Rap1082-熱中症、痙攣 内科-1
Rap1082-タムラ先生夜間外来総合
Rap1082-熱中症、痙攣 内科-1
夏休みも始まり、中学生、高校生は塾に通う生徒と、
部活に専念するグループに分かれる。
しかし、そのどちらにも参加しない生徒たちもいる。
真夏の激しい太陽の下で練習に励む生徒が悲惨な目に・・・
今朝から、なんとなく体調の優れない、テニス部新入生の千葉詩織。
昨夜、彼女に女性の月のものが来てしまった。
毎朝普段彼女は、朝食にトーストとコーヒーを食べて行く。
しかし今朝はパス。
食べる気になれない、食欲が無いのだろう。
詩織の心と体は、休みたいモードいっぱい。
しかし1年生、休むと他の新入生に迷惑がかかる。
彼女の学校、テニスでは名門なのだ。
そのために練習はハードだ。
ランニング校庭10週から始まる。
この日は真夏日早朝から気温はぐんぐん急上昇、すでに30度を越えている。
昨夜の雨も止み、空は雲ひとつ無く快晴だ。
おまけに湿度も高く、不快指数も高い朝だ。
体操着に着替え、新入生が先頭で走る。
ランニングは何とか、千葉詩織はこなす事が出来た。
やっとの事で・・後ろから2番まで落ちて・・・、
しかし、相当しんどそう、もう顔色が悪い今にも・・・と言った感じ。
詩織の全身から汗が変な感じで・・・、熱っぽい、火照りも
顔が急に真っ青になったり、真っ赤になったり・・・
心配して、同僚の大友千秋が寄ってきて、
「大丈夫? 顔色・・・悪いし!!」
「うん、何とか・・ね!」
「コーチに言おうか?」
「大丈夫・・・、もう少しだから!」
「そう・・・、じゃー気をつけて!!」
詩織、先輩のこぼれたボールを追いかけて走りっぱなし。
何故か今日、先輩のしごきがきつい。
昨夜の事が尾を引いているのだろうか・・?
あの先輩の彼と、帰り道話しかけられたので、少し話したのだ。
それは、詩織にとって何の思惑も無い。
ただ帰り道が一緒で、たまたま話を合わせていただけなのに・・・。
しかし、その後ろを運悪く先輩が急ぎ足で近寄って来て、
「貴方たち・・・仲いいのね!」
「いえ、そんな事・・・ありません!」
早く・・・、何とか言ってよ・・・誤解される?
「帰り道が同じだけです!」
詩織は必死で・・・訴える様に・・・しかし先輩は
「言い訳なんか聞きたくないわ!!」
そう言って先輩は怒って走り出して行った。
あの人、どう言うつもり・・・これじゃぁ・・
恐らく、その事を恨んでいるのだろう・・・・。
とんだとばっちりだ、全く。
相変わらず、右へ、左へ 詩織はもう限界、
疲れ果ててダウンしてしまった。
今の時間は、昼食事後の1時半頃だ。
詩織は、勿論昼食等摂れる訳無い、
ミネラルウォーターをかろうじて少し
「何やってるの、こんな事じゃ、上手くなれないわよ?」
「早く起きなさい!」
「もたもたしない!! ほら・・!」
「う・・・え・・ぃ・・・」どうやっても駄目、グロッキー
「水・・・水ください・・・」必死で、
微かな声で言うが、聞こえていないよう。
かなり、ヤバイ・・・、日差しは恐らく本日最高かも・・・
ようやく先輩ははき捨てるように・・・、
「木の下で休んでなさい! しょうがないわね!!」
「!!・・・!!・・」
「だらしないんだから!」
先輩・・・、昨日の鬱憤を晴らした気分なんだろう。
そこへ、学校の顧問がやって来た。
「おい、あそこで寝ているの、誰だ?」
「はい、千葉詩織です。」
「どうした?」
「はい、少しだれている様なので・・・」
「集中的にボール拾いやらせてました。」
「どうして、彼女だけ?」
「はい・・・、朝のランニング、だれていましたから!」
「そうか・・・でも、彼女なんか調子悪そうだぞ!」
そう言って、顧問は千葉詩織に近づいて行った。
「どうした? 顔色悪いぞ?」
しかし、返事が出来る状態ではなかった。
