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Rap1047-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-5

Rap1047-タムラ先生夜間外来総合 


Rap1047-タムラ先生大忙し、耳に虫、腹痛、指の切断?-5


「耳鼻科のサクション(吸引機)で無事に取ってくれた先生がいた!」

 「君、その事早く言えよ。で、そこの先生は・・・・」

「T総合病院のタムラ先生です!」

 「それじゃあ、早く連絡取れ・・よ!」

「はい、直ぐに・・!」


「何・・、耳にハエ?」

「はい、耳鼻科の夜間受付が無いのです!」

「お待ち下さい?」


「先生・・!」

「どうした?」

「耳にハエが・・で、耳鼻科の引き受け先が無いそうです!」

「しょうかない、受けていい!!」

 

「えっ、・・・そうか!殺虫剤・・使ったのか!!」

 「それで・・・、少しは改善されたのですが!?」

タムラ先生、ただ今別の患者の処置中なのだ、そう小指の・・・・


「葵クン! 彼を耳鼻科の診察室に連れて行ってくれ!」

 「はい、でも先生・・・耳鼻科・・大丈夫なのですか?」

「ああ、以前も耳に虫が入った患者・・・、処置した大丈夫だ!」

 「あっ、そうですか・・?」

「大丈夫よ、葵チャン・・!」麗奈が答える。

 -――― S S S ―――


耳鏡じきょうを手にタムラ先生、健太郎の右耳を見る。

「かなりでかいのが・・・、死んでる!」

 「先生・・・大丈・・夫 です・・か?」

「ああ、すぐ終わる・・・!」

 「先生・・・何でも出来るんです・・・ね!」

「しょうがないだろ! 虫が入ったぐらいなら・・以前も・・ある!」

 「助かります・・・本当に・・」心なしか、不安な声で・・・健太郎が・・

「それとも、このまま・・・明日までハエにいてもらうか?」

 「いや、お願いします・・明日は撮影が・・ありますから・・!」

「何だ・・、君・・俳優か・・!」

サクション(吸引器)の吸引力を確認しながら話す。

 「やっぱ、芸能人なんだ・・・何処かで見た気がしたもん?」

すかさず、話しに入り込む新人看護師の葵チャン。

タムラ先生、吸引力を確認して、健太郎の右耳へ・・・


スー・・スゥ・・シュッポ。吸引器の先にハエが・・

「おい、取れたぞ! ほら・・・」

 「あっ、こんなでかいの・・が!」

 「本当・・!すごい・・大きい」

 「彼女に嫌われて・・ハエに好かれたの?」

葵チャン、健太郎にきつい一言。

「そんな事・・・ない・・から・・・!」


健太郎は、罰が悪そうに・・口ごもる。

「なんだ!・・・君・・女に振られたのか・・?」

タムラ先生も一言、付け加える。

「明日、耳鼻科に受診する様に・・・!」

「はい、ありがとうございました。本当に助かりました!!」

やっと、耳の中からハエかいなくなった、健太郎一安心だ。

「おい、もう一人いたな・・・救急・・女性が!」

 「はい、下腹部からの出血が・・?」



愛の下半身からの出血。

相当あせったマネージャー。

何とかマスコミにはわからない様にと・・・、

何度か先生に世話になっているマネージャー、

タムラ先生を頼って・・・

本来なら、やはり産婦人科だろうが・・・、

彼はあえて、ここに連れてきた。


救急隊の人間も一抹の不安が・・・

また別の所へ搬送なんて・・・勘弁して欲しい所だ。

それに、産婦人科以外も考えられる。


 現状を把握して、最近移動して来た伊藤 愛美めぐみは、

すかさず患者の下半身を・・・

「先生・・・やはり・・・外妊・・!」


愛の下着を脱がせながら、出血の状態から状況判断を・・・

そこには、麗奈も傍により、出血部位の血液を拭きながら・・・

「そうね、その可能性・・大・・でしょう、ね!」

そこへ、葵チャンエコーを持ち込み、電源を入れ終わった所だ。


そんな状況をタムラ先生は、じっと見て頭で考えていた。

そして、電話をかけている。

「そうか、・・・・わかった。」

「で、緊急開腹手術か・・? 卵管破裂による大量出血か・・!」

「うん! そうだ、バイタルは厳しいな!!」


「そうか、約束・・ 緊急オペ・・ここで?」

「ちょっと、待ってくれ!」

「おい、伊藤君・・産婦人科の経験は・・・?」

 「はい、フランスで・・!」

「そうか! それじゃぁ君・・子宮外妊娠の卵管破裂 補助、頼めるか?」

 「はい、大丈夫ですが? でも、先生は・・・まさか・・・」

「いや、俺じゃーない!」


 「では、誰が・・・?」

「俺の、妹だ・・!」

 「えっ、タムラ先生の妹さん、産婦人科医なのですか?」

大きな声で驚く美人看護師二人。

そう、麗奈と伊藤愛美の二人。

「でも、良く先生の居場所が・・・分かりましたね?」

「それは、当たり前だ、今晩・・・食事の予定が・・・」

 

