剤、静注する。サリンで有名に・・・

硫アト:アセチルコリン、ムスカリン様薬物に対し競合的拮抗作用を示す。

(抗コリン作用)


応援が・・・・・、タムラ先生の息のかかった医者が次々と到着

その処置の順番を他の医師、看護師に手際よく確認、指導する。


患者が・・・・症状の酷い人間からまず二人運ばれてきた。

ついで3分ほど遅れて2人到着した。


スタッフがそろった状態で、胃洗浄、生食で血管確保された。

患者に PAM、硫アトの中和剤が施され、

搬送されたときと比べるとほぼ全員が 症状の改善に向っている。


この様な場合速やかな胃洗浄、中和剤がそれからの予後に大きく影響する。

神経毒、貯留への回避が格段に下がる。

とにかく時間との勝負だ!


もうひとつ、その時患者はいかに臨床を経験している医師に、

めぐり合えるかが人生を左右させる。


しかし、サリン等の揮発性の毒物はおそらく成すすべがない。

今回のメタミドホスは、殺人テロだ、絶対に許しがたい。


タムラ先生は、怒りのやり場に、何故か麗奈にきつい言葉が出てしまう。

メタミドホス(C2H8No2PS)(分子式)の流出には、

いまだにいろいろな原因が考えられる、

しかし、これは明らかに無差別テロだ! 

“大量殺人だ!” “悲惨な!”


幸いにも、ここに運ばれて来た患者は、おそらく、

後遺症も少なく、命に別状はないようだ。


「麗奈、現在の状況は!」

「はい、先生の手際が良かったようです。」



「点滴を、大量に行い、素早い胃洗浄 そして中和剤」

「すべてが、うまく作用してほとんどの皆さん」

「2、3日で退院可能でしょう。」

「患者さん・・・・、皆さん元気で感謝していました!」


「そうか、それは良かった!」

「それで、応援のスタッフは?」

「明日があるからと、用の無くなった方から、帰宅されました。」

「2人ほど、“心配だからと”タムラ先生の傍にいたい!」

「と、言う事で、ナースセンターでお茶を飲んでおりますわ!」


「そうか、では、ナースセンターに顔を出してみるか!」

そう言って、ナースセンターに向うタムラ先生に

「先生って・・・・! 人気あるのですね?」

「男性からも、女性からも・・」


麗奈は何だか、先生が遠くに行ってしまいそうな不安を感じて、

いきなり、タムラ先生の後姿に走りより、他の目を気にしながら・・・・

両手でほんの一瞬だけ、

後ろからタムラ先生の背中に抱きついた。


タムラ先生は黙って、されるままになっていた。


タムラ先生は、その一瞬が1時間に感じたことだろ。

麗奈も少し顔がほてった。


麗奈は、タムラ先生を追い越してナースセンターに急いだ。


「やー! 休みのところ、大変ご苦労産でした!」

と言って、二人の若い医師を労った。

「いえ、いえ、先生こそ、大変でしたね!」

「先生の対応の素早さに感服です。」

「われわれも大変勉強になりました。」

「こちらこそ大変貴重な体験の感謝です。」


「そろそろ、お引取り願って結構ですが?」

「いえ、いえ、もう少しこちらにいます。」

「もう何も無いと思いますが」

「何かあったとき、先生が大変です!」

「本当にありがとう、いつか皆さんに埋めあらせさせてもらいます!」

「いえ、そんなお気遣いは・・・」

「麗奈くん?」

「はい!」

「僕は、まだ仕事は、終わりでない!から・・・・」

「当直室で仮眠させてもらうよ!」

「はい」


麗奈はタムラ先生にアイコンタクト!


当直室に戻ったタムラ先生は、中国のいいかんげんさ、

日本の食糧自給率に怒りを感じていたが、

いつの間にかタバコも吸わすに眠りの中に落ちた。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1009


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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