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Rap1065-痛みが・・・ヤッパ・・虫垂炎?2-2

Rap1065-タムラ先生夜間外来総合

 

Rap1065-痛みが・・・ヤッパ・・虫垂炎?2-2


 タムラ先生、虫垂炎以外の病状も視野に入れて、エコー、

血液検査、腹部XP、尿検査を行っている。

女性の下腹部痛には、単純に虫垂炎と判断できない、

素因がある。

それは、女性付属器炎そう、卵巣、卵管の炎症だ。


 患者からのあらゆる情報、すなわち日常の女性器の、

状態と緊急検査の結果で、ある程度確定出来た。

だが、より一層の確信を得るために、

エコーの映像をネットで送った。

そう、タムラ先生の妹で婦人科医である恵子先生に、だ。


 そして、婦人科の疑いをはらして、

再度エコーを患者である香里奈に当てていた。

シャーカステンには、腹部のXPが掛けられていた。

その腹部には多くのガスで充満された大腸が膨れ上がり、

イレウス症状を起こしていた。


「緊急オペだ!」

 「はい!」「既に準備は出来てます!」麗奈、機敏に・・・・

「虫垂炎、腹膜炎を併発している可能性大!!」

 「はい!」

「麻酔医はいるか?」


 「いませんが、先生の後輩が麻酔担当してくれます。」

「そうか、最近裁判沙汰になった医者がいるし、・・・な!」



そう、最近婦人科医が取った処置が遅すぎたのではという、“疑い”で刑事事件に

なっている裁判の判決が、来週水曜日に出る。

その判決結果によって、これからの医療の方向性が大きく変わる。

医者が正しいと信じて行った行為に対して裁判が行われるようなら、

本当に多くの医師は、リスクのある患者、医療行為を行わなくなる。


それと共に、リスキーな診療科を医学生が選択しなくなる。

既にその兆候が顕著に現れた結果が、婦人科、小児科医の減少だ。

 先ほどの例だが、診療行為に対する正否を裁判所に持ち込む。

これでは、本当に萎縮した医療に・・・

積極的なメスが使えなくなるのは果たして患者にとって・・・

 

だからと言って、患者をないがしろにと言ってはいない。

真剣にその医者がその患者に向き合い、オペは基本、

映像記録を撮る様にすべきだ。

 これ程までに、ビデオが安価に普及したのだ、

それを使わない手は無いと思う。


おっと、少し横道にそれた。

「ルンバール、OKです!」

タムラ先生の後輩の医師が答えた。

この後輩、ただ今麻酔科の研修も終え、

最近タムラ先生の第一助手として、

多く参加している、ただ今売り出し中と言った所だ。


その名は橋本康介

「場合によっては、全麻!」

 「はい、承知しています!」

「器具も準備OKです!」葵ちゃんの声だ。


「では、よろしくお願いします!」

「よろしくお願いします!」

「お願いします!」同じ声が続く、チーム タムラだ。


「メス!」

 「はい!」

「電メス!」

 「・・!・・!」無言で、手と手・・・

「クーパー!」

 「・・!・・!」


「やっぱり・・・、このの我慢強さは・・・何なんだ!」

 「そうですね、腹膜炎・・・もう少しで!」

売り出し中の橋本康介、続けて・・

 「全身麻酔に切り替えますか?」

「いや、大丈夫だろう・・!」

 「はい・・・!」


「あと10分もすれば、終わる!」

 「そうですね! 先生なら・・失礼しました・・・」

「おい、生食500 5本 温めておけ!」

 「はい、もう既に!!」


今度は麗奈の声だ。

その目線がタムラ先生と絡み合う、

まだ先ほどの・・・か?

その目線の交差を葵ちゃんが追う、一瞬の出来事だが・・・


「はい、縫合!」

 「はい!」葵ちゃんが


「はい、ご苦労様!」

 「お疲れ様!」

「お疲れ様!」連呼が続く。


今回のオペは、葵ちゃんが器械出しを担当麗奈は、

おか周りを担当

少しずつ、葵ちゃんも第一ナース担当の機会が増えてきた。

 現場実習だ、葵ちゃんもどんどん成長する。

大きな手術はまだ無理だが、タムラ先生の器械出し・・・、


初めて見たときに、麗奈先輩とのコビネーションに感動したのだ。

いつかは私も麗奈先輩のように・・・なりたい。

 それが今実現した。葵ちゃんは相当感動しているはずだ。


 「うれしかった! 麗奈先輩!」

「そうね、良かったわね!」

「私・・・うれしい!」

「タムラ先生に最初のメス渡すとき・・・震えちゃった!」

「そう!!」

 「あれ、麗奈先輩・・まだ?」


「何が・・まだなの!」

 「あっ、何でも無いです!」

そう、葵ちゃん 先ほどのタムラ先生と、

麗奈先輩の触れてはいけないゾーンを、

嬉しさの余り忘れていたのだ。


それにしてもあの二人、何だか・・・

夫婦喧嘩みたいだった。

まだ結婚もしていないのに・・・

どうなっているのやら・・・


「香里奈さん! 無事終わりかした。」

 「!!・・!・・あり・・がと・う・・」

「あなた・・どれ程・・・我慢強いの!」

 「すい・・・ませ・・ん!」

「もう少し遅かったら・・・大手術に・・」

「危ないところでしたよ!」


 「本当にこの先輩・・・無茶なんです!」

成り行きでオペ前から終わるまで、付きっ切りでいた、

大鰡辰弥が答えた。

「君は・・・恋人・・だよな!」


珍しく、余計な事に口を挟んだタムラ先生

 「はぃ・・いいえ違います・・まだだと・・・」

「なんだ、今モーション ハイの時か!」

 「そうです・・・!」


「彼女・・相当強そうだぞ!」

「それに、根性が・・凄い!」

 「そうなんです、よ! 本当に!」

「あんな状態で痛くないわけが無い!」

 「そんなに、もしかすると・・やばかった!?」

「そうだな、日をまたいだら、生死の問題だった!」


 「と、言う事は・・僕は彼女の恩人!」

「ちょ・・っと、まっ・・て、・・よ!」

 「わた・し・は・ いつ・・・から・・あなたの・・彼女!」

「違います、そうなれば・・・良いな、と思ってます」

 「願望・・ね・!」


「そう・・!」

香里奈にとっても、方向性は間違っていないのだが、

こんなにもあっさりとは・・

そこへ、術衣を着替えシャワーを浴びて駆けつけた葵ちゃん、

付き添いの辰弥を目当てに、病室に入って来た。


「大鰡くん、こんばんは! 元気!」

実は、大鰡辰弥と葵ちゃん、少しややこしい関係だ。

 「ああ・・こんばんわ! で・・ス!」


「元気、あの人!」

 「えっ、まあ・・」

「あなた・・・、私と知り合いなので・・・」

「よろしく・・って挨拶したようね!」

 「しょうがないだろ! 緊急だったから!」

「まあ・・いいわ! そのうち、夕ご飯でもご馳走して!」

 「ああ、いいよ!」


「で、あの人も・・・やっちゃった人?」

大鰡の耳元できわどい事を聞く、ひやひやもんだ。

 「何、言ってるんだ・・馬鹿な事を!」

「良いわ、後でじっくり・・・ね!」

そう言って、葵は病室を後にした。


今度は香里奈の番だ、

「可愛い人ね・・あの看護師さん!」

 「あぁ、そうだな!」


あちらこちらで愛のトラブルが・・・


では、少し虫垂炎のこと書きます。

こんな症状に要注意

最初はみぞおちのあたりに痛みが起こり、次第に右下腹部に移るのが一般的です

が、お腹全体が急に痛くなったり、へそのあたりが痛くなったりする場合もあります、

人によってさまざまです。

時間がたつにつれて、右下腹部の痛みがはっきりしてきて、

歩くと響くようになることもあります。

吐き気や嘔吐を伴うことが多く、食欲もなくなります

急性虫垂炎と間違いやすい病気

1.憩室炎

 大腸の壁に小さな袋ができて、そこに膿がたまったりして炎症を起こす病気です。

吐き気や嘔吐はないことが多いですが、虫垂炎と同じように右下腹部痛がある

そのため区別するのが難しい事があります。

原則的には手術ではなく抗生剤などの点滴で治ります。

2.女子付属器炎

 卵巣や卵管の炎症でも、虫垂と同じような右下腹部痛が生じるので、若い女性の場合は意識しておく必要があります。

治療は手術が原則

 急性虫垂炎、腹膜炎併発の治療は、緊急手術が原則です。


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1065


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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