「おい、塗れたタオル、大至急だ!」
「詩織、おい詩織・・詩織ぃ・・」もう返事が出来る状態ではなさそう・・
顧問は、千葉詩織のおでこに自分のおでこをくっつける。
かなりの高熱だ。それに意識も殆ど・・・・
「おい、救急車だ、急げ!」
「はい!」
「それと、出来るだけ多くのタオルを水にぬらして来い。」
「はい・・、はい!!」
「何処かに氷あるか?」
「厨房がないので・・・」
「はい、消防所です、火事ですか、病気ですか?」
「熱中症です!」
「で、病状は?」
「***高校の沢村です、熱中症で救急車一台お願いします」
「状況は・・?」
「ぐったりしています。苦しそうです!」
「脈、呼吸、一般状態を教えて下さい」
「はい、脈はあります。時々体に震えがあります。」
「熱は37.5度 息は荒いです、それに意識が・・・」
ただ今受け入れ病院を探しています。
「T総合病院です」
「高校1年女性、熱中症らしき患者、受け入れお願いできますか?」
「了解です。現着予定は?」
「およそ10分です。」
「救命士、同乗してますか?」
「では、ラクトリンゲルでライン確保して下さい。」
「了解です」
内科外来に、その知らせが来たのはほぼリアルタイム。
素早く、ベテランの佐橋愛子看護師は、熱性痙攣も考えて、
フェノバール、抱水クロラール、ジアゼパムの注射、座薬を用意した。
「どうしました?」
素早く対応する早川先生
「熱中症らしいです。」
「痙攣があるな!」
「いくつだ?」
「14歳です。」
「フェノバールゆっくり静注しろ!」
「はい全量ですか?」
「そうだな、3分2で様子見る。」
「口腔にガーゼ、水を浸して・・!」
「愛子、体温は?」
「はい、申し遅れました。37.2C p144 BP 145 80 」です。
「少し、そのままでいい。 点滴もっと早くだ。」
「救命士さん点滴はどれくらい前ですか?」
「はい、15前です。」
「早い処置が、項を奏したな!」
「さすが、訓練してきただけあるな!」
「はい、ありがとうございます。」
「先生にそう言われて大変うれしいです。」
「いろいろあるが,頑張ってくれたまえ!」
「早川先生、患者はどうすれば・・?」
「どうも、痙攣は回避できたな。」
「点滴、KN3B5000ml あと一本だ。」
「VC500mg2A、強ミノC、フラビタン、グルタチン200mgおかずで」
「はい、かしこまりました」新米の若宮優実が大きな声で答える。
「せんせい、患者さんは・・・どうします?」
「少し休ませて返していい!」
「はい!」
「おい、付き添いの先生は?」
「外に居ます」
「呼んで来い?」
「はい、先ほどは大変ご迷惑をかけました。」
「君ねえ、この暑さ無理するなよ!」
「死者が出たら、君終わりだよ!」
「はい、申し訳ございません。」
「以後 このような事が無いように十分注意します。」
「本当に、熱中症、怖いよ!」
「それに、熱性痙攣。既往麗のある患者十分に注意するように!」
「はい、ご忠告本当に有難うございます。」
「患者さん・・・、少し休ませて様子観察!」
近くで、様子を聞いていて佐橋愛子と若宮優実、
後ろを向いてクスクス笑っていた。
何とこの、マネージャーこの病院3度目なのだ。
「早川先生、あの患者さんうちの常連ですよ!」
「あっ、そうだ 思い出した。」
この内科の先生何と、血を見るのがいやで内科を志望したのだ。
他にいろいろあります。
後ほど、少しずつ・・・・
内科の 早川良蔵先生 看護師の佐橋愛子 新人の若宮優実
これから、キャラが出で来ます。
お楽しみに
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1082
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr