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Rap1060-リストカット また?2-1

Rap1060-タムラ先生夜間外来総合

 

Rap1060-リストカット また?2-1 


 またやっちゃった・・・・・

私なんか・・・私なんか・・・居ないほうがいいんだ・・・

福沢里美は左手首をカッターで・・・

足元には、殻になった錠剤の10錠ヒートが3個散らばっている。


 意識も朦朧もうろうとして・・・・

里美は自分の体が軽い雲の上にいる様な気分、

左手首から幾筋にも血液が・・・流れて

あぁ・・・このまま・・・今度こそ・・・・死ねる!!?


意識が薄らいでくる・・・・・

痛みももう既に感じていない・・・

 あちらの世界は・・・・いいかな・・・

あぁ・・・・きもち・・・いいかも・・・・


「里美、里美・・・さ!と!み!・・・さとみ!!」

わぁ・・・またやった・・・・もうしない・・・って・・

かなりヤバイかも・・・どこが診てくれるだろう・・・

有里は少し酔いの回った頭で、必死に頭の中を整理する。

 救急車呼ぼうか・・・・? でも・・・・


そうだ、愛美だ・・・伊藤愛美・・

確かあの救急外来に・・・・

急いで携帯のメモリーをチェック・・・

 あっ、これは前の病院・・・産婦人科のだ!


どうしよう? 消防署に電話して・・・

病院の電話番号・・・聞こう!

「はい、こちら119番 火事ですか? 怪我ですか? 病気ですか?」 

「あのぉすいません、***病院の電話番号わかりますか?」

「どうしました? 病人がいるのですか?」


 「はい・・・あのぉ・・!」

「***病院なら 03*-*45*-0111ですか?」

 「ありがとうございます!・・・!・・!」

「病人がいるのですね?」

 「はい・・!・・!」


「急病なら・・・サイレン近くで止めますよ!!」

 「えっ・・・そうですか? 良かった!」

「場所を行って下さい・・! それと病状も?」

 「***区**青山***番地――マンション10階です!」  


「それで病状は?」

「あの・・・リストカットなんです!」

「それに睡眠薬も!」

「今、救急車出動しました。・・貴方のお名前は」

「はい、有里・・・大沢有里です!」


「それで、あなたとの関係は?」

「友達です!」

「その友達の今の症状を教えて下さい。」

「その情報を***病院にそのまま流します。」


 「そうですか、それは・・・そこの看護師さんと知り合いです!」

「その看護師さんのお名前は!」

 「伊藤愛美いとうめぐみです!」

 「彼女・・・里美・・福沢里美はもう何度か同じような事を・・・」


「それで・・・救急車を躊躇って・・・!」

「はい、出来るだけ詳しく今の症状を教えて下さい!」

 「左手首からかなりの出血が・・・それに・・睡眠薬の殻が・・・」

「それと・・・他に・・・」


 「はい・・・、眠っているようです!」

「あっ、今病院の先生から その錠剤の殻も持参する様にと!」

 「はい、わかりました!」

「もう救急車が到着します。後は救急隊の指示に従って下さい。」

 「はい! はい、わかりました。」


それから直ぐに、チャイムの音がした。

そして、担架に運ばれて、病院へ急行した!


伊藤愛美が、大沢有里に状況を聞いている。

「患者さんは・・・貴方と同居しているの?」

 「はい・・・最近です!」

「それで、リストカットの事は・・・知って・・・いたの?」

 「はい、それも一緒に暮らす様になって・・・知りました!」


「それで・・・何度目なの?」

 「たぶん・・・3度目だと・・・?」

「あなた、気がつかなかった・・の?

 「いいえ!?」

「そう・・・??」


 「でも・・・最近は元気になって・・・」

「仕事も行くように・・・」

 「彼女・・・何か悩んでいた・・・の?」

  「いいえ、特に・・無かったと!!」

 「そう・・・?」


「伊藤さん、胃洗浄の用意!」

 「はい、今・・・!」

「そんなに・・・、彼女・・攻めちゃぁ・・・」

 「そうですね! すいません! つい・・・」

「もしかして? 貴方の・・・!」

 「はい、少し・・・!」

「そう!!」



 里美はまだ意識が朦朧としている。

そして、伸びた手を殆ど無意味に、

まるで他人の手みたいにボーっと眺めている。


眺めていると言うより首が左側に向いているだけなのだろうか・・・

よく見ると左手首から上腕に何箇所か古傷がある。


タムラ先生又しても、若い娘の無残な姿を・・・

こんな現状は見たくない、

治療をしたくない気持ちが・・・

何故己の命を無駄にする・・・

 

生きたくても、生きたくても、生きられない娘が・・・

何人もいるのに・・・

「まったく!」

タムラ先生、先ほどから患者の前で・・・


そして、看護師の前でもその一言だけしか言葉を発していない。

既に消毒をイソジン液で終えた患部を・・・・

黙って、右手を出す、その手に看護師の麗奈が、

フレードシルク(針付きナイロン糸)を持針器につかんだまま渡す。


そして、出血部位をガーゼで拭く麗奈が・・・・・

態度とは裏腹にタムラ先生 縫合はかなりきめ細かく、

普段の倍以上に、何度も傷口を針が行ったり来たりしている。


 すなわち縫合するのを丹念に、

傷口が少しでも目立たないように、

何針も彼女の細い傷だらけの手に架けている。


 「先生? 胃洗浄は?」

タイミングで麗奈言葉をかける。

「そうだな? 一応やるか?」

 「はい、準備出来てます!」


「ところで、飲んだのはレンドルミンだけか?」

 「はい、そうです!」

カーテン越しに心配顔で友人の大沢有里が答えた。

「そうか!」


「すいません!」

何故か有里は謝りの言葉が・・・・

先ほどの愛美に怒られた様な感じで・・・

ついそんな言葉が・・・

「何だ・・・君が・・!」

 「いえ・・・違います!」今度は伊藤愛美が・・・・


今回も今日はここまでです!

この続きは次回へ

 

ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1060


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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