「それで、先ほどの・・・電話は・・妹さん」

「成るほど、読めました!それで、指示を仰いで・・・」

「君、彼女の電話に出てくれ!」

 「はい、輸血、濃厚赤血球8単位、点滴に、止血剤、抗生剤」

「内容は・・はい、タムラ先生に任せて、はい、10分で到着。」

「皆さん、子宮外妊娠で、卵管破裂の緊急オペです!」

「大至急用意して下さい!」

完全に今、イニシャチブを取っているのは、

移動して来たばかりの伊藤愛美だ。

麗奈の影は、今日ばかりは薄い。

素直にサブの看護師に徹する。 


その辺も十分心得ている。

そして、タムラ先生の妹さんの腕を、じっくりと拝見と言った所だ。

タムラ先生も、今回ばかりは裏方として・・・、

麻酔医も駆けつけるのに時間がかかりそう。

繋ぎは、タムラ先生が行う。

一体、タムラ先生、どれだけの患者を診てきたのやら・・・

当然麻酔も出来る。


東北の救急救命でかなり多くの患者や、症例をこなして来た事は、

噂で聞いた事はあるが・・・。

それに、大学での専攻は消化器外科で、既に100例以上のオペを経験している。

胃癌、胆嚢癌、胆石症、大腸癌等ありとあらゆる重症患者を。


そして、ピシバニールの研究もあるメーカーから依頼されて行っていたらしい。


そこへ、タムラ先生の妹さんの恵子先生が、颯爽さっそうと到着した。

何と、恵子先生も長身でスタイルが抜群、一体この病院の女性人何でこんなに・・

素晴らしいプロポーションの持ち主なのだろう。

あのマネージャーがみたら・・・それこそ・・・スカウト・・

最近、美人医師のマスコミに登場するのが非常に多く・・・


「はい、では、オペ室に案内して下さい!」

麗奈は、恵子先生をオペ室に案内する。

そして更衣室も、がしかし驚いたのは麗奈だった。

更衣室を、入った瞬間恵子先生は、すぐに着替えを始めた。


エンジのドレッシーなワンピースをスルリと落とし、下着だけになってしまった。

麗奈は一瞬見惚れてしまった。

あまりのプロポーションのよさに!

何故か、麗奈嫉妬を感じてしまった。

同姓なのに・・・・

「ちょうど・・いいわね!」「有難う!」

そして、今度はオペ室を覗く。

そこには、あの伊藤愛美が器械をセットしている所だった。

「あら、あなた・・・どうしてここへ?」

恵子先生懐かしそうに伊藤愛美を見て・・叫んだ!

「恵子先生こそ・・どうして?」

「あぁ・・頼まれたのよ・・しょうがなく!」

 「それじゃー、タムラ先生・・!?」

「そうよね、二人ともタムラ先生でしたね?」


「でも・・、あなた、確かフランスで、・・・」

 「はい、看護師がいやで、モデルの仕事を・・・」

「で、フランスで、看護師の仕事を・・・?」

 「はい、出来ればドクターにと・・思って・・・」

「確か、あちらでは、勉強すれば・・」


そこへ、患者が運ばれて来た。

麻酔は、タムラ先生、ファーストには伊藤愛美が。

サブに、麗奈、そして、おか周りは葵チャンで・・

緊急オペは無事終了した。

かなり手際よく・・・


「危ない所だったわね!」

「オウ、助かった・・よ!」

「あなた、計算していたでしょ?」

「しょうがないだろ、患者のためだ!」

 「あなたって、いつもそう、患者の事ばかり・・!!」

「当然だろう、医者だから・・!」

 

「ところで、あなた、結婚は? 彼女は・・?」

「何だよ、いきなり・・!」

 「でも、もう大丈夫そうね!」

「どう言う事だよ!」

 「わかるわ・・・あなたの今の状況・・・ね!」


恵子先生は、麗奈に目配せして更衣室に向かった。


シャワーを浴びて恵子先生、すっぴん、だ。

面影はやはり、タムラ先生に似ている。


「どうするの、今夜の食事?」

「先生、まだ一人患者さん残っています・・よ!!」

釘を刺すように、麗奈きつめの言葉で・・・

「あっ、そうだ、小指だ!」



「で、君は何処の組の人間なんだ?」

 「はい、***組です!」

タムラ先生、電話をかける。

引き出しから名詞をめくりながら、電話をかける。


「T総合病院のタムラだか、***いるかね?」

 「はい、いつも、迷惑ばかりで、すいません!」

 「で、今日は・・・何か・・・若いもんが・・!」

「まあ、たいした事ではないんだが・・・」

「そうですか、それなら・・・何とか、先生の顔に免じて・・」


「そうか、彼には良く言い聞かせるから・・・」

 「はい、すべて先生にお任せします、世話をかけました。」

 「で、先生・・・そのうち一杯・・・」

「分かった、そのうちにな!」


そこへ、電話が・・・立て続けに2本鳴る


「君の小指、僕が預かる事になった!」

 「えっ、切断して・・先生が預かるんですか?」

「何言ってる。君のそんな汚い小指は預からん!」

 「では、・・・??」

「今回は、親分が僕に免じて一任してくれた。」

「そう、保留にしてくれたよ。」


「わぁ・・・、すごい、先生・・やくざの親分と知り合いなの?」

「そんなんじゃ、無い。 彼が勝手に・・だ!」

 「でも、親分先生の言う事、聞いてくれた・・よ!!」

驚きの目で、タムラ先生を見る、気風のいい岩下桃。


処置室で、結局小指を切断しなくてよくなった。

タムラ先生は、素早く出血部位を縫合して、処置室を後にした。

やっと、出番の麗奈に、少し優しい言葉で・・・

「おい、麗奈君。 後の処置、頼んだよ!」

 「はい、先生今日は大変だったですね。お疲れ様!!」

「おう、疲れた・・よ!!」

 一応、この章は終わりです。少し長くなりました。


次の48では、後記として、雑談風に載せる予定あります。

その時は宜しく 


ではまた・・・・暫くのオフです! 浅見 のぞみ


タムラ先生夜間外来(総合) R1047


DrDr――――――総合Tamura ―――――DrDr


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