Rap1061-リストカット また?2-2
Rap1061-タムラ先生夜間外来総合
Rap1061-リストカット また?2-2
“おいで・・・おいで・・お・い・で・・・・”
“あんた・・・・もう人間やめなさい。“
“あんたはもう、こっちの世界に向いているわ・・・ほら・・おいで!”
“いや・・・いや・・・あなたまだ向こうの世界で、
しなければならない事がたくさんあるから・・・“
“いいから・・・いいから・・・もうこっちの世界が・・・”
重い、手が・・・重―い 痛ぁーい
あっそうか・・・まだ・・・この世界は・・・・?
まだ・・・あっちの世界からは、お迎えが来ないのか・・・
「里美・・・!!」「里美!」
「あっ・・・!」
「あなた・・・!!」
「里美さん! どうして?」
「ごめん・・・私・・・また・・!」
「そう・・! なんかあったのね!」
「うん!!」
「そう・・・つらかった?」
今里美は個室のベッドの中、手首の縫合を終えて、
胃洗浄も終えて・・・・
傍には部屋をシェアーしている、大沢有里と看護師の伊藤愛美が、
心配そうに里美を見つめている。
里美は伊藤愛美の叔母の娘だ。
何度かリストカットを繰り返し、叔母から少し注意してほしいと、
言われていた。
だいぶ落ち着いて来ていたので、安心していたところだった。
心療内科に通わせようとしていたのだが、
症状が落ち着いていた様子なので・・・
仕事にも行き始めた様子だし・・・
上手く大沢有里と部屋をシェアーせせる事も出来たのだが、
でも有里のおかげ何とか大丈夫だった。
「里美!」目に涙をためて伊藤愛美は優しくささやいた。
「ごめんなさい!」
「私・・・また我慢できないで・・・約束守れなくて!」
「そうね・・・あなた・・・命を無駄にしては・・・!」
「はい・・・私!!」
里美も涙で、愛美をきちんと見れない・・・・
「あなた・・・命が欲しくって・・・」
「欲しくって・・しょうがない人が・・たくさん! いるのよ!!」
「ごめんなさい・・・その事は・・」
「わかっているつもりなんだけど・・!」
「そうよね・・・あなた・・・やり直したいって・・・!」
「うん・・・ぅ!」
「何処かでけじめをつけて・・看護師目指すって・・・!」
「ごめんなさい!!」
そこへ、タムラ先生いつの間にかやって来て、
里美の頭を・・髪を・・・優しく撫でる。
そのタムラ先生のたくましい腕を、
真っ白な包帯で覆われた手で遠慮がちに・・
「先生・・・御免なさい!」
「馬鹿だなー 君は・・!」
「不器用なんだろうな・・・君は!」
「そう、里美・・・生きるの、下手・・下手すぎよ!!」
今までじっと見つめていた大沢有里が、大きな声で叫んだ。
「下手よ・・・正直すぎるの!」
「そうかもね・・里美!」愛美が遠慮がちに・・・・
「君は・・伊藤さんから聞かされたんだが・・!?」
「えっ・・なに!」
「看護師になろうかと・・勉強始めたんだろう?」
「あっ・・・はい!」
「頑張れよ!」
「待ってるぞ! 君の白衣姿を・・・!」
「う・ん・! ・・あっ・・・はい!
その言葉を言い終えるとタムラ先生里美の頭を人指し指で、
つん と、押して、
部屋を後にした。
「ねえ? 愛美お姉さん? 」
「うん、・・・なぁに?」
「・・・・!・・・!」
「タムラ先生の事! でしょ?」
「うん!」
「タムラ先生・・・倍率高いわよ!!」
「そう・・・なんだ!」
「やっぱ・・・ねぇ!」
「当たり前でしょ・・・!! 当然!」
「もしかして・・・愛美お姉さんも?」
「さあ・・どうかな?」
「当たりだったりして!!」
「それより、里美・・・約束して!」
「はい!」
「なに・・・いきなり元気・・・ね!」
「そうよね・・・それは・・勿論だわ!!」
大沢有里が話しに・・・混ざった。
「タムラ先生・・・って独身・・・ですか?」
「何よ・・・有里・・・あんたも!?」
「そうなりますよ・・・」
「あの先生の・・・白衣・・・姿かっこいいもん!」
― ― ―
どうやらこれ以上のリストカットの繰り返しはなさそうです!
里美・・・の!
それより益々タムラ先生争奪宣がヒートアップしそうです。
なんと言っても 、麗奈最有力
そして、葵ちゃん どうやら伊藤愛美も
今新たに 里美 それに大沢有里も・・・・
他にも・・・候補が・・・
ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 希
タムラ先生夜間外来(総合) R1061
DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr